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2005-11-28

[]風塵の群雄―デルフィニア戦記〈8〉 (C NOVELSファンタジア) 著:茅田砂胡 絵:沖麻実也

デル戦8巻で第三部スタート。といっても第二部の完全なる続編だけど。滑り出しとしては今までの部で一番良好。のっけから戦闘シーンで始まるし(シーンの書き方自体はあんまり上手くないんだけど)、色々とイベント・新キャラを用意していて十分十分。ただ、イヴンのあれに関しては、そうなるところは最高に盛り上がったんだけど、解決法にかんしてはちょっと、エェー!? みたいな感じで微妙。いや、そういうのはもっと前に伏線張っておこうぜ? なんかあっちの世界の新キャラもいきなり出てるし。とはいえ、続きにも期待期待。

 評価:★★★☆

2005-11-25

[]西の善き魔女〈7〉金の糸紡げば (中公文庫) 著:荻原規子

なんだ、この幼なじみっぷりは! いやこの時点では正確に言うと幼なじみではないんだけど。8歳のフィリエルもルーンかわいいよ。一冊まるまる使った完全なる過去編。こういう話なら外伝やる意味あるよね。女王争いやら世界の秘密やらが色々絡んで割と壮大だった本編とは違い、こっちはセラフィールドの五人とこぢんまりとしているんだけど、その分ちゃんと書きたいところを絞ってあって良好。何よりラブラブ分の増量が嬉しい。最終巻はあの本編の続きですか……あまり期待しないでおこう。

 評価:★★★☆

[]GOTH―リストカット事件 著:乙一

評判通りの良作。主人公と森野の奇妙な関係や、犯人達の異常さを浮き彫りにしていく様子がいい。やっていることは間違いなくグロだけど、語り口が非常にあっさりしていて嫌悪感をそれほど抱かせないところも◎。ベストは、平凡であろうと願いながらも異常に身を落としてしまった犯人の心理を克明に描写した『土』がベスト。それと、漫画で見てオチは知っていたけど『記憶』もなかなか。ただ、全体的に叙述トリックを狙いすぎているあざとさが鼻についたのはマイナス。あれってもっとさらっとやるものだよなぁ。とはいえ、黒乙一の最高傑作でしょう。

 評価:★★★★

2005-11-24お知らせ

受験勉強でちょっと書く時間があまり取れそうにないので、受験生活が終わるまで簡易更新の形式で行きます。ご容赦下さい。

[]マリア様がみてる 3 いばらの森 (コバルト文庫) 著:今野緒雪 絵:ひびき玲音

これはやばい。表題作は特に言うこともないいつものマリみて、されど同時収録の『白き花びら』が素晴らしい。狂おしく一生懸命で、それゆえに儚く切ないこの雰囲気は、私がまさに百合に求めていたもの。この空気感の描写は本当にいいなぁ。マリみては普通ラインを越えなかったけど、これは満を持してオススメ

 評価:★★★★

某みみ某みみ2005/12/10 17:49これってコメントつけていいんでしょうか。いきなり失礼します。
「白き花びら」よかったでしょ!?
「白き~」がお好きでしたら、「片手だけつないで」もオススメ
かも。
百合色強くないんだけど
あぁあの「白き~」の聖がここまでになったか…みたいな。
マリみてだったのでつい反応してしまいました。

2005-11-23

[]文庫版 絡新婦の理 (講談社文庫) 著:京極夏彦

シリーズ最高傑作。いやあ本当にやってくれた! 1300ページ強の分厚さに見合う内容っていうのはそうそう読めないですよ。そもそも1300Pもある作品なんて言うのが稀なんだけど。

京極堂シリーズ四作目。連続目潰し魔事件と、絞殺魔事件、女権論、そしてキリスト教系女学園での謎のおまじないなどといった全く別の事柄の裏にいる『蜘蛛』とは――? 今までの京極堂って、導入部と種明かしの部分は格別に面白いけど、いかんんせんそれ以外の部分が長すぎる、という印象だったんだけど……ちょっと信じられません。中盤の部分も十分面白いよコレ。全く途切れることのない緊迫感ときっちり掘り下げられた人物描写で牽引力は十分。特に美由紀がメインのところはページをめくる手が止まらない。蘊蓄も今回は控えめで、個人的にはこれくらいがちょうどいい感じ。そして全ての謎を解き明かす終盤はやっぱりいつも通りの面白さ。無関係に見えた要素がひとつに収束し、難攻不落の犯人京極堂の話術によって崩れていく――、その過程に拍手喝采。惜しむらくは、女権論のところで蘊蓄が多くなってだれちゃって、織作家での解決が学園での解決のインパクトに負けちゃっているところですが。とはいえ、ラストの情景の美しさ、そしてそこから最初の二人の対話に繋がっていく構成はお見事。この分厚さに見合う内容で満足。

多分少数派意見だろうけど、個人的にはこれが京極堂ベスト。なんにせよ、地雷一歩寸前だった鉄鼠で切らないで良かった。次は宴………あれ上下巻で2000P近くあるんだよなぁ。

 評価:★★★★

2005-11-21

[]死神の精度 著:伊坂幸太郎

噂に聞いていたよりも普通だなー。いや、伊坂の中でもこの作品は特別普通らしいから、これ読んだだけでそう断定しちゃうのはアレな気がするけど。

音楽を聴くのを好む死神が対象となる人を一週間調査していく、その過程の物語を書いた六編の短篇集。まず最初に一言。文章読みづらくないですか? 別に下手じゃないと思うんだけど、最初の方は読んでいて突っかかることがしばしば。読んでいくうちになれて、最初ほどは気にならなくなったけど。その代わり話の方は面白いのが多くて良好。話自体は定番ものがほとんどなんだけど、死神の設定やら、主人公である千葉馬鹿真面目さなどによってアクセントをつけて独自性を出しているところがいいですね。特に後者は何回かくすりときた。個人的には、死神の設定を上手くミステリに組み込んだ『吹雪に死神』と、しんみりさせてくれる『恋愛で死神』がいい感じ。ただ、死神の『音楽を聴くのが好き』という設定が表題作でしか生かされていなかったのと、最後の短篇リンク中途半端だったのが残念。いっそのこと六編全部絡ませちゃうとかそういう離れ業をやってくれたら良かったのに。まあ、仕方のないところか。

伊坂はこれが初読み。話題になるほどの凄さは分からなかったけど、割と面白かったのでまた何かを読む所存で。デビュー作のオーデュボンからいこうかしら。

 評価:★★★

AndreyAndrey2007/06/11 11:09http://f8cb17f6b6e9476094a80ebb9884d3b3-t.yuutdt.info <a href="http://f8cb17f6b6e9476094a80ebb9884d3b3-h.yuutdt.info">f8cb17f6b6e9476094a80ebb9884d3b3</a> [url]http://f8cb17f6b6e9476094a80ebb9884d3b3-b1.yuutdt.info[/url] [url=http://f8cb17f6b6e9476094a80ebb9884d3b3-b2.yuutdt.info]f8cb17f6b6e9476094a80ebb9884d3b3[/url] [u]http://f8cb17f6b6e9476094a80ebb9884d3b3-b3.yuutdt.info[/u] 9afd9054af0ec970120cbf9f03dbd21e

2005-11-18

[]デュアル・ムーン―月光少年 (角川ティーンズルビー文庫) 著:友谷蒼

あーうん普通に地雷だね。あらすじ読んだらティーンズルビーでは珍しい非BLっぽかったので掘り出し物を期待してたんだけど……埋もれたままでよかったわ。

エレベーター事故で母を失い、植物状態になった弟を持つ主人公は、高校生になったある日、奇妙な事件に巻き込まれ特殊能力を持つ謎の少年に出会う。なんというか、どう上手く料理してもそこまで面白くはならなかっただろうなという材料を下手くそに料理したら地雷なっちゃいました、という代物。設定が手垢まみれで全くの類型的なものだということはまあいい。問題はあらゆる意味において下手なこと。キャラ描写の滑りっぷりも悲惨だけど、戦闘描写がこれまた酷い。盛り上がらない上に、そもそも何をやっているのかが文章から理解しづらい。戦闘のスピードと読者の情報処理能力のスピードが噛み合わないんじゃ盛り上がりなんて絶対に無理。そしてこの2倍の分量で書くべき内容を200Pちょっとに収めちゃっているものだから心理描写やら説明やらが色々省かれていて悲惨なことに。主人公はどうして『彼女たち』に惹かれたの? これが分からないので、終わり方も座り心地が悪く。

作者の下手さがよく伝わった1冊。今は干されているみたいだけど、このレベルから成長できてないのなら納得。まあ文句なく地雷でしょう。あ、狭義の意味BLではなかったです。広義ならBLかもしれないですが。

 評価:★

2005-11-17

[]アルスラーン戦記〈3〉落日悲歌 (角川文庫) 著:田中芳樹 絵:天野喜孝

よーし面白くなってきたぞー! 丁寧に書いている分ほとんど話の進まなかった前巻から一変、面白いくらいにぽんぽんと話が進む進む! やっと面白さが期待値に達してきた。

アルスラーン戦記3巻。今回のメインは他国・シンドゥラの王座争い。今まで話の進みの遅さにぶーたれてきましたが、今回ばかりはその文句も言えない。たった260ページで一国の次期王争いを駆け足で描写不足になることなくきっちり書ける田中芳樹はさすがだと思った。なにせシンドゥラ動乱が終わるまでちゃんと書いているんだから話の密度の濃さは言うまでもなく。ダリューンの個人戦も面白かったけど、今回はなんといってもVS戦象舞台。馬じゃなく象に乗る騎士達との戦い、とかどうやったらそんなトンデモ発想が出るんだw しかもそれがやったら面白い。また、二人の王子(この場合、パルスじゃなくてシンドゥラの)が王に選ばれない理由の書き方も上手。話の決着も満足のいくものだったし、今まで読んできて良かったと素直に言えます。……なんかもう終わったような言い方ですね。アルスラーン個人にあまり動きがないけど、もう少ししたら一気に動くのかしら。

確か第一部完結まであと4巻。今まではゆっくりペースで書いていたから割と不安だったけど、これなら7巻もの分量に値するだけの物語になることでしょう。次巻も楽しみ。

 評価:★★★☆

[]少女には向かない職業 (ミステリ・フロンティア) 著:桜庭一樹

砂糖菓子の二番煎じ。確かに桜庭一樹のガールミーツガールものは好きだし、この作品も面白かったけど、……うーんこれはちょっと……。

14歳の大西葵は、クラスメイトの宮之下静香と仲良くなる。それが、二人の人間を殺害することに繋がっていく――。要するに、砂糖菓子の弾丸は撃ちぬけない解体し、今度は少女が殺人する側という切り口で再構成したもの。初の一般向け作品と言うことで期待していたんだけど、その期待値からすると随分物足りない。葵が殺人を犯す緊迫感や、静香殺人者としての書き方も上手いんだけど、結局は砂糖菓子の焼き直しというイメージが終始ついてまわっていて、それが期待ほど楽しめなかった要因か。プロローグの絶望感も、迷路のどん詰まりにはまったようなハッピーなのかそうでないのか分からないラストも◎。だけど、先に砂糖菓子がある以上、その鮮烈さも二回目では希釈されてしまう罠。別に砂糖菓子に出来が劣っているというわけじゃないんだけど……単に順序の問題かな。

これはこれで面白いというのは本当。だけど、先に砂糖菓子を読んでいた身だとどうしてもあちらと比べてしまったという罠。過ぎた思い出は美化されるというのは本当ですね。

 評価:★★★☆

2005-11-16

[]スペース (創元クライム・クラブ) 著:加納朋子

期待通りの良作。元々外れなしの駒子シリーズ、今回もやっぱり安牌。ああ、とてもいい話だった。加納朋子作品は素直にそう言えるから好きです。

駒子シリーズ三作目。駒子が持ち出してきた手紙と、二つのささやかな恋の話。今までの、というか加納朋子作品のほぼ全てに言えることなんだけど、この物語を包み込む優しさ・暖かさがどうしようもなく心に沁みる。その雰囲気が、特に起伏のない、言ってしまえばなんて事のない話を心地よい良作に仕立て上げている。個人的にはバックスペースの方が好みかな。もともとこういう、カップルになるまでの、いわば出会いの話が好きなのもありますが。彼女の心情を実に丁寧に書いた素敵な恋愛小説。もちろん、スペースも良好。謎云々よりも、二人の関係を少しだけ進めた。もうそのことだけでも評価できる。ミステリとしては今まで以上に大したことないんだけど、そんなこと気にしてはいけません。まあ、言わなくてもこのシリーズミステリを求めている人はそんなに居ないでしょうけど。

これ単体でも読めないことはないけど、この作品を本当に楽しめるのはやっぱり過去二作を読んだ方でしょう。過去の駒子シリーズが楽しめた人なら読むこと推奨。

 評価:★★★★

2005-11-15

[]深紅 (講談社文庫) 著:野沢尚

面白いかそうでないかと聞かれれば、間違いなく面白いと答えるでしょう。だけど、だけどなぁ……もっと上手く料理していたら傑作レベルの作品になれてたんじゃないかと思うと惜しいものが。

小学校の時に家族を惨殺された奏子は、犯人死刑確定をきっかけに、偶然を装って犯人の娘・未歩に会う――。長編サスペンス。上にも書いたとおり(解説でも言及されているけど)第二章までは傑作級に面白さ。奏子が修学旅行から一転、家族遺体のある場所に行くまでの過程で掴みは最高。その緊迫感を持続したまま、第二章による犯人の切々とした語りで読む人の心を惹き付けて離さない。息をのむ、としか表現できない深刻な展開は本当に素晴らしいの一言。……なんだけどなー、まさに傑作と言うべきその二章に比べると、その後の展開はどうにも二枚ほど落ちる。描写(特に未歩の内面描写)が色々と足りてないせいで、最後のあれに緊迫感が伴ってないのはかなり痛い。どこまでも計算ずくな奏子の描写はいいものの、あの二章までの興奮には敵わないわけで。落としどころが非常に綺麗なのが救いかな。二人のラストシーンはとても心に沁みてよかった。

最初の緊迫感が最後まで持続すれば間違いなく傑作だっただけに、もったいない限り。これはこれで面白いんだけど、うーんなんか哀しいものが。

 評価:★★★☆

2005-11-14

[]丘の家のミッキー 2 かよわさって罪なの?の巻 (丘の家のミッキーシリーズ) (コバルト文庫) 著:久美沙織 絵:竹岡美穂

華織様! 華織様!

丘ミキ2巻。未来懸垂をがんばるだとか恋のライバル登場とか色々あったけど、今回は後半の華織様が全てを持っていっちゃったと言うことでFA。登場人物がほぼ普通な人(個性はあるけど、どれも普通の範囲内に収まる、という意味で)なこの作品の中で、いい感じにイっちゃった華織様のキャラが悪目立ちしてないのは素敵。基本的にハイテンションなこの作品だからこそ違和感なく収まるんだろうなぁ。他にも、新登場キャラで嫌みな恋のライバル的役所であるみずゑも実に嫌みな女としてキャラ立ちしていて好感触。そうそうこれでこそ少女小説。こちらが丘ミキの楽しみ方を何となく分かってきたのか、1巻ほど未来が鼻につかず、むしろ気づいたら感情移入してしまっている自分がいる。彼女を取り巻くうららと杉丸の関係も実にいい感じ。あと今回はなんといってもラストの溺れるシーン。助かるだろうな、という(まあ実際助かったわけだけど)諦めが心のどこかにありながら、それでも未来ピンチにこっちもドキドキハラハラせずにはいられなくなった。緻密な心理描写のなせる技だと思う。ここら辺は少女小説的な文体だからこそだよなぁ。

1巻の微妙だった部分を排除し、良い部分を盛り込んだという、続編としては理想的な形。できれば最終巻まで読みたいんだけど……どうして地元の図書館には3,4巻だけ抜けてるかなぁorz

 評価:★★★☆

2005-11-11

[]十八の夏 (双葉文庫) 著:光原百合

読了後きれいさっぱり何にも残らない短編集。個々の短編は特に出来が悪いってわけじゃないんだけど……というかむしろ無難すぎて何にも残らない罠。

花をテーマにした連作短編集感動ミステリー。……ミステリー? まあそれはさておいて。作者はこれがデビュー作らしいけど……なんかもうすでにこなれてしまった感じが。どの作品も手堅く無難にまとめすぎて、読んだ後しばらくしたら忘れてしまいそうな話ばかり。要は没個性。記念すべきデビュー作なんだから(賞を取ったのはともかく)もっと冒険しようよ。最初の2篇は恋愛小説なんだけど、どちらも別に他の作品でも読めそうな感じがして、つまらなくはないんだけど普通。かといってミステリーに特化した『イノセント・デイズ』は一昔前の二時間サスペンス臭がきつくて短編集から浮き気味で微妙。そんな中、『兄貴の純情』は主人公の一人称と兄貴キャラが生き生きしていて割りと楽しめた。これだけは作者らしさが伺えていい感じ。

非常に優等生な作品。個人的には「私はこういうのが書きたいんだ!」という気概が感じられた方が好きなんだけどなあ。

 評価:★★★

2005-11-09

[]女王の百年密室―GOD SAVE THE QUEEN (新潮文庫) 著:森博嗣

結論:私に森博嗣は合わない。森はすべてがFになるに何か合わないものを感じて、以降のシリーズを回避していたんだけど……うん、その直感は正しかった。読まなくてよかった、というほどではないけど。

近未来地球。ミチルとウォーカロンロイディは外界から完全に隔離された国に不時着する。平和なはずのその国でなぜか殺人事件が起こり――。事件を含めた謎は意外性もあって概ね良好。唯一ミチルの謎解きだけは唐突な感じもしましたが。ファンタジーに近い世界観でちゃんとミステリー出来てるのには好感。……なんだけど、いかんせんこの重いんだか軽いんだかよく分からない雰囲気が苦手。キャラの会話で深みを出したかと思えば、改行しまくりの表現法(森ポエムっていうんだっけ?)で思いっきり滑って軽くなる。重すぎず軽すぎずバランスが取れていて良い、といえばいいのかも知れないけど、この作品の場合はむしろちぐはぐになってしまっている感じ。すべてがFになるでは、こんな森ポエムはほとんどなかったはずなんだけどなぁ……。

この作品を一言で言うなら、雰囲気小説。雰囲気が合えば良作。合わなかった私は負け組。多分森ポエムが全面的に合わないのでしょう。ということで森作品はもう読まなくていいか。

 評価:★★☆

2005-11-08

[]アルスラーン戦記(2) 王子二人*1 著:田中芳樹 絵:天野喜孝

……あれ? はまぞうタイトルリンク入れようと思ったらなんか文字化けして入れられませんよ? しかたないのでこっちのやり方で。かなり昔の本だから文字化けしたとかかな?

……それはさておいて。アルスラーン戦記2巻。1巻はほぼプロローグ状態でした。2巻で話が進むのかなーっと思っていたら……これまた割とゆったりペースな罠。そりゃあ、260P程度の分量でアルスラーン視点、ルシタニア視点、銀仮面視点、魔導師視点と複数の視点で物語を進めていったら全体のペースは遅くもなりますね。つまり2巻は多分後々への仕込みの巻だ、ということでFA? そう考えると各キャラの思惑が丁寧に描写されていていい感じ。ただ、そんな中、アルフリードが登場してナルサスへのフラグが立った? とか思ったらいきなり片思い成立キタ―――(゜∀゜)―――!!!! いや待てオイ。初登場から50Pも立ってないのに(しかもその間には他のキャラからの視点もある)そんなすっとばされたら萌えも悶えもなにもあったもんじゃないですよ。他がゆったりペースで進む中、ここだけぶっとんだスピードでこっちがぶっとんだ。銀英伝の頃から思ってたけど、やっぱり田中芳樹って恋愛書くのは上手くないよね。第一部が終わるまであと5巻もあるんだから、せめて1巻はかけてゆっくり書いても良かったんじゃないかなぁ。

他はまあ特に言うこともなく。アルスラーンの正体バレは次か次の次当たり? 次巻はいきなり戦のシーンから始まるっぽいので素直に楽しみ。

 評価:★★★

2005-11-07

[]神様家族 (MF文庫J) 著:桑島由一 絵:ヤスダスズヒト

あー……なんだ、私には合わなかった。これが人気が出るのも結構分かるし、実際ツボにはまれば面白いんだろうけどね。ギャグ小説のツボの範囲は意外に狭いのかも。

神様の息子である主人公は、親バカでちょっと望んだことでも何でも『奇跡』で叶えてくれる父他家族に辟易し、自分の力で初恋を成就しようとする。この作家自体初読みなんですけど、実にテンポがいいですね! 会話はもちろん作品全体が。キャラも多く出ている割には各々それなりに立っていてなおかつ被っていないのも◎。最後は無理矢理終わらせた感があるけど、その前の環境変化の書き方はかなり良く全体的には文句なし……なんだよねツボにはまっていたら。基本的にテンポの良さとキャラの面白おかしさで笑わせる小説なんだけど、そのキャラがぶっとびすぎてて全く好きになれなくて笑えない罠。主人公適当さが腹立つし、ママさんは笑うにはDQNすぎて引く。家族全員(テンコ除く)に言えることなんだけど、神様の能力に甘えすぎているのがどうにも不愉快。いや、そういう小説なんだから突っ込んじゃいけないんだろうけどさー。

というわけで、造りはいいけど水が合わなかった小説、ということでFA。実力はある人だと思うので、前々から気になっていた大沢さんに好かれたい。はいずれ読むつもりだけど、とりあえずこのシリーズの続きはいいや。

 評価:★★☆


[]ネコソギラジカル(下)青色サヴァンと戯言遣い (講談社ノベルス) 著:西尾維新 絵:take

やっぱり何だかんだ言っても私はこのシリーズが大好きです。っていうかそうじゃなかったらわざわざ昼休みに学校抜けて買いに行ったりしないしね!(もちろん午後の授業には出ました)

戯言最終巻。前巻読了後に思った「多分まともにまとまらないで破綻するだろうな」という後ろ向きな確信は見事に払拭された……わけではないです。伏線放置はおろか、何故か最終巻になっても新しい伏線が張られ(当然のごとくそれも放置)、ほとんどの物語は書き足りないところが多く破綻を迎える。正直、3/4まではやっぱりダメかと思ってました。そんな中、最後のひとつ前の幕、『物語の終わり』で提示された赤色と橙、戯言遣いと人類最悪、そして『世界の終わり』をめぐる四人の物語の結末はすとんと腑に落ちて、あぁこのラストが見られただけでも私はこのシリーズを読んでいて良かった、という気になれた。とにかくいーちゃんと西東の会話から最後の銃声にいたるまでは最高潮と呼ぶにふさわしい展開で大満足。エピローグは蛇足感があるけど、個人的にこのエンドは歓迎。荒唐無稽に進んでいた物語には、案外こういう凡百なハッピーエンドが似合うのかも知れない。

クビキリサイクルを読んだのが中三の時だから……足かけ3年。未消化の伏線も、書き足りてないところも、破綻したところも、全てひっくるめて私はこのシリーズが大好きでした。読めて良かった。……次回作には全く期待してないですが。

 評価:★★★★

2005-11-06

[]尾のない蠍―遠征王と流浪の公子 (角川ビーンズ文庫) 著:高殿円 絵:麻々原絵理依

うわあぁぁぁぁなんだこの極悪な引きは! ひどい引きだとは聞いていたけど、予想以上のひどさですねこれは。言っちゃうとネタバレだしこのひどさが半減するので言いませんが。

遠征王4巻。今回の相棒はアイオリアの元夫、ミルザ。……相棒? それはともかくとして。なんか打ち切りが決まったかのように前巻からいきなり2年も時が経っていて(しかもそれが最初に明示されてなくて)ものすごく戸惑ったけど、話は最終章の始まりということで面白かった! ってーか前回の赤ん坊が霞むくらいにトラウマだらけで重い重い。これはちょっとえぐすぎますねorz アイオリアとナリスとミルザの過去が明らかになるにつれて重さも倍増。上でも書いたけど、ラストは重さとえぐさで読んでいる私も辛くなった。また、小国ボッカサリアに関するあたりも、各人の思惑を複雑に絡ませた上で納得のいく決着をつけてくれて満足。相変わらず、戦争のシーンに関しては、書かないor戦う前の下準備で大体決着をつけてしまう、と言う点が気になってイマイチ盛り上がりませんが、まあ許容範囲少女小説だしね。

なんにせよ、あまりにも酷い引きなので次でどう終わるのか激しく不安。ここ最近のアイオリアは見ていてあまりにも辛すぎるので、彼女幸せになってくれればいいんだけど……。

 評価:★★★★

[]運命よ、その血杯を仰げ―遠征王と隻腕の銀騎士 (角川ビーンズ文庫) 著:高殿円 絵:麻々原絵理依

思い切って大人買いした私の選択は間違っていなかった! このシリーズ大人買い(つっても2巻目だけなかったから、今まで読めなかったわけですが)したのは、ひとえにマグダミリアが良かったからなのですが……うん、私の目は間違ってなかった。

遠征王最終巻。今回の相方はアイオリアに長年仕えてきた銀騎士、ナリス。ナリスやっと報われたね……。なんてのはさておいて、前巻の面白さを落とさずに上手く完結に持っていってくれて満足。前々巻から続いてきたえぐさ、重さをすっきり感動に変換。アイオリアやナリス以外にも、ゲルトルードやガイやオクタヴィアンなどの脇役の問題も綺麗に解決させてくれて言うことないです。特にオクタヴィアンはまさかここまでスポットを当ててくれるとは思わなかった(しかもあんないい話になるとは……)そして実に潔くすっぱりと終わったラストに感動のため息。史実上、女王としてのアイオリアがどうなるかは分かっていましたが、うん、最悪の結末にならないで、それどころかちゃんとハッピーエンドにしてくれて良かった。ラストのアイオリアとナリスの子のずっと後の子孫がキースということなのよね。確か。唯一、ミルザに関しては最後まで報われなくて残念でしたが。まあ、些細なことでしょう。

話としては文句なし。ただ、本当に欲を言えば3巻と4巻の間に1,2巻欲しかったなーそうしてくれたらもっと良かった。番外編が二つあるそうなので、そちらに期待。骨太の少女ファンタジーでした。世界史やらが好きな人は是非。しかし、高殿の人のシリアスは本当に良いですね。次は……そのときは打ち切り確定だから銃姫にいこうかしら。

 評価:★★★★

2005-11-05

[]エルゼリオ―遠征王と薔薇の騎士 (角川ビーンズ文庫) 著:高殿円 絵:麻々原絵理依

引き取ろうと思った理由も互いに抱いている感情も違うけど、ガイとアデラの関係って単純に言っちゃうと光源氏紫の上の関係だよね? ……なんて思った私はあさきゆめみし6巻以降未読です。

遠征王2巻。今回の相棒ジャック相方、ガイ。とりあえず前巻で感じたひらがなの無駄な多さは解消されていて安心。さすがにあれは読みづらかったからね……。話は、悪かった部分が少し良くなって、逆に良かった部分が少し悪くなって、……つまりどっこいどっこい。ギャグ部分はそれ自体が減っていたので今回は気にならなかったけど、シリアス部分が前巻に比べると心に響いてこなかったかなー。今回はちょっとキャラが多すぎて捌き切れてない気がした。ニキータなんて特に。家族差別の両方にスポットを当てて、どっちつかずになっちゃったのかな、という感じ。ただ、家族としての場合、明らかにまだ解決してないので不満なのかも。差別の部分は割と納得出来て◎。どっちつかずのアデラの立ち位置が良いですな。

1巻完結ということもあってか、この巻は前巻と同じくらい。……前巻との比較論多いな、私。比較論は嫌いなんだけど。まあ、次巻に期待、といったところ。

 評価:★★★

[]ドラゴンの角―遠征王と片翼の女王 (角川ビーンズ文庫) 著:高殿円 絵:麻々原絵理依

おーし化けてきたぞー! 1巻完結の割と独立した話だった1、2巻とは違い、本筋のストーリーをちゃんと進めている。(もちろん良い意味での)ドロドロ化って素敵。

遠征王3巻。今回の相棒はアイオリアのいとこ、ゲルトルード。ゲルトルードの結婚に関するあたりはコメディでまあ普通、といったところでしたが、内乱の部分がかなり良くて嬉しい限り。というのも、今まではジャック、ガイといった脇役がメインで、本来主人公であるアイオリアは端に追いやられていたのに対し、今回でやっとアイオリアが軸になって話が進んでいるから。今まで表面的な姿しか書かれてなかったアイオリアを別の側面から描写することでさらにキャラに深みが出てきた。ナリスについても同様。そこらへんをきちっとやっていたおかげで、アイオリアのあの演説はすごく良かった。ストーリーそのものにしても、今までに比べてシリアス度がアップしていていい感じ。ってーかあの赤ん坊の最後えぐすぎるよ。これからは思った以上のドロドロ展開になりそう。

シリアス度アップ、百合度アップで嬉しい限り。ところでアイオリアとゲルトルードの表紙だと、本当に普通の男女向けファンタジーに見えますね。……女同士なんだけど。

 評価:★★★☆

2005-11-04

[]青の炎 (角川文庫) 著:貴志祐介

……えーと、もし違ってたらごめんなさい。作者はもしかしてギャルゲー(もちろんエロゲ含む)好き? 葉鍵共に未体験の私がこんなこと疑問に思うのもあれなのですが……。

家に居着いては暴虐的に振る舞う男から家族を守るため、そいつを殺そうとする少年の話。映画の話を聞いた時の印象から(映画自体は未見)男を殺そうとする主人公葛藤をメインに据えた作品なのかと思って読んだら肩すかし。殺そうと計画するシーンは、ほとんど完全犯罪を成し遂げるための技術・知識に描写が割かれているため、心理描写にはあんまり執着してない様子。しかしそこは貴志祐介。殺した後で、完全犯罪だと思っていた主人公がじわじわと破滅に追い込まれていく様子が真に迫っていて、そこから一気に引き込まれる。殺す前までの描写は全てその後のためにあったのかと思える、この途中で読むのを止めさせないストーリーテリングの上手さはさすが。ラストもなかなか綺麗。ストーリーには文句なし。……ただ、登場する女の子彼女と妹ね)にやったらリアリティがないのが気になる。一言で言っちゃうと、エロゲヒロインみたいな感じ。ここら辺が上に書いたことを思った理由なのですが。いえね、これがラノベだったら絶対に突っ込まないですが、実際の地名を出したり法医学やら物理やらの知識を出したりと現実に肉迫している話なので、女の子存在が浮いちゃってるんですよね。そこが残念

ともあれ、面白かったのは事実葛藤する少年の話と言うよりは、隙がないと思われた完全犯罪が足下から崩れていき、主人公が破滅に陥る話なので、そういう期待をして読むのが吉。映画も見ようかしら。

 評価:★★★☆

2005-11-03

[]東亰異聞 (新潮文庫) 著:小野不由美

だから小野不由美ミステリ向いてないんだってorz 黒祠もたいがい酷い出来だったけど、これも負けず劣らず酷い出来ですね! そんなの競わないでいいのに。

夜の東京で起こる謎の連続殺人事件と、華族家督争いをめぐる伝奇ミステリ。黒祠がたまたま外れだったんじゃなくて、小野不由美ミステリ向いてない人なんだとはっきり分かりました。登場人物が揃いも揃って書き割り(兄弟くらいしかキャラが立っていなく、探偵役にいたっては最後まで空気だった)なのもひどいけど、とにかく事件を追っていく過程がつまらない。淡々と進めていくと言うよりも、事件をただただ消化していくような、味気も何もない展開を面白く思えという方が無理かと。家督争いという、古典的すぎて今時引かれない題材である上に、あっと驚くような真相を用意できる人ではないのだから、その過程までつまらないというのは致命的。……とここまでだったら別に地雷レベルでもなかったんですけどね……何が一番やっちゃったって、最後が幻想的な部分と本筋のミステリーの融合が上手くいっていたのならよかったのだけど、何しろその二つが乖離していた状態でこの展開だからね……。こう落としたかったのなら、最初からミステリー要素を全部省いちゃった方がずっと面白くできたと思うのに。

夫は間違いなくミステリー作家だけど、本人は全くミステリーには向いてなかったという話。ミステリーは綾辻にまかせて、早く十二国記の新刊を出してください。

 評価:★

[]コーラルの嵐―デルフィニア戦記〈7〉 (C・NOVELSファンタジア) 著:茅田砂胡 絵:沖麻実也

異議あり! これはラブロマンスなのですか!? ああ、突っ込みたい、あとがき異議あり! と御剣ボイスで突っ込みたい……。

デル戦7巻。さすが第二部完結、と言ったところ。5,6巻とは比較にならないくらい話が進んでいます。ちょっと詰めこみ過ぎてる感もありますが、その分非常に充実しているので全く無問題。面白かった! 中盤のシェラのことや、終盤のウォルのことといい、もうちょっとためを用意してくれたらもっと最高だったんだけど、まあイイや。今回は何といっても結婚でしょう。裏表紙に書いてあった時も首を捻ったけど、本編はますますおかしい。こんなラブも何もあったもんじゃない結婚は初めて見たw それに伴う騒動もなかなか上手く解決してくれて満足。サイドストーリー的なファロットに関することも、今はまだ本筋から離れているけどこれから合流するんでしょう。そこに至らせるための掘り下げとしては文句ない出来。シェラも初登場の頃を考えると変わりましたね。女装少年はあんまり好きじゃないんで、今回見せたような男としての顔がもっと見られると嬉しいんだけど……まあいいか。

心配も杞憂に終わり、上手く二部を終わらせてくれて満足。外交に関してはこれで全部が収まったわけではないので、第三部・第四部に期待。

 評価:★★★★

2005-11-01

[]護くんに女神の祝福を! (電撃文庫) 著:岩田洋季 絵:佐藤利幸

先生! 砂を吐ける甘甘とはまさにこのことですね! なんかもうごちそうさま、としか言いようがないラブラブっぷりですよ!

護くん1巻。ビアトリスなる未知の物質に関わる教育を行う学園に編入した主人公は、登校初日に学園一の有名人に告白される。当然の事ながらこのシリーズ初読み。噂には聞いていました。でもここまでラブラブだとは予想してなかったよ! 中盤からは終始顔がにやけっぱなしであぶない人状態w ビアトリスという設定を上手くいかせてない(1巻見る限り、別に普通の現代物でも話は十分成り立つと思うんだけど……)とか、事件の扱い方が結構適当だとか、ストーリーには色々と突っ込みたいところがあるんだけど、もうこの甘甘が見られたので十分満足です。これはショタ萌えでも姉系キャラ萌えでもなく、このデレデレ(だけど周りに人がいるとツン状態)なラブに悶える小説ということでFA。お弁当萌えだったけど、個人的には「あ~ん」で力つきました。あ~ん! あ~ん!! ダメだ予想を上回るラブラブっぷりに勝てない。

十分堪能しました。ごちそうさま。ストーリーなんて二の次です。カップル成立したあとのラブラブも是非見たいので、次巻も読めたら読む予定。

 評価:★★★☆

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