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2005-9-30

[]今月の三冊200509

1.銀河英雄伝説 乱離篇

2.平井骸惚シリーズ

3.まるマシリーズ

今月はシリーズものばかり。三シリーズとも非常におすすめ。特に銀英伝

平井骸惚は富士ミスでは希有なミステリーとしても出来のいいシリーズ。5巻で終わっちゃうのは本当に残念

まるマは今月読んだライトノベルらしいライトノベルでは頭一つ抜けていた気が。BLに全く抵抗感がない人にはふつうにおすすめ

次点は、ささらさや。

 今月の読了本数:31冊。

[]西の善き魔女VI- 闇の左手 (中公文庫) 著:荻原規子

ああ、まあⅣ巻の出来が良くなかったから期待なんてしていなかったけどね……。なんで安牌の面白さを保っていたはずなのにラストでこけちゃうんだろ。空色勾玉の綺麗なラストはフロックですか? orz

西魔女Ⅵ巻にして本編では最終巻。正直に言っていいですか? 何この終わり方。今まで読んできたシリーズものでは1、2を争うひどい終わり方かもしれない。まあそう言えるほどシリーズもの読んでないですが。Ⅵ巻単体で見ると、そこまで悪くはないのですよ。Ⅳ巻の迷走っぷりを考えたら、強引ではあるけど割と上手く軌道を元に戻しているし。あの場面でのアデイルの登場&急展開も、Ⅴ巻(新書版では外伝2巻目にあたる)を読んでいたらふつうに許容できるものですし。うん、本当にそこまでは悪くないの……ラスト以外は。今まで出ていなかった人物が急に出しゃばって世界の秘密を話して終わり、ってそんなんアリですか? 話の根幹に関わる謎を今まで出ていなかった第三者がデウスエクスマキナ的に話す構成も気に入らないし、しかもそんなことやったくせに未解決の謎あるし。ディー博士は? 異端については? 謎自体はそれほどひどくないと思います、問題なのは今まで積み上げてきた世界観をぶちこわすかのように登場させる構成にあるわけでorz 次期女王争いはその解決に押されて、もうどうでもいいや、という声が聞こえてきそうな決着。納得? できるかこんなんで。そしてこの構成を考えるとこの巻話詰め込みすぎだと思います。

あぁ……どうして今まで安牌だったシリーズがこんなになってしまうんだか。ちょっとこれはひどいですね。文庫版ではあと2冊出るのでそれは読みますが、期待はしない。

 評価:★★

2005-9-29

[]ブルーもしくはブルー (角川文庫) 著:山本文緒

まったくもっていつもの山本文緒。あらすじに「やさしくせつない」だとか「万華鏡のようにいとおしい」だとか書いてあったから身構えていたけど、やっぱり山本文緒山本文緒でした。

もし、あのころ違った選択をしていたなら――。愛のない生活に疲れた主人公が、夢見ていたもう一つの生活を送っている主人公Bと、人生を入れ替えてみるところから始まる小説。最初、二人があったときの描写や入れ替わった初期のことがあまりにもおだやかに書かれていたから、なんだか期待はずれ(別にそれが悪いという意味ではなく)な気がしたけど、後半はとても山本文緒らしいドロドロ展開で満足です。前半がそういったものが抑えられた穏やかな展開だったものだから、後半の昼メロ加減がいっそう過激なものに思えた。恋愛中毒を読んだときも思ったけど、女性のドロドロとした心情を書かせたらこの方は本当に上手いですね。激しくすることなく、あくまで淡々と書くものだから本当に怖い。それが納得できるものだから特に。ラストはそのドロドロ展開から一転して二人とも幸せをつかんで終わり――なんてことになるわけがなく、客観的には最後までイマイチ幸せにはなれないまま、というのも実にいいですね。そう、こういう展開なのよ私が山本文緒に求めているのは! ただ、こういったタイプ小説では仕方のないこととはいえ、蒼子Bの出現の謎については少しは解決してもらいたかったかな。

あらすじの言葉を見ると泣ける小説のように思えるけど、まったくいつもの昼メロ路線なのでお気をつけて。個人的にはそちらの路線を期待していたので満足。しかし、一冊でいいから山本文緒が書いた幸せストーリーを読んでみたいなぁ。

 評価:★★★☆

2005-9-25

[]海を見る人 (ハヤカワSFシリーズ Jコレクション) 著:小林泰三

だーかーらー、私は理系の人間ではないんだってorz 総合すると面白かったんだけど、ガチガチのSFは私にはちょっときつかったようです。

表題作含め全7編の短篇集。どの作品もガチに理論を組み立てたハードSFで、特に世界観が話の軸に関わる『時計の中のレンズ』と『天獄と地国』は全く理解が追いつかない。特に前者。誰かあの世界を私に分かりやすく説明してくれorz そんなレベルなので全く話に入れないまま読了。後者は途中まではなんとかついていけたのだけど、オチあたりで降参。他の話は世界観はなんとなく理解できたり感覚でつかめたりで問題はなかったんだけど。また、『母と子と渦を旋る冒険』は普通にイマイチ。オチも弱いし、何がやりたかったんだろ。それ以外の短篇は概ねいい感じ。表題作は、切なさ溢れる設定・展開と綺麗に締めたオチで素直に泣ける傑作短篇小林泰三で泣かせ系という、信じられない組み合わせですが存外に良かったです。まあ泰三作品で泣くなんてこれが最初で最後だと思いますが! 他、『独裁者の掟』は作品を俯瞰する冷酷な視線ときっちり盛り上がる展開が良好。『キャッシュ』は非常に理解しやすい設定とミステリ風味のストーリーが◎。『門』はオチが非常に綺麗。最初のハードSFっぷりにこけたかと思ったけど、読んで良かった。

時計の中のレンズ』と『天獄と地国』以外は普通にファンタジーとしても楽しめる出来なので、そこまでSFが好きじゃない人にもお勧めSF好きなら文句なく。個人的にベストは表題作。次が独裁者の掟。そんなところ。

 評価:★★★★

2005-9-21

[]異郷の煌姫―デルフィニア戦記〈5〉 (C・NOVELSファンタジア) 著:茅田砂胡 絵:沖麻実也

前巻で綺麗に終わっていたから、続いてつまらなくなることを危惧していたけど、どうやら杞憂だったようで一安心。新キャラはまだキャラが掴めないけど第一印象はいい感じだし。

デル戦5巻目で新展開突入。これからはパラスト・タンガとの外交をメインに書いていく様子。そりゃあ1巻から地図で出ていたのに本編で出番がなかったらもったいないですからね! んで、今回はその導入部。本当に始まったばかりでまだなんとも言えないですが、なかなか面白いです。いいかげんリィの超人&贔屓になれたからでしょうか。新キャラのシェラも立っていていい感じ。まあありがち&作者の欲望が出そうなキャラだとは思ったけど。一族に女はいないの? というツッコミはしたくなったが、デル戦だからまあいいや。他のキャラも大体いい感じ。ただねぇ……バルロが……。一部の時はそもそも出番がたいしてなかったキャラだから気にならなかったけど、この人こういうキャラだったの? こういう頭ごなしに決め付ける馬鹿が味方側にいるのは本当にムカつく。その対比もあってか、ウォルがすごくいいキャラに見えた。一巻の時からは考えられないほど化けたよなぁ、ホント。

ともあれ、新章に入るにあたってなかなかいいスタートを切ったのは確か。次回で話が停滞することもなさそうなので、素直に続き期待。

 評価:★★★

[]平井骸惚此中ニ有リ 其伍 (富士見ミステリー文庫) 著:田代裕彦 絵:睦月ムンク

……えー……、本当にここで終わりなの? もともと一巻完結型でやろうと思えばずっとのんべんだらりと続けられたシリーズなので、ここで終わるのは潔いと言うよりも決断を早くしすぎた気が。うー、富士ミスでまともにミステリやってる希有なシリーズなだけに、本当にもったいない。

平井骸惚最終巻。今度は二つの場所で起こる殺人事件の話&ラブ。ミステリーの方は、さすがに前巻ほどすごくはなかったけど文句なし。一巻のボリュームできっちり綺麗に構成された謎で、その解き方・魅力ともに不足なし。二つの事件のつなげ方が上手い上手い。最初のころを考えると本当に化けたなぁ。河上君も男らしくなったし、……まあそうなっちゃったからシリーズ終了だと言うことなのですがorz そしてLOVEの方はね、もうね、ごちそうさまでした。ホント初々しくてかわいいなぁw そうですよこのラブラブですよ私が待ち望んでいたのは! 四巻のあれはやっぱり河上君と涼嬢のLOVE分を増量するための布石だった模様。いやぁ、そう信じてましたぜ旦那! ただ、惜しむらくは何度も書いたけどここで終わっちゃうところ。ここに至るまでにあと1、2巻はやれたような。ああ本当にもったいない。

思いの外短くまとまってしまったシリーズ。番外編とかあるよね? ありますよね? 信じる、私は信じて待ちます。ライトミステリーの良作シリーズ、読んでいない方は是非。

 評価:★★★☆

2005-9-20

[]平井骸惚此中ニ有リ〈其3〉 (富士見ミステリー文庫) 著:田代裕彦 絵:睦月ムンク

LOVE分が増えてないのはよしとしよう。あんまり減ってないから。問題はミステリー分のパワーダウン。あぁ、せっかく富士ミスで真っ当なミステリーを楽しめる数少ないシリーズなのに。

平井骸惚3巻。誘拐事件の方ももう一つの事件の方も前回に比べると小粒になっちゃった感じ。どこがどうとは詳しく言えないんだけど、イマイチ魅力が足りないんだよなあ、もったいない。強いてあげるなら河上君があの幼なじみを助けるだけの動機に弱いところかな。っていうかせっかくの幼なじみなのに出番多くないなんて! 萌えが圧倒的に足りない! 涼嬢にしても今回は出番多くなくてしょんぼり。その代わり今回は潑子嬢がやう゛ぁい。今までは涼嬢の陰に隠れてたけど、涼嬢が引っ込んだ今回は抑えていた魅力が前面に爆発! うはーかわいいよマジかわいいよ幼なじみ&涼嬢の出番少なさに減退したかと思えたLOVE分が復活! ということで結果的にLOVE分は問題なし。あとはミステリーの減退だけorz

2巻が実によくミステリーしていただけに期待しすぎたかも。富士ミスでは珍しくミステリーに期待できる作家なだけに、このレベルだと物足りない。涼嬢のLOVE分は次に期待。

 評価:★★★

[]平井骸惚此中ニ有リ 其四 (富士見ミステリー文庫) 著:田代裕彦 絵:睦月ムンク

シリーズ最高傑作。いや本当によくやった! と言いたくなる出来。キリサキも実に良いミステリーだったけど、私的にはこちらの方が上。LOVE分の減退は残念だけど、これだけのミステリーが読めたのだから文句はなし。

平井骸惚4巻。関東大震災という歴史に残る事件を題材にしているだけあって、その意気込み&作り込みともにシリーズ1の出来。震災シーンで掴みはバッチリ、二転三転する展開に引き込まれ、二段構えのオチに拍手喝采。最初の真相はそこまで驚かなかったものの……最後にやられた。骸惚先生のシメは実に綺麗にまとまっていて、あの口絵も相まって震えが来るほど。個人的にクローズド・サークルミステリが好きだというのもあると思いますが、いやしかしこれは非常に良い出来でした。各所で言われている、河上君お姉さんにドキドキしっぱなしについても個人的にはそれほど問題なし。このステップがあるからこそ涼嬢とのLOVEが増大するのですよ! と思えば全く気になりません。涼嬢の出番があんまりないのは残念ですが。そして今回も潑子嬢がやう゛ぁい。潑子かわいいよ潑子。

富士ミスでこれだけミステリーが楽しめる作品はそうそう出ないだろうなぁ……。ラノベ読みじゃなくても、ミステリー好きなら読んで損はない出来。まさに最高傑作。でも次でシリーズ完結ですかorz

 評価:★★★★

2005-9-17

[]これがマのつく第一歩! (角川ビーンズ文庫) 著:喬林知 絵:松本テマリ

……はーなーしーがーすーすーんーでーなーいー。っていうか本編130P程度で残り外伝とかアリですかそんなの。んーこれはちょっと酷い商売主義だなぁ。番外編は番外編で読みたかったので別で収録してくれれば良かったのに。

まるマ11巻。とにかく前述の通り話進んでないです。130Pもかけてるのにまだ船の中とかそんなんアリですか。これも多角的展開になっちゃっているせい。ユーリ組・地球組・わがままプー組・その他諸々と別れて展開しているので、必然的に各組に割かれるページ数が少なくなると言う悲劇。多角的な展開というのは最後にひとつに収束されるからこそカタルシスを得られるのですが、全くとっちらかった状態の今のままでは良い印象は得られない。今までのを見る限り、多角的な展開が得意そうには思えないしなぁ。外伝はもう絶対本編では見られないだろうほのぼの話。初期まるマに比べるとギャグの面白さがちょっと落ちますが、グレタが可愛かったので許す。これは実に良い幼女(&娘)ですね。っていうか話の面白さが番外編>>>>本編っていうのはいかがなものか。

話の進みの遅さ(っていうか停滞?)に今後の展開に不安を覚えます。うーん、挽回してくれるといいんだけどなぁ……。次は全ページ本編だそうだけど、その前に外伝読まなければ。

 評価:★★☆

[]日曜日には鼠(ラット)を殺せ (祥伝社文庫) 著:山田正紀

あれ? 思ったより面白かったぞ? あらすじを見た時は地雷の危険を感じたけど、意外に面白くて満足。でもこれはSFというよりSF的要素とを加味したサスペンスな気が。

独裁政治の国で、政治犯8人が用意された死のアトラクション・恐怖城をクリアするというお話。170Pという中編なのに8人(まあ実質は7人なんだけど)という登場人物の多さに不安を覚えましたが、読んでみると7人全員しっかりキャラが立っていて驚き。そして170Pの中にストーリーが高密度でがちっと詰め込まれているので、ハイスピードで展開していく物語に目が離せない。<恐怖>の二文字を冠するだけのことはある恐怖城に、レディやツインヘッドなどの殺戮機械も手伝って、スリル満点。ジェットコースターに乗っているようなドキドキ感。アドレナリン大分泌。正直、キャラの配置を見るだけで最後まで生き残るのは誰かは簡単に予想つくのですが、それは大した問題じゃありません。むしろ、どのキャラがいつ死ぬかが全くの予想外だったので◎。ただ、惜しむらくは恐怖城の図表がネタバレになっているところ……。あと3つのステージに分かれているのに、1つ目のステージに全ページの3/4費やすという構成はやっぱり配分が悪いとしか。まあ展開上仕方なかったのかと思いますが。ラストも、ぶつ切れ感がありますがこれ以上続けても逆に冗長で締まりが悪くなるだけな気がするので、これで上手く着地したと言うべきでしょうね。

地雷覚悟で進んでいったのに意外な面白さで満足。良質のサバイバルゲーム小説なので、そういったのが好きな方には文句なくオススメ。読んでいてちょっとバトロワを思い出しました。

 評価:★★★☆

2005-9-16

[]めざせマのつく海の果て! (角川ビーンズ文庫) 著:喬林知 絵:松本テマリ

ギュンター!? 信じられない、ギャグ要員だったギュンターが格好良くなる日が来るなんて……!! っていうか格好良すぎてむしろあなた誰? 状態。

まるマ10巻目にして聖砂国編スタート。もうすでに話の方向がシリアスに向かっていると分かっていたせいかもしれませんが、導入部としてはきっとマより良かったです。ただ、きっとマの時は周りの状況が勝手にとんでもないことになっちゃったユーリに同情&共感ができたのに対し、今回は勝手密航したり敵国の王であるサラを不用心に信用したりと正直感心できない行動が目立ってて微妙。これはちょっとユーリに落ち度があるなぁ。新キャラのサラはめっちゃくちゃ胡散臭さ漂いますが、今までまるマではこういうキャラがいなかったので新鮮。そしてやっぱりコンラッドは再登場。今回は一応立場的には敵ではない、という感じ。まあメインだからね。というか今回はギュンターですよ! 今まで(容姿では一番美形とされていたのに)ギャグ要員でしかなかったのに、今回は誰よりも格好良く目立ってる! うはーこれでもう二度とシリアスになることはないですね、きっと。

やっぱり新展開もシリアスなのねとため息を吐き、永遠被害者具・上樽を哀れみつつ。まだ導入編なので今のところは次回に期待。量産型アニシナ読みたいなぁ。

評価:★★★☆

2005-9-15

[]天国に涙はいらない (電撃文庫) 著:佐藤ケイ 絵:さがのあおい

ああ、合わないだろうなと予想してはいたけどね……。萌えるコメディを目当てに読んだのに萌えない・笑えない・その上シリアスでまったくノれないってなんだろうorz 肌に合わないとしかいいようがない。

第七回電撃ゲーム大賞金賞受賞作。ロリコン天使とかロリータ悪魔とかの萌えコメディ。先に褒めるところを挙げておくと、主人公以外のキャラクターは立っていると思うんですよ、アブデルとか割といいキャラだと思うし。褒めるところは以上。とにかくコメディラノベらしく会話文多めなのに会話のテンポが悪く、ギャグの勢いは削がれまくりノリツッコミは文面で見ても寒いです。そして上記でキャラは立っているといいましたが、かといって萌える感情移入できるかといわれたら別問題なわけで。たまは狙いすぎていて逆にあざとい。そして何が酷いってシリアス感動を狙っているのは分かるんだけど、ちょっと待て。そいつ15万人以上殺してるんだぞ? それを「自覚がなかった・わざとやった訳じゃなかった」といって許す? お前何様だよ。死んだ人への言及はなしですかそうですか。ふ ざ け る なということで泣けるどころか腹が立って仕方なかった。他にも律子がものすごくうざいし、ラストも適当だし。作者が主人公を都合良く動かしているのが透けて見えます。

……書いててまた腹が立ってきた。アブデルキャラは良かったので核地雷級ではないですが、とりあえず続きは読みません。でも多分肌にあったとしても続きは読まなかったと思います。中身がないから読み捨てるタイプ小説だし。

 評価:★

2005-9-14

[]文庫版 鉄鼠の檻 (講談社文庫) 著:京極夏彦

ああ……これはダメだ。ちょっと今回はどうしちゃったの? マンネリとかじゃなくて、いきなりコケちゃった感じ。今までで一番分厚いのに(何せ1300P以上! 読むのに二日かかった)今までで一番つまらない。悲劇的(有栖川有栖じゃないけど)

京極堂シリーズ4作目。今度は禅宗の寺での坊主連続殺人事件。何が一番許せないって、1340Pも頑張って読んだのにラストあんなんかよ! 前3作と比べると非常にしょぼいです。私は京極堂シリーズは最初のつかみとラストの凄まじさに期待しているんですが……今回はどっちも駄目すぎて涙が。んでその二つを引き替えにして増大したのはあの蘊蓄な訳でorz 禅というただでさえ分かりづらい&興味ないテーマな上にキレのない語り口でぐだぐだくどくどと蘊蓄を語るばかりなので当然面白いわけがない。マジでわけわかめ。そしてこれだけの文量なのにメインと再登場以外の登場人物が致命的に立ってない。書き割りですか? といいたくなるほど酷いです今回。今までも1~2人くらいは立ってない人がいたけど、今回は全員まるで立ってない。あぁーこれだけページ使っているんだからもっとまともに立たせられないのかと。坊さんズなんてキャラ被りが何人かいて更に分からないという状態に。坊さん以外のキャラは空気ですか? といいたくなるくらい印象にさっぱり残らず、したがってラストにも驚けずorz

結果:よく頑張って読んだ自分。すごく疲れました。今までは安定していただけにどうしてこけるんだろう。すごく不思議地雷評価じゃないのは榎さんのためです。☆は榎さんに贈呈。

 評価:★☆

[]さよなら月の船 (コバルト文庫) 著:片山奈保子 絵:竹岡美穂

うん、こういう路線の話は好きなんだ。少女小説的な文体も慣れるとむしろプラスになるし、ベースとなる雰囲気は結構好き。なのに気になるところが多すぎてどうしても浸れなかったという罠。あぁ、せっかく好みの路線なのに……。

変わっていくことが怖い女の子の周りで起きていく色々なことを、少女小説的な文体で綴った話。とにかくこの雰囲気は好きなんです。刺激を与えたら過敏すぎるほどに反応が返ってきそうな、そんな脆い雰囲気が。ただ、ただねぇ……イベント起こりすぎ。とにかく300Pしかないのに立て続けにイベントが起こりすぎて雰囲気に浸る余裕がない。急展開の連続というと聞こえはいいけど、このいかにもな少女小説でそんなことになってしまっても決してプラスにはならないです。あまりにも起こりすぎて構成力を疑った。あと主人公が……いや、嫌いと言うほどでもないんだけど、ちょっと感情をぶつけすぎというか、我慢を覚えろと言うか。内にため込んで鬱々としてしまうようなキャラに見せているのに、あまりにも感情を爆発させすぎて違和感が。思春期特有の悩みは分かった、だからって怒ってばかりじゃなんの解決にもならないですよ。他にもタイトルと内容が合ってないとか気になるところは色々と。

本当に基本となる雰囲気はいいんですけどね。もっと上手く丁寧に料理できなかったのかしら。ああもったいない。少女小説で主人公に疑問を抱いてしまう時点でダメだったんだろうけど。

 評価:★★☆

2005-9-12感想は後で。

[]死神見習い修行中! (角川ビーンズ文庫) 著:樹川さとみ 絵:ほづみりや

 評価:★★★

[]めざめる夜と三つの夢の迷宮 (コバルト文庫) 著:松井千尋 絵:広瀬櫂

 評価:★★★☆

[]葡萄が目にしみる (角川文庫) 著:林真理子

 評価:★★★☆

2005-9-11

[]サウス・ギャング・コネクション―BAD×BUDDY〈2〉 (富士見ミステリー文庫) 著:吉田茄矢 絵:深山和香

まあ順当な続編。前回気になったところは改善されていて、もちろん前回楽しめた方には十分楽しめる出来でしょう。ただ、前回良かったところがイマイチなのは……orz

BAD×BUDDY2巻目。とりあえずいい加減ホンダさんはお払いでもやった方がいいと思います。女難すぎる……。前回に感じた上手さは健在で、話の構成・内容共に手堅く盛り上がるべきところでちゃんと盛り上げているので好印象。そして前回気になっていたウォルター存在感の薄さは概ね解消。前回よりも明らかに出番がないですが、その分出てきた時の存在感の大きさで十分補ってるでしょう。男ツンデレはいいなぁ。まあ、今回最大のインパクトはヴィスコなのですが。アホだーアホすぎるw 前回は生意気な幼女爆弾魔にしか見えなかったのに今回は非常に魅力的(に見えた。少なくとも私には)口絵のシーンのアホさ加減は最高。ただ、前回非常に良かったホンダさんの一人称が少々イマイチに。文体硬くなった? ってーか読みづらくなった? 350Pの厚さが全く気にならなかった前巻に対して、今回はそれより50Pも少ないのにちょっと分厚く感じてしまった。あと表紙の女の子存在感が微妙重要キャラなのに出番大してないからだと思うけど。

まあ前回気になったウォルターの薄さが今回は解消されていたので、あの女の子もそうなってくれることでしょう。次回に続く終わり方だし。富士ミスの良作シリーズになってくれることを願います。

 評価:★★★☆

2005-9-10

[]ペルシャ猫の謎 (講談社文庫) 著:有栖川有栖

イマイチ。どれが突出してダメとかじゃなくて、全体的にイマイチ短篇ばかりという悲劇。少なくとも今まで読んだ有栖川作品の中では一番つまらなかった。短篇向きじゃないって訳じゃないと思うんだけど……。

国名シリーズ第5弾。えー……マレー鉄道の時にも、作家アリスミステリーの面白さを期待しちゃいけない……と思ったんだけど、かといってミステリー以外の部分に面白みがあるわけでもないんですよね。人間ドラマを楽しむには陳腐に過ぎるし、文体の妙を楽しむには説明的すぎるし、結果ミステリとして楽しむことしかできない罠。でもミステリとして読むにはトリックロジックも駄目なわけでorz なんて酷い悪循環。わらう月は唯一漫画で読んでいてオチも全部知っていて不安だったんだけど、やっぱり小説であの証拠は説得力に欠けるとしか。表題作は……orz ネタバレになるので詳しくは書けませんが、ああいうのは京極みたいにそれまでに綿密にくどいくらいに描写を重ねて、異常を自然と受け入れられるだけの雰囲気を作り出すことによって驚きが生じるものであって、単にいきなりそのオチにいかれてもポカーンな罠。と、全体的に低レベルな中、悲劇的と最後の短篇はまだマシな出来。火村先生キャラ萌えで読むには十分楽しめます。っていうかミステリ短篇集なのにミステリ要素のない短篇が一番楽しめたって言う時点で終わってる。

総じてレベルの低い短篇集。キャラ萌えな方は上で挙げた二作なら楽しめるんじゃないかと。ミステリとしてはどれも楽しめません。ああ、学生アリスは評判いいみたいだけど……。

 評価:★★

2005-9-09

[]レディ・ガンナーの冒険 (角川スニーカー文庫) 著:茅田砂胡 絵:草河遊也

あー……すごく普通。内容の実は間違いなくライトノベル(まあ当たり前なんだけど)で楽しめるんだけど、取り立てて褒めるような作品でもないなあ。

レディ・ガンナーシリーズの1巻目。上記のとおり、どこまでも王道な話。独創的って訳じゃないけどそれなりに造りこまれた世界観、立っているけどステロタイプキャラ、非常にわかりやすい勧善懲悪ストーリー。どの点においても平均を超えているんだけど、どうやっても特別のラインには至りそうもない、そういう感じの作品。デル戦よりもずっとラノベらしい作品で間口は広め。ただ、いかんせん文体が固めの人だからこの手のラノベに必要なテンポがよろしくない。デル戦の場合はそれが格調高さに繋がっていたんだけど、こんなタイプの作品で格調高くされてもな……。読んでいて疲れるラノベってのは結構致命的だと思うんですが。さーくーさーくー読ーめーなーい。そのせいで前半は結構退屈。そのかわり全体図が見えてくる後半は水戸黄門なノリで実に楽しかったです。単純な逆転劇だけど、カタルシスって大事。ぶっちゃけこの最後のためだけに300P読んで良かったと思えるほど。

これもつまらないって訳じゃないんだけど、個人的にはデル戦の方が好きかな。前半の退屈さと後半のカタルシスを折半すると、こんなところが妥当かと。

 評価:★★★

[]ささらさや 著:加納朋子

ああ、実に加納朋子らしい作品。加納朋子の作品に共通しているあの優しさが前面に出ていて、加納朋子が好きな人間には非常にいい読書だった。幸せとか、心地いいとか、そんな感じ。

夫を亡くして生後間もない赤ん坊を抱えるさやと、ささらの街の住人の連作短篇集。北村薫の『スキップ』にも言えるんだけど、主人公を温かく見守る優しい眼差しが非常に心地いい。一人で生きるにはあまりにも弱すぎるさやの儚げな雰囲気と、彼女を支える周囲の人物一人一人の強めの個性が一緒になることで実に上手く調和が取れていて、そこら辺に作者の上手さを感じたり。最初と最後の章以外、全部三人称で珍しいと思ったけど、こういった方向でもちゃんと良さは失われてなくて善哉善哉。個人的にはダイヤモンドキッズがベスト。エリカのキャラはプラスな面もマイナスな面もあるけど、ラストのあの場面が涙腺を刺激する。うん、かなり泣きツボ。元々ミステリ部分の弱い加納朋子作品の中でも特に弱く感じたけど、そんなことはいいんです。ミステリ部分なんて飾りです。この雰囲気に浸り、優しい気持ちになりながら読了。ああ、いい本を読んだ。終わらせ方も実に綺麗で満足。あと微妙百合要素があって満足。

今までの加納朋子作品で気に入ったのがあったなら文句なくオススメ。良作って言葉がぴったり当てはまる作品。ミステリ部分を気にしてはいけません。だって加納朋子だし。

 評価:★★★★

2005-9-08

[]ナラタージュ 著:島本理生

恋愛小説と言うつもりで読みました。結果:恋愛ベースにしたダメ男小説。……あれ? 私の読み方もの凄く間違ってますか? いや間違っているに違いないんだろうけど。

島本理生初読み。同年代の綿矢とか金原は読んだんだけど、そういえばこの人は読んだことなかったな。帯に推薦文書いてる小川洋子と似たような感じ……なのかな? あの帯の言葉は合っているかどうか分からないけど。んで、こういった女性の痛々しさと瑞々しさが溢れる一人称の小説は基本的に好きなわけで、実際この主人公に共感も出来る。出来るんだけど、それは主人公の思考が非常にリアルで真に迫っていて切々としているからとかそういうのじゃなくて、主人公と恋に落ちる男が二人ともダメ男すぎて自然と主人公に肩入れしたくなるという意味での共感だったという罠。いやホントどこのだめんずうぉーかーですか? ってくらい駄目すぎるだろ。主人公に共感も理解も出来ない恋愛小説はそもそもダメだけど、相手の男が許せない恋愛小説も(前者ほどではないけど)それはそれで苦手なわけで。あー……でも読んでいる最中は文体とか雰囲気とかに引っ張られて不思議と面白く感じる罠。ただ、主人公の恋愛に焦点を絞りたいなら後輩のエピソードはばさっと切っちゃった方がすっきりして良かった気が。

決してつまらないわけじゃないんだけど、さすがに恋愛小説として相手に魅力がないのはどうかと思うので評価は辛目。でも同年代の綿矢とか金原とかよりはずっと好みなので他の作品も読んでみるつもり。

 評価:★★★

2005-9-06

[]坊っちゃん (新潮文庫) 著:夏目漱石

受験対策その壱。現代文勉強用にと、江戸川乱歩以外の古典に手を出しました。夏目漱石をまともに最初から最後まで全部読むのは多分これが初めてです。この作品の最初の部分なら中学国語教科書で読んだことはあったんだけど。

今更説明するまでもない有名作品。うーん、この作品に限っていうと、正直普通。文章は非常に上手くて読みやすく、よく分からない単語はあってもすんなり話に入っていけるのは◎。ただ、140Pという中編レベルの厚さの中に、この1.5倍くらいの分量で書いた方がいいんじゃなかったの? と言いたくなるくらいの内容がみっちりと詰まっているので、結果読んでいて非常に疲れるという事態に。古典をなめていましたごめんなさい。話の内容そのものは割といい感じ。ってーかかなり分かりやすい内容に直球のテーマ。みちっと詰め込まれている割には、読んでいる最中はそれなりに面白く感じられるのだから不思議。ただやっぱりもうちょっと描写に枚数を割いてくれた方がありがたかったかなー。あと最後はさらりと流しすぎていた感じも。

有名作品なのに地雷! とか有名なだけあって傑作! とかそのどちらかだったらすんなりいったんだろうけど、結果は普通。あぁぁ一番評価に困る。内容はかなり分かりやすいのであまり本読んでない人でも楽しめるんじゃないかと。次はこころ辺りに挑戦します。

 評価:★★★

[]天にマのつく雪が舞う! (角川ビーンズ文庫) 著:喬林知 絵:松本テマリ

コ、コンラッド!? えー、何この鬼展開。このラストから次の巻が出るまでの1ヶ月待った人は超偉いと思います。私には無理だ……。

まるマ8巻。シリーズ中で一番面白かった! と胸を張って言いたいけどダメージがでかすぎて言えないorz でも面白かったのは本当です。村田の正体判明に一気に引き込まれ、昔の戦争の話に目が離せず、そして衝撃のラストにえぇーー!? と言いたくなるのを必死に堪えて読了村田の正体は予想していたことは当たってましたが、それよりも更にでっかくて驚き。他にもヴォルフラムがわがままプーから男前に! とか第一の試験の結果に(笑)とか美熟女戦士! 美熟女戦士! とか色々と面白いところもあったり。ギャグの復活は望めなさそうだけど、それを補ってあまりあるほどシリアスストーリー展開が面白くて面白くて。そしてあの衝撃的すぎる引きに驚き。っていうか本当にありゃねーべ!? 確かにきつい状況に叩き落とされる、というのはシリアスの定石だけど……覚悟してなかったからかなりきついですorz

もうこんな展開になってしまった以上、初期の明るくかるーいギャグファンタジーには戻りそうもないかな……。あれはあれで凄く好きだったんだけど。でもシリアスでこれだけ面白いものを見せてくれるので大丈夫。続きさっさと読みます。

 評価:★★★★

[]地にはマのつく星が降る! (角川ビーンズ文庫) 著:喬林知 絵:松本テマリ

煮え切らねぇ……。なんだか中途半端燃えたままぽいっとされた気分。いや面白いんだけどさ、面白いんだけどさ! さすがに前巻の衝撃には敵わなかったか……。

まるマ9巻でカロリア編完結。完結と言うからにはあれとかこれとか色々な謎がきっちり解決して……ねぇー! っていうかむしろ謎が増えてるよ! 何より前巻のラストのあれに対する理由とかがほとんど説明されてないので生煮えもいいところ。す、凄い気になる……。他にも箱の行方とか色々と。この完結はあくまでカロリアに限っての完結であって、実際のストーリーとしてはむしろ伏線張りまくっているという状態。それを考えるとまあ納得。天下一武道会とカロリアの決着は、後者は予想の範囲だったけど良かったんじゃないかと。そして完全に外伝と話が繋がり。これは絶対に先に外伝を読まないと話分からないだろーなー。前二巻に比べるとギャグの勢いが復活してきているのが個人的には嬉しい限り。しかし小ネタ多いなぁ。フリンはこれ以降登場しないのかな? せっかくいいキャラになってきたところだったのに残念っていうかこんなこと言うのはあれかも知れないけど、この巻でコンラッドの好感度が急上昇中……っていうか萌えか? これは萌えなのか? 私に裏切り属性はないはずなんだけど。

十分面白かったんだけど、やっぱり前巻には敵わないなぁ。美味しいところを前巻に持っていきすぎちゃった、という感じ。次が番外編でその次が新章と言うことらしいので、そちらに期待。

 評価:★★★☆

2005-9-05

[]いつかマのつく夕暮れに! (角川ビーンズ文庫) 著:喬林知 絵:松本テマリ

とりあえず一言。村田何者? ここに来て村田に対する疑いが急増。ラストの台詞からトサ日記コンラッドの話で、コンラッドと一緒に行動していた人が持っていた魂……えーっと、クリスティンだっけ? その人の魂=村田の魂だろうと踏んではいるんだけど。

まるマ7巻。前巻は長編の新章突入でこのシリアスな雰囲気がすごく新鮮で掴みが非常に良かったんだけど、この巻は前巻以上の衝撃はなく、そうなるとやっぱりギャグの衰退がマイナスになるなぁ。今までのハイテンションさはかけらもなく、そのせいで激シリアスでも勢いが減退しちゃってるもんだから盛り上がらない。この少ないページ数(いつも思うんだけどコバルトとビーンズはページ数の上限が低すぎる。値段が安くて嬉しいという一面もあるんだけど)に話の内容はきっちり詰まっていて、展開も遅くはないのが救いか。村田とかコンラッドとか箱とか謎が深まりつつ。しかし、ギーゼラまでもが……、まるマにまともな女キャラがほぼいないって分かってたけどね? グレタが最後の砦か……。

うーん、決してつまらない訳じゃないんだけど、今までに比べると一枚落ちるかなぁ。ラストであの人と合流したりしているので、次に期待。

 評価:★★★

[]西の善き魔女〈5〉銀の鳥プラチナの鳥 (中公文庫) 著:荻原規子

あれ、本編よりも面白いですよ? それでも自信持ってオススメ、とまでは言えないあたりが西魔女なんだけど。4巻でこけた分、こっちに面白さがまわってきた、という感じ?

西魔女5巻で、新書版では外伝扱いだった話。正直、どうして外伝扱いなのかすごく不思議。多分フィリエルじゃなくてアデイルが主人公だったからなんだろうけど、でも時間軸的には4巻の後にこの話を持ってくるのがベストだったと思う。ということで文庫版の選択はベストだったわけで、実際フィリエルがなんか訳の分からないことになってた裏側でアデイル達はこんなに頑張ってたんだ、と思うとある意味感慨深いです。好感度がアデイル>>>>フィリエルだった自分には嬉しい限り。アデイルの成長とか陰謀劇とかボーイミーツガールとかが1巻にぎゅっと詰まっていて、西魔女らしい手堅く真っ当な面白さで満足。ただ、ボーイミーツガールなのにアデイルの気持ちが出てきてないユーシスによっているとか、タイトルの付け方が無理矢理くさいとか不満もあり。あとティガが亡国の王子って事実、ちゃんと説明されてないうちに登場人物が納得しちゃっていて、正直戸惑った。いや、ここは自分がただ読み飛ばしていただけかも知れないけど。

それでも、西魔女が面白かった人にはこの外伝はオススメ。いきなり外伝を読むとかはさすがに無謀だけど。次は新書版で本編ラストに当たる巻ですか……上手くまとまってくれるといいんだけど……。

 評価:★★★☆

2005-9-04

[]竜が飛ばない日曜日 (角川スニーカー文庫) 著:咲田哲宏 絵:DOW

当たーりー! 新人らしからぬ完成度、そして何より学園を舞台にしながら非常にファンタジーな世界観。これは評判がいいのもうなずけるわ。

第四回角川学園大賞優秀賞受賞作。なぜか竜が現実世界を支配している世界に疑問を持った主人公達が世界に反撃する話。あまりいい説明になっていませんね。……それはともかく。前述の通り世界観がいいです。ベースは全くの現実世界で、竜が人間の上に君臨しているというその一点のみがファンタジー。本当にその一点のみなんだけど、その突き抜け具合がこの作品を非常に独創的にしている。現代ファンタジーなのに並のファンタジーよりもずっとファンタジーですよ! その上終盤、瑞海が千伽の正体を突き止めるところには脱帽。確かに言われてみるとそこに行き着くんだけど、あーでも全く無心で読んでいたから完全に想定外だった。その他の謎に関しても溜飲を下げる出来。とても新人とは思えないほどの完成度で非常に良かったです。ただ、主人公の最後のあの行動には納得できない。いや確かに教師は悪く書かれていたし実際こういう教師は素直に嫌いだけど、だからって主人公が同じようなことになっちゃダメだと思うんですが。えーっと、これで胸をすかっとさせたつもり? 私ナメられてる? あー納得いかない。

ともあれ、非常に良書だったのは確か。どうも話を聞く限り一発屋らしいけど……この完成度で一発屋というのはちょっと想像できないなぁ。他の本も何処かで見かけたら買おう。

 評価:★★★★

[]楽園の魔女たち 〜賢者からの手紙〜 (楽園の魔女たちシリーズ) (コバルト文庫) 著:樹川さとみ 絵:むっちりむうにい

あー面白い。基本的に笑ったりすることはあんまりないコメディなんだけど、コメディならではの軽さがいい具合に影響したファンタジー。最近さくさく読めて面白い本ばっかり読んでますね。まあでも内容もあるし面白いからいいや。

去年にめでたく完結した長寿シリーズ、楽魔女の1巻。私ずっと誤解していたんだけど、この作者さんってこれがデビュー作じゃないのね。この頃にはもういくつか作品を上梓していただけあって、コメディの割には土台やら構成やらがしっかりしてます。魔法の設定もオーソドックスですがまあまあ。そして重要なのはキャラクター。長寿シリーズの1巻なだけあって最初から結構キャラが出てるんですが、どのキャラも十分立ってます。ファリスなんて普通だったら没個性キャラに陥りそうなのに、他のキャラの主張している所が逆に主張しすぎず普通な彼女の存在も立たせているという。キャラを立たせるためのエピソードの組み立てもなかなか。ただ、話全体で見るとどうも詰め込みすぎな気が……。ひとつひとつは面白いだけに勿体ないなぁ。コバルトサイズにしては320Pは十分厚いんだけど。

でも欠点はそれくらい。なんていうか、プロの腕前を見せつけられた感じ。コメディなのに。っていうかむしろコメディだからこそ、か。面白かったので続き読みたいのですが……どうして近くの図書館には中途半端に揃ってるのかな……orz

 評価:★★★☆

[]きっとマのつく陽が昇る! (角川ビーンズ文庫) 著:喬林知 絵:松本テマリ

コ、コンラッド!? えーっと、ちょっと待って下さい。これ本当にまるマですか? ワタクシ騙されてたりしませんよね? ちょっと信じられない展開ですよこれ。

まるマ6巻目で新章突入。今度は村田も一緒にスターツアーズ。今までは最初と最後にちょろっとしか出ていなかった村田のキャラ立ては文句なし。今までのキャラとは違って、普通とはちょっとだけズレている、というのが返って新鮮(だってアニシナとかギュンターとか100°以上ズレてたから……)でもそれよりも話が、話が! 新章突入だけあって今までのコメディの中にシリアスがちょっと、みたいなのとは一変、全編にわたってシリアスな雰囲気に支配されていて、あの軽さはどこへやら。そのせいか、ギャグの面白さが減退しちゃってるのが至極残念。ただ、その分長い話の導入部として、つかみはバッチリ。いや、っていうかありゃねーべ!? あー本当にこれはまるマですか。この話が終わっても元の雰囲気に戻れそうな気が全くしないのですが。でも話自体の面白さが落ちていないのが救い。つーづーきーがー気ーにーなーるー。

あーなんかここにきて良くも悪くも裏切られた気分。話としてはまだ始まったばかりなので、これからどうなるかに激しく期待。シリアスなまるマもこれはこれで……と胸を張って言える展開になるといいな。ワンパタからは完全に脱出したみたいで、それは良かったけど。

 評価:★★★☆

2005-9-03

[]閣下とマのつくトサ日記!? (角川ビーンズ文庫) 著:喬林知 絵:松本テマリ

いや、外伝じゃないでしょコレ。最後の話はバリバリ本編の伏線回収&新たな謎を作ってるじゃないですか。これって本編全部読み→外伝読みって形で読んでる人にはどうなんだろう……?

まるマ外伝。まさか、まさかギュンターの陛下ラブラブ日記がこんな所まで引っ張られるとは……! とことんアフォですねギュンター。ちなみに外伝らしく今回は長編ではなく三篇の連作短篇集。で、面白さは変わらず安定していて満足。えー、今までのを統計するとメインキャラの役割は、ツンデレ要員:ヴォルフラムギャグ要員:ギュンター&グウェンダル、シリアス要員:コンラッド、ということでFA? 最初のヴォルフラムの話は割と普通。あの生物の可愛さのみで終わったような。まあ可愛いから許す。次の話は……グウェンダル……(つД`)三巻の渋さはどこへいった。根が真面目な人ほどコメディにしやすいという見本ですかそうですか。ロミジュリのパロであることを上手く生かしていてかなり笑えた。アニシナ最高。それで最後のコンラッドの話……いやもうホント最初に書いたけどこれ全く外伝じゃないですよ。話の根幹に関わりそうな謎が明かされているし、その上に謎も増えてるし。コンラッドいい奴だよね本当に。今まで周りが濃すぎるから印象薄いとか思っててごめんなさい。シリアスなあなたは非常に格好いいです。でも気になるんだけど、ジュリアってアーダルベルトが婚約者だったんだよね……? なんでコンラッドに? ここら辺の関係が全く見えてこないんだけど……。

謎が増えたり減ったり。すぐ上で書いた部分はいずれ明かされることを期待しつつ。次から本編が凄くシリアスになるらしいのですがはてさて。

 評価:★★★☆

2005-9-02

[]銀河英雄伝説 乱離篇*1 *2 著:田中芳樹 絵:道原かつみ

泣く、これは泣くよ……。・゚・(つД`)・゚・。確実に転換期となる巻で、正直この下全部白くさせたいのですが、いくらなんでもそれはどうなんだろう、ということで、該当の部分はぼかしたりで誤魔化します。

銀英伝8篇目。上巻の艦隊戦はいつも通り白熱し、今までそれほど表立って出てこなかったはずのあの二人の死にも目頭が熱くなったけど……今回は何といってもあの人の死でしょう。正直、そこに至るまでに色々と匂わす文章が出てきていたため覚悟はしていたけど、事実には敵わないです。彼がこの後メインになるためには欠かせない通過儀礼だったとは思うけど、それでもその存在の大きさ故に喪失感を感じずにはいられない。2巻の時の極悪さ再び。上巻の最後のあのシーンで涙腺が壊れ、下巻の最初、残された彼らの決意にぼろ泣き。ああダメだ、私こういうシーン本気で弱いんだ……。そしてあの人にも死亡フラグが確立。いや前巻で予想はしていたけどさぁ、していたけどさぁ……。他にも皇帝も何やら危なげだし、正直誰が最後まで生き残れるやら。あと彼の死のインパクトが強すぎたけど、彼女の初陣もなかなか格好良かったです。世の中を甘く見ること。いい台詞だ。

彼が死に、弱体化している中残された彼らが話にこれからどのような影響を及ぼすのか。あと2冊(デュアル版だとあと4冊)。最期まで刮目せよ。

 評価:★★★★☆

2005-9-01

[]明日はマのつく風が吹く! (角川ビーンズ文庫) 著:喬林知 絵:松本テマリ

これで第一部(……っていうのかな?)が落着ということでFA? あとがきでも「一端綺麗に落とした」とか書いてあるし。いやまぁ実際にはこれから10巻以上続いているんだけど。

まるマ4巻。今回はのっけにシリアスっぽいシーンを導入したり前巻で解明されなかったあの人についてのことが出てきたりと細部はいつものと微妙に違っていましたが、まあ大まかに言うといつものまるマ。ただ、細かな相違点があるため、前巻で感じたワンパタさは今回感じなかったな。っていうかアニシナ強烈すぎ。今まで出たキャラの中でも一、二を争う立ちっぷりにワタクシ驚きデス(何)キャラと勢いが魅力なだけあって、さすがのインパクトでした。勢いは今回も健在。シリアスな中にギャグを織り交ぜたりしてるけど、テンポが一向に崩れないのは◎。あー一巻の感想でも書いたけど本当にラノベらしいラノベギャグで笑えてシリアスでも楽しめる良質なエンターテイメント。満足満足。……まあ、そのため書くことが特にないんだけど……。

いくつか回収されてない伏線があるのだけど(ジュリアとかヒューブとか)それは次巻以降で回収されるだろうと踏みつつ。外伝はどんなギャグをかましてくれるのかしらん。

 評価:★★★☆

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