- AAA:最高評価
- AA:傑作(特に面白いものはAA+、今ひとつのものはAA-)
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2004-11-03金融ミステリ
■ [金融ミステリ]マイケル・トーマス「ブラック・マネー」BLACK MONEY
お勧め度:BBB+

マネー・ロンダリングを扱った金融アクション小説。ジャンク債やらハゲタカファンドやら登場するけど、要するに巨大な麻薬カルテルの犯罪 と対決する話。世界中の電子送金を監視して、すべての金の流れをおっかけられるスーパーシステムというのは、なんだかなあ。お約束のカッ コイイじいさんも出てくるし、面白いんだけど1800円は高すぎる。気色悪い口絵もなんとかしてほしい。ここであげた他の作品と違って反 金融自由化の立場から書いてますね。
■ [金融ミステリ]マイケル・リドパス「架空取引」FREE TO TRADE

国際的な金融詐欺に巻き込まれた投資顧問会社の新人マネージャが、債券ディーラーと組んでその真相を暴く。ジャンク債やら株のインサイダー 取引やらをネタに、恋と冒険が展開するという筋書で一気に読ませる。ちょっと債券モノに点が甘いかなという気もするけれど。でも、面白い よ。
■ [金融ミステリ]リチャード・シュミッテン「法定通貨」LEGAL TENDER

最新テクノロジーを駆使した複写機が作る完璧なニセ札が大量に流通する。G7の緊急ミーティングが行われ、NY連銀総裁が対策にのりだす。 しかし、その裏にはさらに巨大な陰謀が隠されていた。緻密な描写が壮大なプロットを支え、金融ミステリとしても海洋アクションとしても一級 品の出来。なんだか007かルパン三世か、という感じもするが。 このジャンルではタックス・ヘイブンが小道具として大概外せないんだけど、バハマだのケイマンだのアンティル諸島だの、みんなリゾートなん だよなあ。
■ [金融ミステリ]マイケル・ルイス「ライアーズ・ポーカー」Liar's Poker

ソロモン・ブラザーズで債券のセールスをしていた著者が、80年代の同社での経験を語るノンフィクション。ここで対象にしてる本とはちょっと 違うけれども、あまり変わらない気もしたので挙げてみた。債券トレーディングの実態、モーゲージ部の興亡など、紹介した小説のモトネタがここ にあります。あと、ライアーズ・ポーカーというのは、ドル札のつづき番号で賭けるゲームで、「テイク・オーバー」にもでてきた。ほとんど運と ハッタリだけのゲームだと思うけど、アメリカのディーラーってみんなこんなことやってんの?
■ [ノンフィクション]



番外ということで、話題の2冊+1。読み比べてみると面白い。要するにベアリングズにはリスク管理はあっても機能してなかったし、大和銀行には リスク管理なんてなかったという話し。相場に負けて損がふくらんでいくということはどういうことか、当事者が自ら書いたものってそうないか ら、その意味でも貴重な本です。二人とも似たようなことしてんだけどね、印象はずいぶん違う。「告白」の方は、奥さんには逃げられるし、大 雨の中必死で電話連絡したり、けっこう悲惨な話しなんですが、「ベアリング」の方は、酒場で酔っ払ってるとことか家族で遊び歩いてるとこと かエンエンと書いてあったりして。熱海じゃ芸者あげて騒いでるし。やっぱ日本人って損な性分なのかなあ。 3冊めはイギリスのジャーナリストによるドキュメント。やはり読み比べてみると面白い。目の前で百億単位で損が膨らんでいく気分の描写なんて のは、本人の言葉の生々しさには勝てないけれど、本人が書いて自己正当化の部分はない方がおかしいですから。またリーソンには窺い知ることの できなかった事情などもでてきて、銀行が崩壊したあの週末についても、資料をもとに再構成して本書のクライマックスになっています。 イギリスの銀行家というとディズニー映画のメアリーポピンズを思い出すんだけど、まあ実際もあんなもんらしい。ビッグバンなんて言っても、そ れこそナポレオン戦争からこっちなんも変わってないんじゃないの。 著者はオプションのわかりやすい説明に挑戦し、ボラティリティあたりまではけっこう成功してると思うけれど、さすがにデルタだのベガだのが出 てくると出すだけ出してほとんどその説明を放棄している。まあ、オプションの解説が目的の本じゃないし、「なにやらややこしいトリックを使う」 という印象を読者に与えることには成功している。でもその労力をちょっとヘンな翻訳がまた空しくしている。「価格内在的な市場の変動率で、日々 の価格変動から算出した数字に基づいている。」では知らない人には絶対なんのことやらわからんと思う。読んでて、けっこう細かい単語の訳が気 になりました。なんで建玉をたてると取引所から財務諸表が送られてくるんじゃあ。日本の国債に富士フィルムのワラントがついてるなんて文章も あったし。