『20歳までに5000冊』企画

『20歳までに5000冊』企画 日誌

2006-12-16

[]僕たちは歩かない(12月10日読了17:00

僕たちは歩かない

僕たちは歩かない

ふふふ、私が最も愛する作家の1人ですよ。相変わらず愛くるしくてチャーミング。短いのが残念っちゃ残念だけど、小説において、長いか短いか、なんていうのは、読むのにかかる時間の問題でしかないものね。もっと長くしようよ、っていうのは、この作家の文章を一分一秒でも長く読みたい、という私の身勝手な欲望でしかなくて、冷静に考えてみれば、この小説がこの長さであるのは必然なんだろうと思うのよ。

一日が26時間の東京と、24時間の東京を行ったりきたりする料理人志望の若者たちの話。面白いのは、彼らが、26時間の東京を「こちら側」、24時間の東京を「あちら側」と呼んでいること。これは、彼らが26時間の東京を、より身近に、自分たちのもののように考えていることの表れだと思う。その感覚が私には分かる。

24時間の東京っていうのは、私にとってみれば、たとえば家だったり学校だったり塾だったりっていう場所。26時間の東京っていうのは、たとえばビッグサイトだったりネットだったりっていう場所。そういうことだと、思うんですよ。この二つの場所で形成されている共同体は、全然違うものだと思うんです。私、という人間は同じなのにね。ここがキーなんじゃないかな。24時間の東京であろうと26時間の東京であろうと、そこにいるのが同じ人間だってことが。だから、あそこで登場人物が死んじゃったのは、ああなるほど、って思った。そこからあの展開になることもね。だから「食べる」なのか、と。で、だから短くなくちゃいけなかったのか、と。やっぱりステキだね、この作家は。

あと、山手線。あの電車は面白いよね、本当に面白い。普通電車と人の乗り降りの量が違う気がする。環状線だからかしら。不思議電車ですよ、あれは。

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