Hatena::Groupbook

すまいりブックレビュー

「Smily Books Blog」(2014年からはこちら)

2003-05-20

[][]インターネット時代の著作権 岡本薫(全日本社会教育連合会) 22:52

1.著作権とは何か

(1)「著作権」は開拓地の「土地所有権」と似ている

知的所有権は著作権や特許権などを含み、「創作物」の「利用」についての権利を保障する。

①「完全利用」=「土地を開墾して所有」

②「一時利用」=「馬車などで土地を通過する」で例えられる。

③「完全利用」でない利用の仕方

・コピー

・放送(公衆向けの送信)

(2)「著作権」ということばの三つの意味

①(広義的な)著作権

②著作者の権利(著作物を伝達する著作隣接権を除く)

③②のうちの経済的な権利((2)に含まれる人格権は除く)

(3)「コピーライト」とは

上記(2)③のうちの「無断でコピーされない権利」

(米国は先進諸国で最も保護水準が低い=コピーライトの保護範囲が狭い)

(4)政府の著作物の扱い

①米国では全て著作権は否定→NASAが開発したコンピュータプログラムも営利目的で企業利用可能

②ヨーロッパや他の多くは政府でも著作権所有している

(5)外国の著作物

ベルヌ条約、万国著作権条約、ローマ条約などある。関連する場合、専門家に相談必要。

(6)著作権の「権利」とは

著作者自身が○○できる権利の他に、他者が無断で○○する事を差し止めることができる権利

(7)インタラクティブ送信に関する権利

これまでの公衆放送と違い、サーバに情報が一時蓄積される点が異なる。

無断でホームページへアップロードさせない権利

無断でインターネットなどを通じて送信可能化の状態にされない

リンクだけであれば、リンク先サーバが送信不可、アップロード不可にできるので侵害していない。(先進諸国に先駆け日本が実施)

※現状では、上記の著作権法が整備されていない外国にサーバを置いて、そこから送信は可能。

(8)「公衆」とは

「不特定」または「特定多数」の人々。

特定会員向け放送の場合も利用形態が経済的意味を持つ場合、著作権侵害となる。

(9)「放送」とは

「公衆」に向けた同時送信。よって、不特定だけでなく特定多数の人も対象に含まれる。

2.著作隣接権

(1)著作隣接権とは、著作物「など」を伝達する権利

=「著作物」ではない「単なる景色」なども工夫して伝達した場合、著作隣接権が発生

(2)「レコード」の中の実演と「ビデオ」の中の実演の違い

①レコード

「録音」された実演のその後のコピー、送信可能化、レンタルなどすべて実演家にも権利発生(レコード=音の記録媒体。CDも含む)

②ビデオ

「録画」された実演は生実演の録画のみ①と同じであるが、通常はその後の権利は一切発生しない。

※実演家の人格権の欠如:例えば、バレエなどの実演について、録画した媒体をデジタル処理により体系や顔の置き換えといった改変が行われても、現状では文句が言えない。

(3)レコードレンタルと著作権

①発売後1年間のみ「許諾権」(無断で公衆にレンタルされない権利)

②発売後2~50年目までの49年間は「報酬請求権」

(公衆へのレンタルについて使用料を請求できる権利

=使用料は請求できるがレンタル行為そのものの差し止めはできない)

(4)インターネット条約(WIPO新条約)

インタラクティブ送信に関する

「著作者」及び「実演家・レコード製作者」の権利

3.著作権と土地収用法

(1)購買した本の譲渡が許されるかどうか

構わない。通常メーカーが卸売りに流通した段階で譲渡権が消滅しているため。

CDなども買った時点で譲渡が行われているため、その後の転売はOK

(ただし、コピーした後譲渡する場合は話が別)

(2)情報公開法による権利制限

公表権(無断で公表されない権利)については、(情報公開法の施行後に著作者が行政機関に提出した著作物について)開示決定までに著作者が公表拒否の意思表示をしない限り、無断で公表しても構わない。また、公益性が高いものは公表拒否してとしても、行政機関が公表できる。

4.IT(情報通信技術)と契約

(1)著作権に関する法律と契約

①日本では著作権に関する法律は整備されている。

 実際に遅れているのは当事者同士で締結する契約。

②米国では著作権に関する法律は低い水準だが、

 契約に関するシステムは世界で最も発達している。

(2)利用者側の契約

権利者に対して明確に「利用範囲」を契約上確定するのは利用者側の責任。

(3)著作権管理システム

著作者と利用者が契約手続きをする場がない。

(例えば利用者にとっては、ハンドバッグをデパートで買っても、

それを作った人に直接会うことは難しい。)

よって、当事者同士が「出会える」ようにするための仕組みが必要。

5.教育活動と著作権

(1)ホームページリンク

①「リンク」は一般にコピーや再送信を伴っていないので、通常著作権侵害にはならない。(リンクを張る時に了解を得るかどうかはルールでなくモラルの問題)

②ホームページ作者自身が、利用範囲や条件を明確に「表示」しておくべき。