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2004-07-01397-419

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「私、毎日みんなと同じ、こんな生活続けてていいのかなあ。みんなと同じ教室で同じ授業受けて、毎日。だってあたしには具体的な夢はないけど野望はあるわけ。きっと有名になるんだ。テレビに出たいわけじゃないけど。」登校拒否児となった朝子は、自分の部屋にあったもののすべてをゴミに出して捨ててしまう。そうして身軽になった彼女は、同じマンションに住む小学生の男の子と一緒に……。

 第38回文藝賞受賞作。最年少17歳。若い作家が書くのは大抵、その作家を取り囲む小さな世界観であるから、きっとこの作品では若い作家にしては広い世界観を持っているのだろうと思ったら全くの逆で、この作品は自己という小さな世界しか描いていない。しかも自分が存在している家の中の部屋の中の、そのさらに押入れの中。そんな狭い世界を描きながら、しかし全然、鬱屈としているわけでも葛藤しているわけでもなく、さらりと流している。スタイリッシュだ、とは思う。一時間ほどで読めるし、意図的に軽くされているテーマが心地よいと言えば心地よい。

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