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すまいりブックレビュー

「Smily Books Blog」(2014年からはこちら)

2005-12-16

[]最強組織の法則 ピーター・M・センゲ(徳間書店

1.システムの囚人、考え方の囚人?

(1)構造が行動を左右する

 構造が同じであれば、人間が違っても質的に同様な結果が生じやすい。

(2)人間組織の構造は複雑微妙である

 人が決定を下すやり方(活動方針)は複雑微妙である。

(3)人間組織では考え方を変える事が改善につながる

2.考え方をシフトする

・システム思考の基本要素「フィードバック・プロセス」

(1)拡張(増大)フィードバック・プロセス

 物事の成長、加速度的な増大プロセス(口コミ、雪だるま現象、便乗効果)

(2)平衡(安定)フィードバック・プロセス

 継続、維持(例.時速60kmの走行維持)するプロセス

(3)フィードバック・プロセスには「遅れ」が内在している

 システムにおける「遅れ」(行動した後、その結果が出るまでのタイムラグ)を最小化することがシステム上最高のレバレッジ

3.現象を支配するパターンを見抜く

(1)成長の限界

 拡張(増大)のプロセスでは成長の限界は必ずくるため、

 その時は成長の無理強いは行わず、成長を制限している要因を取り除くこと

(2)問題のすり替え

 一時的、応急処置で済ましてしまうこと

 副作用(いつも応急処置で済ます)も発生する

 根本的な問題はずっと解決できない

 目標を下げる事によるすり替えもあり

4.木を見て森も見る

(1)システム思考の最大の利点は、複雑さの根底にひそみ、変化を生じさせている構造を見抜く事

(2)情報を幅広くかつ詳細にわたるパターンにおいて把握する能力が重要

5.自己マスタリー

・クリエイティブ・テンション(創造的緊張)

(1)ビジョンと現実との間のギャップを創造的なエネルギーの源と考える

(2)たとえビジョンに達成していなくても、それに向かう途中の失敗の中に利益(学習効果)が得られる(理想の姿に拘り続ける事が重要)

6.メンタル・モデルの克服

(1)自分が主張するときのガイドライン

 ①自分自身の理屈を明確に(基礎データを定量的に示せると良い)

 ②相手に自分の見方についての意見を求める

 ③相手に自分とは異なった見方がないかどうか確認する

(2)相手の見方を探求するときのガイドライン

 ①相手の見方を探求する前に、前提としている自分の考え方を示す

(3)会話が袋小路にはまってしまったときのガイドライン

 ①どんなデータ、論理で相手の見方が変わったのかを尋ねる

 ②こちらが何か手伝える事がないかどうかを尋ねる

(4)自分が主張することをためらったり、他の考えにも気乗りしないときのガイドライン

 ①相手(あるいは自分)にこのような状態となっている原因は何であるかと問いかけてみる

7.チーム学習

(1)意見交換

・意見交換を通して人は互いの意見の中の矛盾に気づく

・すぐれたチームほど意見の衝突が頻繁に起こる(前向きな意見交換)

 ①参加者はみな、自分の意見を「仮説」として提示しなければならない

 ②参加者はみな、お互いを「対抗者」でなく「仲間」とみなす立場でなければならない

 ③意見交換全体の状況を把握している「進行役」が一人いなければならない

(2)意見交換とディスカッションのバランス

・チーム学習では意見交換とディスカッションの間を行ったり来たりする動きをマスターする必要がある

 ①意見交換

  新しい意見を見つけるためにさまざまな意見を提示する。一つの結論や合意は求めない。

 ②ディスカッション

  チーム内で一つの結論や合意が必要なときにとる会話のスタンス

(3)防御慣例(組織文化の一要素)

 ①意見交換の際、自分の意見の背後にある思考を公開する事の恐れ/気恥ずかしさからくる防御

 ②自分のビジョン表現がうま過ぎるため、まわりの人を威嚇してしまい、異議を唱える人がいなくなってしまう

  (ワンマンな意見自体、一種の意見交換を妨げる防御慣例といえる)

※翻訳本のせいもあるかもしれないが、今年読んだ中で一番難解な本。

 事例は多いが、MIT教授の割には結論が明確でなかった。