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2004-09-01437-454

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喜劇ひく悲奇劇 (ハルキ・ノベルス)

喜劇ひく悲奇劇 (ハルキ・ノベルス)

 鯨統一郎を読むのは初めてだったけれど、これは初めてには適していないと思った。泡坂妻夫喜劇悲奇劇』をリスペクトした作品らしく、全編に渡り回文が張り巡らされている。題名もそうだし、章の名前や登場人物、著者コメントに至るまで回文で書かれている。ひとつのページの中に最低ひとつは回文が太字で書かれていて、多いページになると十以上の回文が地の文や会話文の中に出てくる。特に圧巻なのは、136ページから始まる古今東西のミステリをネタにした回文。また探偵・犯人・凶器・動機・アリバイまで回文で、本当に凝りに凝っている。しかし、凝りすぎているがゆえに不自然な箇所が多く、回文を盛り込むために犠牲にしているなと感じる場面が多々あったように感じた。きっと本書では、鯨統一郎らしさを十二分に発揮できていないと思うので、次は鯨統一郎らしい作品を読みたいと思う。

 作中に面白い回文が出てくる小説として、都築道夫『最長不倒距離』、岡島二人『三度目ならばABC』、『文章魔界道』、泡坂妻夫喜劇悲奇劇』『亜愛一郎の転倒』などが紹介されていたので、機会があれば読みたいと思う。

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