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すまいりブックレビュー

「Smily Books Blog」(2014年からはこちら)

2011-04-16

[]愛国消費 欲しいのは日本文化と日本への誇り 三浦 展(徳間書店)

1."日本"志向(90年代以降、自分探しによる多様性から同質化へ変化)

(1)多様化が進むと他者からの共感が薄くなる

 それぞれが独自・個別なため、他者から何を聞いても「へーそう」で終わってしまう

(2)共感が薄れると孤独を感じ不安になるため、誰かと同じものを求めて安心したくなる

(3)"日本"志向が安心して同質化でき、かつ自分らしさも否定しないものであると気付く

(4)経済大国を目指した欧米化からエコを目指す日本志向へ

2.手段的(インストゥルメンタル)と自己充足的(コンサマトリー)な価値観

(1)手段的

 ①儲け話があるからAさんと付き合う

 ②金のために会社で働く

(2)自己充足的

 ①Aさんと話していると楽しいから付き合う

 ②仕事が好きで楽しいから会社で働く

3.流行(mode)と伝統(trad)

(1)便利さを求めるもの:技術や経済は最新の物が流行(mode)

(2)安らぎを求めるもの:家族や社会は変化を求めない(trad)

 →現代はmode偏重な時代からtradへと変化しつつある

4.脱呪術化論(マックス・ウェーバー)

(1)考え方が、戦時中の旧日本からの戦後近代化に無理矢理結び付けられてしまった

(2)実際のウェーバーは近代化の冷酷さ、計算高い合理主義を批判している

[]人は勘定より感情で決める ~直感のワナを味方に変える行動経済学7つのフレームワーク 柏木 吉基(技術評論社)

1.数字を読み取る時の落とし穴

(1)データの一貫性幻想

 一貫性のあるデータがあるとバイアスがかかり、思い込みを正当化したくなる

(2)コントロール幻想

 そもそも自分でコントロールできないこと(例:サイコロの目を当てる)をコントロールできると勘違いする

(3)平均回帰

 初回の結果が特異値(特別に良い、あるいは悪い)場合、次の結果は平均値に近づくのが普通

(4)少数の法則

 少ないサンプル、個人的な経験でも印象深いと過剰に一般化してしまう

2.損得の大きさと確率を判断する時の落とし穴

(1)損失回避性

 損は得よりもインパクト大きく感じる(少しの損であってもできるだけ回避したくなる)

(2)感応度逓減性

 元の絶対値が大きいほど、その結果に対する感じ方の変化が少なくなる

 (例:101万→103万の昇給は21万→23万の昇給よりもうれしさが少ない)

(3)反転効果

 利得には過剰に確定したくなり、損失のリスクは認めたくないと考える

(例:都合の良い占いは信じるが、悪い内容の占いは信じない)

3.メンタルアカウンティング(心理会計)

(1)現状の会計

 今手持ちの財布や毎月の生活費などで簡単に使われやすい

(2)将来への会計

 車、家などへの利用で通常は貯蓄される

4.現状維持バイアス

(1)これまで現状を継続して失敗(サンクコスト)し続けていても、

 変化することで将来マイナスの可能性がある場合、現状維持したくなる

(2)機会損失とスイッチングコストのバランス

 新しいものに変更しない事によるデメリットと変更する事によるデメリット

5.保有効果(愛着)

(1)所有した物は期間が長くなる程、価値を非合理に高く見積もってしまう

(例:今は不要なのに昔作った資料が捨てられない)

(2)高価で長期間利用するもの程、将来まで値打ちが下がらない(中古価格の高い)ものを欲しがる

6.記憶を元に判断する(ヒューリスティック:Heuristics)時の落とし穴

(1)利用可能ヒューリステック

 記憶時のインパクトが大きく、具体的に思い出し易い程、重要だとバイアスがかかりやすい

(2)代表性ヒューリステック

 ①具体例を他の類似記憶と結びつけ一般化すると実際よりも過大評価してしまう

 ②連言錯誤(具体的な情報が多いというだけで、事実を誤認してしまう)

(3)記憶のアンカリング

 ①最初に提示された物に影響され、客観的判断できなくなる

  (例:値引き後も高いにもかかわらず、値引き額が大きいと購入してしまう)

 ②ベンチマークする競合他社のデータを気にし過ぎ、ゼロベースの絶対評価ができなくなる

7.目の前のタスクを早く終える事

(1)メリット

 ①一度後回しにすると、また取り掛かるのにエネルギーが必要

 ②後でやると"旬"を過ぎてしまい、機会損失

 ③先延ばしする事で納期が厳しくなり、成果の質が悪くなる

 ④他のタスクと重なるリスクが高まる

(2)デメリット

 ①短絡的に行う事によるリスクがある

 ②やらなくてよかったタスクをやってしまう場合あり

8.知覚による落とし穴

(1)先行効果

 先に印象強い事を行い、強い影響を与える

(2)最近効果

 一番最後に印象強い事を行い、強い影響を与える

(3)対比効果

 競合他社と比較し、良い所を際立たせる

(4)ハロー効果(halo:聖人などの後光)

 一つの事が良い(あるいは悪い)と他も全て良い(あるいは悪い)印象を与える(先入観)