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2005-05-23雪国のくらし

雪国のくらし(ポプラ社 シリーズ日本各地のくらし)


新潟のくらしを調べる必要があって図書館に行ったのですが、ここは東京都の区の図書館、そんな資料は児童書しかありませんでした。仕方なくその児童書『雪国のくらし』を借りてきました。

ところが、これが面白いのなんの。舞台新潟県十日町市。あの旧・山古志村の隣村です。これだけでも興味がそそられます。適宜地元の小学生の作文が掲載されていて、雪国の生活の実感が生き生きと湧いてきます。ちなみに私は九州生まれで、東京より北には住んだことがありません。

この本、旧版(1988年版)と新版(1999年版)の二つがあるのですが、どちらも同じ十日町市を取材しているにもかかわらず、内容に重複が少なかったです。どちらかと言えば旧版が面白かったです。

内容は、冬の準備に始まり、登下校の大変さ、雪国ならではの遊び、除雪作業等、もう雪、雪、雪。

とくに印象に残ったのが「しみわたり」です。

「しみ」は「凍み」で、凍った棚田をスキー板や長靴やおしりでびゅんびゅん滑り降りるあそびです。棚田と棚田の間を滑空するときの、子供恍惚とした表情が目に浮かびます。あたしゃ怖くてできません。

ほんやら洞」も印象的でした。これは旧版の記述で、新版は「かまくら」と表記されています。「ほんやら洞」のほうがかわいいのに、もうそういう風に呼ばなくなったのでしょうか。

旧版にしかないのですが、タクシーの運転手さんのコメントが泣けます。「行くのは行っても、帰りに雪がふってきて走れなくなることもあります。車の中で一晩待つしかありません」。そういう場所は無線も届かないそうです。オーマイガー!(;_;)。

雪国では、各自が役割を果たし、みんなが連帯して雪と戦っています。濃厚な共同体です。そういうものにある種の憧憬を抱きつつ、この児童書を真剣に読んでしまいました。

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