2008-09-14あたしが今まで嘘をついたことがありますか?
■ 『蒼い月 なみだ事件簿にさよなら!』 鯨統一郎 祥伝社ノン・ノベル


- 作者: 鯨統一郎
- 出版社/メーカー: 祥伝社
- 発売日: 2008/08/29
- メディア: 新書
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★★★☆☆
波田煌子シリーズの4作目で、最終巻?
クリニック、警視庁、学習塾と仕事を変わり、その先々で事件を解決してきたが、今回はまた警視庁からの及びがかかり、連続殺人事件の解決にあたる。いままでの、作品のいわば解決編に当たる部分や、いままであまり語られなかった煌子のこれまでの話も
シリーズ全体をみると、3作目の学習塾編がちょっと全体の流れに対して軸線がズレているのかなという感じ
され、一端やるべきことを果たした、煌子の明日はどっちにあるんだろうか
2008-09-12そして、私だけが変わらない
■ 『インディゴの夜』 加藤実秋 創元推理文庫


- 作者: 加藤実秋
- 出版社/メーカー: 東京創元社
- 発売日: 2008/03/11
- メディア: 文庫
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★★★☆☆
渋谷のクラブ indigo ライターとしての表の顔をもつオーナーとホストの面々
夜の繁華街での事件をというと、先行する似たような設定があったようなきもするが
この作品では、ちょっとだけ、距離をおいてホストの面々を見守るようで、突っ走っているオーナー
彼女の存在がうまく作品としての昼の世界と夜の世界の橋渡しが出来ているように思う
(似たような設定の作品はまるっきり夜の世界だけで話が完結しているような気がする)
まあ、あんまり深刻に声高に語るのも野暮ってもんかもしれないです
なにで、探偵役ですら、その場ののりでやっちゃうようなホスト達の活躍の話なんですから
2008-09-10「どんぐり はじまったー!」
■ 『よつばと! 8巻』 あずまきよひこ 電撃コミックス


- 作者: あずまきよひこ
- 出版社/メーカー: アスキー・メディアワークス
- 発売日: 2008/08/27
- メディア: コミック
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★★★★☆
秋になっても、よつばは元気
どんぐりで幸せになれたのは、何時の頃までだったろう
夏が終わって、どんぐりが始まるまで少しだけ時間がある
この間は夏から秋にかけて特別なもののような気がしてきた
台風に文化祭に秋祭り
それよりもたぶん、どんぐりが一番、秋なんだろう、きっと
2008-09-08「どうもありがと。これ、あげるわ」
■ 『六番目の小夜子』 恩田陸 新潮文庫


- 作者: 恩田陸
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 2001/01/30
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★★★★☆
恩田陸は人間が嫌いなんじゃないか
これは他の作品の時にも書いたかもしれない
生徒達が自主的に受けついでいる「小夜子」の伝統
でも、その伝統をとりまく人々の中で、誰もが誰かいや何かの意図の元に
動かされている、それは自覚的であれ、無自覚的であれ
そして、その力は「小夜子」という伝統のためだけに存在する
その力は特定の誰かでもなく、なにかとてつもなく大きなもので
その正体は登場人物の誰もが思い描くことが出来ない存在なのだろう
それは冬の章での小夜子が、文化祭以降つきものが落ちたように
自分を語ることで示しているように思われる
人は何かを成し遂げるということは
時にこのような力を受けていることなのかもしれない