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すまいりブックレビュー

2012-05-13

[]脳と心の洗い方(「なりたい自分」になれるプライミングの技術) (Forest 2545 Shinsyo) 苫米地 英人(フォレスト出版)

1.サブリミナル情報

(1)顕在化された情報は人の前頭前野(意識)で理解されるため、心に伝わりにくくなる

 意識への直接的な暗示(例:「服を脱げ」と直接命令)では相手に効かない

(2)相手を本当に説得、納得させるにはサブリミナルにより情報を刷り込むしかない

 無意識への間接的な命令(例:「退行催眠をかけ子供に戻し、川を渡るよう命じる。服がぬれるとお母さんにしかられるから、脱ごうとしむける」)

2.変性意識(Altered States of Consciousness)

(1)サトリ(何も考えず、聞かず、話さず、ありのまま全てを感じている状態)以外は全て変性意識の状態といえる

(2)深い変性意識(トランス)とは、現実より仮想世界の臨場感が増してしまった状態のこと

(3)「驚愕法」催眠により恐怖を与えることにより、患者は強い変性意識に入り、医者にラポール(強い信頼感、深い親近感)を感じる

(4)ストックホルム症候群も強い恐怖心から誘拐犯に対し、ラポールが生まれる

3.内部表現

(1)視覚、思考、言語など脳内の全ての認識状態が内部表現

(2)心(内部表現)と体(外部表現)を切り離して考える事はできない

 認知科学(コグニティブサイエンス)のファンクショナリズム(心を関数として捉える)の考え方

4.ホメオスタシス(恒常性維持機能)

(1)内部表現(心の状態)は、外部環境からのフィードバックを受け、常に更新している

(2)人間はサトリ(物理的な現実世界)とあの世(心で考える仮想世界)の間で日々バランスを取って生きている

5.プライミング

(1)今の自分より将来が望ましい状態に持っていこうとするモチベーションのこと

(2)脳が望ましい行為をする前に先行してドーパミンが流れる(先行したリワード<報酬>システム)

 まだ現実に起きていないのに、将来起きる事(抽象度の高いイメージ)を考えるだけで、エネルギーを使わせる事ができる

6.アンカーとトリガー

(1)アンカー:脳に埋め込まれた「なりたい自分」の心理状態もしくは体感状態

(2)トリガー:アンカーを引き出すきっかけとなる引き金

7.自己洗脳

(1)今、自分が見える現実世界に対し、自己吟味をしてみる

 例:今、着ている服はいつ買ったのか、以前着た時に何をしたのか、etc…

(2)「なりたい自分」に結びつける

 例:今、着ている服を着て、一部上場の発表をする

 →ただし、目標は化城の教えに従う(あまりにも遠い目標を立てるより、少し先だけを見据えて進むのが良い)

 →過去の自分が気持ちよかった体験を将来の「なりたい自分」のイメージと結びつける(プライミング)

(3)共感覚により「なりたい自分」の臨場感が増すように体感的にイメージしてみる

 聴覚を視覚、触覚のような細かい認識分解能で捉え直す訓練をすると、共感覚により現実を微細に捉える力が増す

 →銀色のような尖った声、ザラザラした茶色の音、etc…

(4)呼吸法

 無意識の呼吸を逆腹式(お腹をへこませつつ息を吸ってから、息を吐いた時、お腹を緩める)により意識に上げる

 →臨場感を高める訓練になる

8.煩悩のコントロール方法

(1)煩悩(遺伝子情報)を超越する自己制御は「止観」で行う

遺伝子情報(子供を作る、食べるなど)の欲望が起きたら、その衝動のもとが何かを内省的に吟味すること

(2)物理世界の上にある抽象度の高い「識」を認識するようにする

2012-05-02

[]僕は君たちに武器を配りたい 瀧本 哲史(講談社)

1.日本人で生き残る4つのタイプ

(1)マーケター(商品に付加価値をつけて、市場に合わせて売る事ができる人)

 ①アイデアを自ら出す必要はなく、それをうまく見つけられるスキルさえあればよい

 ②新しい商流(他の企業との差異)を見つける感性と分析力が重要

  →ユニクロは「着ても恥ずかしくなく」かつ「値段が安い」服が大量に売れることを発見した

  →着ても恥ずかしくないとは、効率的で合理的で洗練されたイメージ戦略から作り出される

(2)イノベーター(全く新しい仕組みを作る事ができる人)

 ①既存のものを今までと異なる形で組み合わせて提供すること(イノベートの本質)

 ②まずは既存マーケットのヒト、モノ、カネの流れを研究すること

 ③良いと思った既存のアイデアを徹底的にパクる(TTP)、あるいはその逆をやってみること

(3)リーダー(起業家となり、みんなを管理して行動する人)

 ①凡人をうまく使うスキル(本当のマネジメント)が必要

  優秀な人より圧倒的に数の多い凡人のマネジメント力が有用

 ②リーダーは自分を狂信的に信じる事ができる

(4)インベスター(投資家として市場に参加する人)

 ①投資先がトレンド(一方向への不可逆的な動き)なのかサイクル(繰り返す変化)なのかの見極めが重要

 ②IT、英語、会計といった資格を取得するだけでは、資本家に使われるだけ

  →資格ビジネスに踊らされているだけ(資格を取得して不安解消したいという意識につけ込む不安解消マーケティング)

 ③教養課程(リベラル・アーツ)で学ぶ基礎的な素養こそ重要

2.日本人で生き残れない2つのタイプ

(1)トレーダー(商品を遠くに運んで売る事ができる人)

 ①仕入れや見積もりはオープン化され、価格の透明化により「サヤ」が抜けなくなってきている

 ②広告代理店、商社、アパレル、流通などの営業職は壊滅状態

(2)エキスパート(専門性を高めて、高いスキルによって仕事をする人)

 ①IT技術の変化が激しく、ある時期に特定の専門知識を身につけても、すぐに消滅してしまう

 ②他に人には得られない唯一の情報を提供できるスペシャリストになることが必要

2012-04-15

[]数学的思考法―説明力を鍛えるヒント 講談社現代新書 芳沢 光雄(講談社現代新書)

1.確率と無限等比級数を融合させた実例

 3人の実力が同じ3人が巴戦を行う時、最初に戦う2人の勝利確率は5/14

 →残り一人の勝利確率4/14よりわずかに高い

2.戦略的思考

 目標を設定して、そこへ至るまでのルートの中で、どんな事象がどんな確率で起きるかを考える事

3.定性的な知識は丸暗記しない

(1)定性的な知識を丸暗記しているだけだと暴走しやすい(例:コエンザイムQ10は細胞を若返らせる)

(2)定性的な知識は定量的な事柄とセットで覚える事

 「塩は水に溶ける」ではなく「摂氏20度の水に対し、塩は濃度約26%まで溶ける」と覚える

4.問題解決方法は1つに無理矢理絞り込まない事

(1)最も効果的な解決方法は複数の組み合わせである事が多い

(2)多変量解析で変数が多過ぎると決められなくなるため、第3主成分で80%くらいまでといった目処をつけるとよい

5.目標が遠ければ、逆算できる他の目印を探すと良い

 日本に犬は何匹いますか?→ドッグフードの消費量から換算する

6.一般化の説明はn=2だけでなく3でも説明すること

 ハノイの塔は円盤2枚(移動3回で完了)でなく、3枚の時(移動7回で完了)の説明が重要

7.感覚と対数変化(ヴェーバー‐フェヒナーの法則)

(1)刺激に対する人間の感覚は対数で変化する

(2)100倍の刺激で2倍になったと感じた場合、3倍と感じさせるには1000倍の刺激が必要)

8.13日の金曜日の出現数

(1)1月を基準(0)とすると7で割った余りのズレ(0〜6)パターンが2〜12月の間に全て出現する

 ①平年:3,3,6,1,4,6,2,5,0,3,5(2月、3月、11月が必ず日付と曜日が同じ)

 ②閏年:3,4,0,2,5,0,3,6,1,4,6(1月、4月、7月が必ず日付と曜日が同じ)

(2)(1)のパターン(同値)結果より、13日の金曜日は最低でも年1回、最多で年3回出現する

9.「論より証拠」と「証拠より論」

(1)説明する時は「論」(理屈)から述べた方がよい場合と「証拠」(データ)から述べた方がよい場合がある

(2)論理で説明できないものは、データから説明するしかない

10.論理説明のポイント

(1)問題の「核心」をついた説明をする

(2)仮定から結論を導くように説明する

(3)論点がずれない形で最後までバランスよく説明する

11.データ説明のポイント

(1)データ個数がいくつかを説明する

(2)二項分布(正規分布)で示す場合、有意水準に注意する

 よく用いられる有意水準5%で試験結果を判断すると、正常範囲の95%は40点以上60点以下となる

 →たまたま40点以下あるいは60点以上の人は異常なデータと見なされてしまう

(3)ロジスティク曲線で示される場合、急激な増加が起こるポイントとその期間に注意する

 単純な二次曲線(放物線)と異なり、あるポイントから急激に増加する期間(対数期)がある

 →細菌の研究において、菌が急速に増殖する(対数期)前にいかに防止するかがポイントとなる

2012-03-11

[]進化しすぎた脳 (ブルーバックス) 池谷 裕二(ブルーバックス)

1.動物と人間の脳

(1)イルカの脳自体は人間より大きいが、運動部位ばかり発達し、大脳は使いこなしていない

(2)人間は制約のある体(腕が2本、足が2本、目が2つなど)の中でしか脳を利用していないため、ポテンシャルを持て余している

2.脳機能の局在化

(1)聴覚野で音の低い方から高い方へと反応する場所が分かれて並んでいる

(2)視覚野に届いた情報は側頭葉でそれが「何」(例:ペンとニンジンの区別がつく)が理解し、頭頂葉で「どんな」状態(動き、色など)かを理解する

3.意識の定義(何をもって「意識がある」とするか)

(1)表現を自分から選択・判断ができること(刺激に対する反応・反射は、意識とはいえない)

(2)短期記憶できる(相手の言葉を記憶し、何を言ったか理解する)

(3)可塑性がある(過去の経験や学習を表現を選択・判断するための拠り所としている)

4.言葉と意識

(1)言語を使う事で意識を生み出した

(2)言葉を発するようにした咽頭が心を生み出した

(3)単純なYes/No(反応・反射)だけでなく、抽象的な思考も言葉で表現することができる

5.「見る」ということ

(1)世の中が3次元なのに2次元の網膜で入力されたものを脳が3次元に再解釈している

(2)3原色の波長しか感じられない網膜で限られた世界を見ている

(3)盲視(Blind Sight)

 ①視覚情報は視床に行く前に「上丘」でも感じる事ができる

 ②「上丘」で感じるスピードが速いため、ピッチャーの豪速球でも打ち返す事ができる

(4)盲点

 網膜の中で視神経が集まって出て行く場所だけはものを映す事ができない

6.感情と無意識

(1)感情は無意識であり、無意識である(意識でコントロールできない)

(2)感動は覚醒した感覚(クオリア)であり、無意識である(意識でコントロールできない)

(3)クオリアとは他の表現への置き換え不能なもの(甘酸っぱい感覚はそれ以外の感覚では表現できない)

(4)呼吸や表情は意識と無意識の中間

 表情のパターン(喜怒哀楽)は人の遺伝子に組み込まれているため、世界中どこでも共通性がある

(5)最も原始的な「恐怖」は扁桃体で生み出されるが、それ自体に感情はなく、大脳皮質に送られて初めて「こわい」というクオリアに変化する

 ①悲しいから涙が出るんじゃなく、涙が出るから悲しい(ジェームズ・ランゲ)

 ②感情は神経が活動した結果の副産物に過ぎない

7.記憶の正確性と曖昧性

(1)下等な動物(鳥など)は見たものをすぐにそのまま正確に覚えていられる

 そのままの状態しか覚えていないため、抽象化したり、汎化して応用する事ができない

(2)人間は記憶は曖昧で、判断の保留を行いながらゆっくりと記憶する

 ①いろんな情報から特徴を抽出し、共通点を見つけてから記憶する

 ②記憶されるまでに過去の情報との比較や判断の保留が入る(鵜呑みしない)

 ③曖昧に記憶されるからこそ、過去の記憶との思いもよらないつながりができる

8.脳の神経細胞は増殖、代謝しない

(1)頭蓋骨の中にあるため、脳細胞は増殖できない

(2)脳細胞が新陳代謝したら、自分自身が入れ替わってしまう事になる

(3)神経細胞自身は増殖せず、神経突起をつくって、他の細胞とネットワークを構築しているだけ

9.神経細胞

(1)神経細胞は脂肪とタンパク質で作られる絶縁体のため、イオンで電気を流し、情報伝達する

(2)世の中にある全ての細胞は、内側をマイナス、外側をプラスのイオンで電位差を作っている

(3)神経細胞内での情報伝達はナトリウムイオンの波の流れ(スパイク)で行う

(4)神経線維のネットワークは接触はしておらず、わずかな隙間(シナプス)がある

 神経伝達物質(電気でなく化学物質)を放出する事で、シナプスを乗り越え、隣の神経線維へ情報は伝達される

10.スパイクと神経伝達物質

(1)神経伝達物質はスパイクがきても放出される時と、放出されない時がある(情報伝達の曖昧性の原因)

(2)神経伝達物質の種類

 ①ナトリウムイオンベースのグルタミン酸は情報伝達を促進

 ②塩素イオンベースのGABAは伝達を情報抑制

 ③ドーパミン、セロトニン、アドレナリンなどは直接イオンは流さず、間接的に情報伝達に影響を与える

(3)情報伝達のしくみ

伝達賛成派の情報伝達物質の放出が多ければ、隣の神経細胞にもスパイクが発生する

(4)記憶のしくみ

 ①隣り合わせの神経細胞が同時にスパイクが発生するとシナプスの結びつきは強くなる(情報伝達されやすい)

 ②マクロで見るとスパイクはランダムでなく、発生する順番のパターンがあるため、それが覚えやすさ、覚えにくさと関係する

11.神経細胞のネットワーク

(1)神経細胞全体で1000億のうち、大脳皮質にある神経細胞が140億

 ①神経細胞1個が、シナプス1万作って、ネットワークしている

 ②シナプスの数は1000億×1万で、しかも1個ずつシナプスの個性(情報の伝達しやすさや伝達の方法)が異なる

(2)脳細胞のネットワークの多くは反回性回路(フィードバック)である

 ①1個の神経細胞は1万のシナプスで他の神経細胞とつながる(1万の神経細胞と互いにつながる)

 ②①でつながった神経細胞がそれぞれ1万のシナプスで他の神経細胞とつながる(全体で1万×1万=1億の神経細胞がつながる)

 ③②でつながった神経細胞がそれぞれ1万のシナプスで他の神経細胞とつながる(全体で1万×1万×1万=1兆の神経細胞がつながる)

  →ところが、大脳皮質の神経細胞の数は140億<1兆のため、③までのネットワークの広がりはないと言える

 ④海馬、前頭葉、視覚野が反回性が多い

 ⑤脳の99.99%はループ回路専用などの内部処理に専念している

  →インプット(視覚など)やアウトプット(話すなど)に関連している部分はごくわずか

(3)シナプス100ステップ程度の情報伝達で脳内の情報処理は完結している

 ①脳の情報処理はだいたい0.1秒程度で完結する(例:言葉を聞いて理解するまで)

 ②シナプスは1000分の1秒で情報伝達するため、シナプス×100で処理が完了しているはず

12.三体問題

 天体が2つ(太陽と地球)までの運動方程式は簡単だが、3つ(太陽と地球と月)になるととたんに方程式が解けなくなる

2012-03-04

[]「正義」を叫ぶ者こそ疑え 宮崎 学(ダイヤモンド社)

1.正義の正当化

(1)原則だったものが、絶対的普遍性があると多数派が唱えるときがある

(2)正義に反するもの(不正義)は、殺人で排除しても守られるべきものになってしまう

(3)道徳や正義の話が出たら、必ずそれで儲けるやつがいる

(4)マスコミ煽動による多数派が生まれる

 自分(の価値観)がないため、世間(マスコミ煽動)の価値観や他者との関係性でのみ自分を判断している

(5)少数派で訴えながら、抵抗する自らに酔いしれている

 多数派は全て悪という思い込みがあると、間違った少数派の正義が生まれる

(6)社会は全て割り切れると考えてしまう(自分と違う価値観を認めない考え方)

 社会は割り切れないものと考える方が、健全な考え方

 →例えば、環境問題を考える会議室でエアコンを使う事の矛盾を受け入れる事

2.村八分

 村八分にされても、二分(葬式と火事)の時の付き合いだけは残っていた

3.組織

 組織に属したら、どんなときにやめるかを考えておく事

4.政治家

(1)政治家とは利権屋である

(2)官僚と政治家の関係は警察とやくざの関係と同じ

  官僚(やくざ)が泥を被りたくない仕事を政治家(警察)にやらせる

5.宗教

(1)超能力や神秘性を権力に利用してはいけない

 権力欲を満たすためでなく、そうした欲から解放されるために目指すのが宗教の目的

(2)金の必要な組織で行わない事

 宗教に金も組織も必要ない

(3)ノンチャーチ

 教会や神父、牧師を介さず、聖書のみを通じて神と対話するという立場

6.民族と国家

(1)国家や民族の間の紛争は人権でなく利権で争っているだけ

(2)軍隊が国を守ると思わない事

 ①軍隊が何よりもまず軍隊自身(組織)を守ろうとする

 ②戦争で負ける時、軍隊は民衆を置き去りにする

7.「正義」とのつきあい方

(1)「正義」は存在しない(ないものを信じるな)

 ①人は正義を求めたがる存在であることは否定しないが、現実には存在しない

 ②人間の生活はグレーゾーンであり、白か黒かの正義は存在しない

(2)「よりマシ」なものを選択せよ

 ①よりマシな方策をその都度選択して生きること

 ②その都度選択した方策が最良だと思わず、常に疑い続ける事

(3)現実から物事を考える

 正義などの抽象的な観念でなく現実から物事は考える事

(4)「正義屋」に気をつけろ

 正義をふりかざし、商売する政治家、メディア、宗教家が売りつける商品は買わない事

(5)空気に流されない

 ナチ、尊王攘夷、同時多発テロのアメリカといった正義の空気に流されない事

(6)多様性を保障する社会を

 民主主義であっても「空気」で一つの価値観が支配してはいけない

(7)組織は「道具」と認識する

 国家や会社といった組織は道具として使うものであり、組織に忠誠を尽くす奴隷となってはいけない

(8)正義より義侠心を

 見下す姿勢がある正義より、同等の立場で困っている人の力になろうという義侠心を

2012-02-28

[]誰も教えてくれない人を動かす文章術 (講談社現代新書) 齋藤 孝(講談社現代新書)

1.ネタ出し

(1)思いついたもの、会話の中から書き出す

(2)なぜ気になったのかの理由も合わせて書いておく

(3)まず書いてみる事で自分が何を考えているか気づく事もある

(4)異質同士の共通点、同質同士の相違点を見つけ出す

2.グループ分け

 ネタを3つくらいにグループ分けする

3.ゴールを決める

 最後の文章を考える

4.タイトルを決める

 「つかみ」を考える

5.通過地点を設定する

 最初に「え!」とびっくりさせ、次に「へぇ」と気づかせ、最後に「ほぅ」と納得する流れを作る

2012-02-19

[]「危機管理・記者会見」のノウハウ―東日本大震災・政変・スキャンダルをいかに乗り越えるか (文春文庫) 佐々淳行(文春文庫)

1.東日本大震災での「超法規的措置」

(1)震災地域で、送検済み被疑者の釈放(福島:31人、宮城:27人)

 釈放した一人がコンビニに窃盗逮捕

 →安易な容疑者放免は法秩序の破壊につながる

(2)汚染水流出を止めるのにおが屑と新聞紙

 通常工事現場などで用いる「水中コンクリート」(瞬間凝固剤)を使うのが常識

2.雄弁と沈黙

(1)沈黙は金の誤解

 相手を正しく理解するために必要なのが沈黙

(2)間違った沈黙

 ①わからなくて何も言えないだけ

 ②発言すべき時に沈黙する

 ③保身のために口を開かない

 ④優柔不断で発言できない

(3)雄弁の効用

 相手に意思を表明することで初めて相手への効果が測定できる

(4)雄弁はアクティブソナーで沈黙はパッシブソナー

 ソナーはアクティブ(音波を発信して敵艦探知)とパッシブ(無音潜航して敵艦の音を探知)の使い分けが必要

3. コンプライアンスの意味

(1) 相手のいい分に対しどのように応諾するかの落とし所のこと

(2)法令遵守はコンプライアンスの一番消極的な意味

 法令さえ守っていれば、いつも完全に組織防衛できるとは限らない

4.コンプライアンス・オフィサー(広報担当者)の資質

 言っていい事は明るく即答し、言ってはいけない事(ネガティブリスト)を事前に洗い出し確認しておき、決して公言しない

5.ネバーセイネバー

 記者会見などの答弁で「決して」という言葉は絶対使ってはいけない

6.ネガティブリスト

 何を言ってはいけないかを書き出したリストであり、べからず集となる

7.ソフィスト的詭弁術

(1)論点変更の誤謬(ムタティス・エレンチ)

 ①相手の主張(土俵)には上がらず、自分に有利な土俵に引きずり込む

 ②一般論には各論、各論には一般論で返す

(2)突き放し論法

 ①相手の土俵には上がらず、立場が違うと意見を突き放してしまう

  →他者からのご意見はこれ以上は無用と相手の意見を突き放す

 ②揚げ足や言葉尻をとられない論法

  →「あなたの意見は理解しました」と意見を突き放して回答を終える

 ③自分の立場を必要以上に説明しない

  →相手への100%の説明は無理

(3)相手の両刀論法(セオリー・オブ・トゥ・ホーンズ)を見破る

 子供を返して欲しくなかったら「返して欲しくない」と言え

 →「返して欲しい」「返して欲しくない」のどちらを返答してもダメとなるずるい論法

(4)不当仮定の虚偽(ヒーステロン・プロテロンに負けない

 ①自分に不利な前提を議論の最初に押し付けられないこと

 →ロシアは「日本とロシアに領土問題はない」といった都合の良い前提から論議を始めようとする

 ②相手から仮定(例:「もしここがアメリカなら」)となる質問には回答しない事

(5)不可知の論証(アルグメントゥム・アド・イグノランティアム)

 ①「みんながそう言っている」「世間の評判が悪い」

  →曖昧な集合名詞が主語の意見は、具体的に誰の意見なのか確かめる事

 ②「専門家が言っています」「常識的にこうです」

  →知識の共有ができなければ議論できないと、自分が理解できるように説明してもらう

(6)尊敬の誤謬(アルグメントゥム・アド・エレクンディアム)

 「社長の意見です」「本に書いてあります」

  →議論に無関係な意見であれば「So what?」と返し、相手の詭弁を断ち切る事

(7)循環論証(シルクルス・イン・プロバンド)

 不当仮定がいくつか組み合わさり、論証できない話が循環するのに惑わされない

(8)禁反言の原則(エストッペル)

 前言撤回、一度約束した事を翻してはいけない

(9)熱いジャガイモ論(セオリー・オブ・ホット・ポテイトゥズ)

 熱い茹でたてのジャガイモを渡されたら、すぐ相手に投げ返す事

 →「あなたならどうしますか?」「他の方法があれば教えてください」と投げ返す事

2012-01-22

[]成功のコンセプト 三木谷 浩史(幻冬社)

1.仮説は右脳と左脳のキャッチボールから生まれる

(1)右脳から生まれるアイデアやひらめきは論理的なフレームワークに落とし込む事でビジネス可能な仮説となる

(2)感覚や直感を仮説という具体的な形にするには、フレームワークをあらかじめ左脳で理解しておく必要がある

2.消費の多様化

(1)経験やエンターテインメントとしての消費が増えている(必要な物だけを買うための消費ではない)

 深夜ドン・キホーテでウロウロする、ブランドのバッグを買う、高級レストランに行くなど

[]大震災後の日本経済ーー100年に1度のターニングポイント 野口悠紀雄(ダイヤモンド社)

1.クラウディングアウト

(1)東日本大震災という混雑により通常の需要が押し出され、復興のための投資需要が優先される

(2)日本経済は「需要不足」から「供給制約」に変わった

2. 復興のタイプは復旧型でなく転換型がよい

 円高を容認し製造業中心からサービス業中心の構造改革が必要

3.復興財源は国債でなく増税がよい

 01年末以降、預金残高は増えていないのに国債が増えている

4.震災日本経済のブループリント

(1)工場は西日本に、サービス業は東日本がよい

 ITサービスであれば、電力を使うサーバは西に、SEやプログラマは東で仕事をする

(2)イギリス的な産業構造で電力問題をクリアする

 金融業を中心とするサービス業の比率を高め、少ない電力使用で高い経済活動を成立させる

5.資産大国として生きる

(1)2007年から2008年に日本の対外資産(純資産)は三分の一以上を失った

(2)所得収支の黒字で貿易収支赤字をカバーする(アメリカ、イギリス式)

(3)新興国にモノを売るのでなく、投資する

 ①所得水準の低い新興国にモノを売っても低コスト生産が必須のため、ジリ貧

 ②ODA供与の専門家をファイナンスできるよう育成すること

2012-01-21

[]ヒューマンエラーを防ぐ知恵 (DOJIN選書) 中田 亨(DOJIN選書)

1.ヒューマンエラーとは

 認知ミス、判断ミス、動作ミスの三種類あるが、事故は複数の原因(人為ミス以外も含む)が絡み合って発生する

2.なぜ事故は起こるのか

(1)事故とは

 意外性、有害性、不可逆性の特徴がある

(2)ヒューマンエラーのパターン

 型にはめられないため機械では防げない

3.ヒューマンエラー解決法

(1)問題を捉え方

 問題が何かを正しく捉えるのは難しいため、最低限6通り考える事が重要

 ①前提条件に問題がある捉える

  例:FAX誤送信→そもそもFAXを利用しない事はできないかと考える

 ②やり方が問題と捉える

  例:FAX誤送信→手動でFAX番号入力しているのが問題と考える

 ③道具や装置が問題と捉える

  例:FAX誤送信→FAXでなく電子メールを使うべきと考える

 ④やり直せばよいと捉える

  例:FAX誤送信→FAX送信後、間違えていないか相手先に電話で確認

 ⑤致命的でなければ可と捉える

  例:FAX誤送信→重要でない書類ならば、間違えてしまってもよいとみなす

 ⑥認識に問題があると捉える

  例:FAX誤送信→たまたま間違えた宛先が誤送信でない場合もある

(2)問題解決が裏目に出る事の予想は難しい

 第一番の問題が解決すると今まで見えなかった二番目の問題が発生する

(3)ハインリッヒの法則の真の意味

 1つの大事故が発生するまで残りの軽微な29の事故と300の異常は解決されない

(4)セーフティ・バイ・ウォーキング・アラウンド

 小さなミスを吸い上げるため、従業員同士が互いに他部署の現場を歩き回り、危険な点を指摘する。 

(5)事故の責任者を問い過ぎると問題解決が遠のく

 ①専門性の壁(専門的な作業事故ほど、当事者責任が問いにくい)

 ②ヒポクラテスの誓い(知りながら害を犯してはいけない)

 ③ミルグラム効果(善良な人間でも上司命令だと非倫理的なことでも行ってしまう)

4.ヒューマンエラー防止法

(1)作業を行いやすくする

 ①ストレスを排除する(例:作業手順の視覚化)

(2)損害が出る前に人に異常を気づかせる

 ②あえて手間を与える(例:ボタンを二つ押して動かす)

 ③小さな事故を与える(例:道路のスピードバンプ)

(3)事故が発生しても大きくならないようにする

 ①大事な操作は最後(例:ATMの現金は最後に出てくる)

 ②作業員同士でチェック

 ③監視役を入れる

(4)大事故の想定方法

 ①きっかけ演繹法(例:マウスの誤操作からどこまで大事故になり得るか想定検討)

 ②事故原因帰納法(例:フェリーが沈没するにはどんな原因が考えられるか想定検討)

2012-01-08

[]1日5分 頭がよくなる習慣 佐藤 伝(中経出版)

1.「学習」の習慣

(1)シンクロ・マッスル学習(筋肉を動かす事で脳に刺激が与えられる)

 学習する時は、軽いスクワットや立ったまま音読して暗記する

(2)ヨガ式呼吸

 鼻から吸って吐く前に止めて、鼻からゆっくり吐くこと

(3)倒立(脳に血液を集め、百会を刺激する)

 壁にもたれて、百会(頭のてっぺん)を床につけて逆立ちする

(4)指回し(指を動かして脳を刺激する)

 両手の指先を合わせてから、親指から順番に小指まで回していく

(5)座っている時は猫背にならない(本を読む時も首や顎を前方に傾斜させない)

 肺が圧迫され酸素不足で頭の回転が悪くなる

(6)覚える時は一度目をつむる

 理解したと思ったら一度目をつぶり、目を開けてから思い出して確認する

(7)指の爪を押しながら覚える

 覚えたい内容を声に出しながら、親指の爪から順番にできるだけ強く押していく

(8)ウィスパー話法

 暗記する時は耳栓をして囁くように音読する

(9)脳のマッサージ

 思い出せない時は側頭葉、やる気の起きない時は前頭葉、リラックスしたい時はひたいと後頭部をマッサージする

(10)記憶に定着させる音読

 音読はゆっくり3回、次に早口で3回行う

2.「心」を見つめる

(1)苦労しなければ幸せはつかめないという考え方はやめる(人生は修行でなく遊行)

 ①表層意識では苦労したくないと思っていても、深層心理では苦労しなければ幸せになれないと思い込んでいる

 ②辛くても一生懸命頑張れば、後でいいことがあると考える事の誤解

  幸せになるには、その前に不幸を味わう必要があるという危険な考えになる

(2)心は傷ついても魂は傷つかない

 傷つく心は球体の表面、核(コア)にある魂は誰もが完璧なものを持っていて、生まれてから死ぬまで変わらないと考える

(3)やる気の出る映画を見る

 ペーパーチェイス、モリー先生との火曜日など

(4)自分の人生を映画だと考える

 苦しい時は、自分が映画に出演している主人公だと考えてみる

3.「体」に注目する

(1)脳を使う学習にはブドウ糖とミネラルウォーター、酸素が重要