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2013-02-19

久保田裕之「若者の自立/自律と共同性の創造 - シェアハウジング」

00:35 | 久保田裕之「若者の自立/自律と共同性の創造 - シェアハウジング」 - phaの本棚 を含むブックマーク はてなブックマーク - 久保田裕之「若者の自立/自律と共同性の創造 - シェアハウジング」 - phaの本棚 久保田裕之「若者の自立/自律と共同性の創造 - シェアハウジング」 - phaの本棚 のブックマークコメント

なぜ日本では「家族と住むか」か「独りで住むか」が支配的なのか?


かつて非親族も含めた生産の単位が居住の単位だった(農村、使用人など)

戦後10年くらいまでは、それがあった


しかし、強固な性別役割分業や企業中心の福祉施策を背景とした

「家族の五十五年体制」「住居の五十五年体制」

 ワンルームマンションは都市に遊離した子供部屋


 戦後の家は「家族を容れるハコ」だった

「同居=家族規範」 同居するのは家族でならなければならない

 居住における家族中心主義

  →シェアの抑制


80年代くらいから別の動き

 家族の危機、閉塞  

 都市化により個人化、個別化した暮らしの閉鎖性

  地域共同体の復権願望も、シェアも同じ



実際のシェアについての聞き取り調査

  • 経済的メリット
    • シグノ−『家族の経済学』 - 世帯人数が増えるほど経済的になる
  • 経済以外のメリット
    • 「甘えない、家族と一人暮らしのいいとこ取り」「自分の家以外の常識を知る、自分の家族の相対化、他人の尊重」
  • 共有スペースにおけるルールと「ゆるやかな政治」
    • 汚れなどの「気になる度」の違い、「気になる人がやる」
    • ネット、連絡帳などの連絡ツールの活用
    • 価値観の妥協、自分の「サービスレベル」を無理に押し付けない
    • 家事の水準が下落しやすい
  • 離脱可能

シェアが反射する家族

シェアハウスは微妙だと思うけど家族ならうまく行く?

No, 家族はシェアのひとつの形態に過ぎない

二人性(twoness)という概念

  • 非効率性と脆弱性
  • 家事の非匿名性と互酬の厳格さ
    • 誰がやってやってないのか分かる、厳密な把握と監視に繋がる
  • 合議体としての機能不全
    • どうしても50%対50%になっちゃう
    • どんな仲いい人でもずっと二人だとしんどくなる

二人性がいままで見えなかった理由

  • 近代的な家族イメージがあまりにも支配的で当然とされていた
  • 本来はケアの対象である老人や子供も成員扱いされていた

まとめ

家族が気楽、という考えは、社会的・文化的な支え(傘)で守られていたにすぎないが、

それが弱くなってきてる(政府や企業からの福祉の切り下げ)


価値観の違う他人と出会う集団生活は「民主主義の小学校」


現在、私たちの多くは、家族に生まれ、ときに独り暮らしを経て、また新たに自分の家族をつくる。この間、具体的な生活の場面において、家族規範や役割関係から離れ、自分に染み付いた家族文化を相対化し、利害の対立を認めてルールや分担を話し合う訓練の機会を得ることはめったにない。

→他人との共同的な住まいがその役割を果たせるのではないか