『20歳までに5000冊』企画

『20歳までに5000冊』企画 日誌

2006-04-07

[]チーム・バチスタの栄光(4月7日読了13:40

チーム・バチスタの栄光

チーム・バチスタの栄光

上手だ。いやまさか新人賞でこのレベルだなんてね。

キャラの濃さの書き方が絶妙。くどくならないギリギリのラインで踏みとどまってる。取り立てて奇抜な個性があるわけでもないのに、むしろ類型と言ってもいいくらいなのにキャラが立ってる。この時点でスゴイけれど、プロットもきっちりしてるところがスバラシイ。話のテンポがぐずぐずじゃない。

キャラが立ちすぎちゃってミステリー部分が若干弱く見える気もするけど、それは弱点にならないんじゃないかな。ちゃんと整合性がとれてるもの。解決後に白鳥を動かしちゃったら記者会見シーンが呑まれちゃうし。事件は派手に解決されるだろうけど、小説としてオチにくいだろうし。

道理で本屋さんでプッシュされてるわけだ。納得。

[]月とアルマジロ(4月6日読了13:40

月とアルマジロ

月とアルマジロ

簡単に言っちゃえば、無職若者が友達に頼まれてアルマジロを飼う話。

犬でもなく猫でもなく、アルマジロ。そこにこの話の大事な部分が隠されているんじゃないかな。犬猫だったら現実感があるけれど、アルマジロってすごく非現実的。写真くらいなら見た事あるけど、実際動くところってちょっと想像できないなぁ。

私がアルマジロって言われて想像した時に感じた「よく分かんないかも」っていう曖昧さは、主人公社会距離感と似てるんだと思う。

もしかして、今の時代で携帯を持たずに不便を感じない私はおかしいのかな…。

[]愛死(4月3日読了13:40

すごい密度の作品がいっぱいですよ。あんだけ長いハイペリオン四部作を綺麗に纏め上げちゃうシモンズの技量がいかんなく発揮された中編集。のびのびしてるなぁ。

インパクトの点でいえば「バンコクに死す」が忘れられない。電車の中で読んでて困った…。電車の中で同人誌読むのと同じくらい厳しい。(注:やったことないよっ!)足早に読んでしまおうと思ったのに、読ませる読ませる。公共の場で読み出さないことをお勧めします。すごく焦るのに止められない。

フラッシュバック」も捨てがたい。小説の中で登場人物がクスリやってると、「ばーかばーか」とか思うのが私の常ですが、こればっかりは面白そうだと思ってしまったから恐ろしい。

「大いなる恋人」は第一次世界大戦を戦った架空の詩人日記の体裁をとっている。上官から作戦の段取りを教えられる時に時計を合わせるんですが、そのときに詩人時計の方が3分間早かった。時計を合わせながら、「寿命が3分縮んだ」って詩人が思うんですが、何故かあそこがすごく印象に残った。