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2006-09-29
■ [スーパーダッシュ文庫][藍上陸][新人]

- 藍上陸『ブルー・ノアゼット 世界一孤独なボクとキミ』ISBN:4086303175
青臭い話を目指したのか、ハーレムな展開なのか、痛くて欝な話をしたかったのか、ちょい焦点がボケている感じかな。
ただ、世界の設定はナカナカ好みではある。が、続きが書けない所に着地してしまった話なので、違う話を望むしかないか。
林檎と梨の姉妹のキャラクタ造形は使い切りするには惜しいので、そちらをフューチャーして欲しいかも知れない。
2006-09-27
■ [スーパーダッシュ文庫][アサウラ][新人]

- アサウラ『黄色い花の紅』ISBN:4086303167
ガンマニアな一冊。つか、前半と後半で主人公が入れ替わるのだが、正直前半が要らない。が、それを補って余りある程、後半がナカナカ良い。
守られるだけの無力な少女が協力者と共に力を得、活かし、強くなるある意味何処かに雛型が存在しそうなモノだが、その分ハズレが無いのかも知れないが。
ガンマニアな描写がかなりの文字数を割いているのだが、納得出来る部分と、これはやり過ぎ*1と思う部分が半々。でも、さほど嫌な感じはしなかった。
でも、続きが面白いとは思わないし、なんだかやたら時間がかかっていそうな感じを受けるから、余り期待せずに待つ事にしよう。
*1:デザートイーグルを片手で撃ったり、女の子にダブルカアラムマガジンを勧めるって、どんな手のデカい女の子や。
2006-09-22
■ [新潮文庫][筒井康隆]

- 筒井康隆『パプリカ』ISBN:4101171408
夢の中に入る特殊技能を持つ主人公というと夢枕漠の『サイコダイバー』シリーズが一番始めに思い浮かぶのだが、こちらは機械を使用して潜る為か、かなりアバウトで緩い設定の様だ。つか、夢を経由して物質を転送した時点でかなり読む気が失せた。
第一部が3/5程あるが、基本的に状況説明と設定に費やし、かなりだるい。
残りの第二部で物語は動くのだが、伏線って何?と言う言葉が頭を過る事しばしば。「胡蝶の夢」というか夢の中の夢とかも、妙にツマらん。
判りやすいのだが、筒井にこんなモノは期待してない。が、映像化には向いているかも知れない。映画館では観ないと思うが、何らかの形で観ようかな。
2006-09-20
■ [電撃文庫][小河正岳]

- 小河正岳『お留守バンシー 3』ISBN:4840235538
新人のシリーズ三冊目。多少のマンネリ化は否めないが、概ねホンワカした感じで良いのじゃないかな。
誰かも書いていたが、『お留守番』と言う名前に縛られて、基本的な舞台が変えられないと言う点が厳しくなってきた感じはするので、何らかのブレイクスルーが欲しい所か。
2006-09-15
■ [冲方丁][文芸アシスタント]

- 原作:冲方丁/プロダクションI.G 著:冲方丁/文芸アシスタント『シュヴァリエ』ISBN:4822217493
漫画で進行中の物語のプロローグ的なエピソード。だから、ディオンがリアに変わるシーンは一回のみ。「詩人」の謎というよりは、ディオンとリアの謎を解き明かす意味合いが強い。
で、冲方の推進している文芸アシスタント制度だが……、なんだか説明口調になっている章があるのだが、それがアシスタントの書いた所なのかな?「詩人」の謎というかアナグラムに凝り過ぎて、妙に読みにくいし。つか、一体何処で盛り上がるのだろうか、これ。
あとがきに冲方の文芸アシスタント制度に関するインタビューがあるのだが、それがメインなのかも知れないが。
2006-09-13
■ [電撃文庫][高橋弥七郎]

- 高橋弥七郎『灼眼のシャナ 13』ISBN:484023549X
インターミッションというか中継ぎっぽい一冊かな。バトルシーンでは、ヘカテー等も出て来たのだが、やはりこの作品のもう一つの軸であるシャナと吉田さんの鍔競り合いが無い事には、何か物足りない。
が、ラストで吉田さんが持っている命と引き換えに発動出来る十字架の様な宝具が、ラストへ向けてのキーになるのだろうか。
2006-09-12
■ [電撃文庫][竹宮ゆゆこ]

- 竹宮ゆゆこ『とらドラ3!』ISBN:4840235511
前作でコメディ寄りになってしまったが、今回はバッチリ両立してて素晴らしい。相変わらず、電車の中で読もうすると、ニヤニヤして怪しい人になってしまい、いつもの読書時間に読めないのが珠に傷だが。
次は、夏休み編かな?
大河のキャスティングさえ間違えなければ、メディア展開すらありそうな気配だ。
2006-09-11
■ [電撃文庫][高野和]

- 高野和『七姫物語 第四章 夏草話』ISBN:4840235619
やっと出た『七姫物語』の続き。
空澄姫パートは序盤の僅かなページだけで、ほとんどがカラカラパートなのだが、カラカラの印象がちょい変わった感じがする。つか、トウエやテンについて行くだけ、みているだけは変わりないのだが、それがどういった事なのかを理解しようとしたり、これからの事を案じたりと思い悩む。
とは言え、次第に歴史モノの様相を呈して来たな。政治経済軍に慣習等々。少し作品の空気が変わってきたかな。
2006-09-08
■ [HJ文庫][浅井ラボ]

- 浅井ラボ『TOY JOY POP』ISBN:4894254565
『され竜』のラボたんの新作。現代を舞台に魔法も亜人類も無し。退屈を嫌う学生のダラダラした日常と思いきや、やはりラボ。やってくれる。中でも、瑛子と真央の関係性と性癖にはシビれた。流石ラボ。
絶対万人受けはしないし、しちゃいけないんだけど、『され竜』の読者なら、間違い無い。
でも、これって、三つの物語が綺麗に分離出来るというか、元々バラバラの話じゃないかな。フクとザキの話では余りにもキツいから、瑛子と真央、奈緒子と関節ババァの話をくっつけたとしか。
ま、でも、続きはなさそうだな。
2006-09-06
■ [ファミ通文庫][野村美月]

- 野村美月『"文学少女"と飢え渇く幽霊』ISBN:4757729154
物語を食べてしまう"文学少女"のシリーズ第二弾。今回のモチーフは『嵐が丘』。
途中までは少々ダラダラした展開なのだが、謎解きターンに入った途端、俄然面白くなる。そして序盤の謎も綺麗にクリアされ、なんとも素晴らしい。
途中に撒いてあるネタに気付かなかったのは、少々悔しい。
2006-09-05
■ [ハヤカワ文庫Jコレクション][小川一水]

- 小川一水『天涯の砦』ISBN:4152087536
今までの一水の作風とかなり違う。一番始めにそう思った。
- 複数主人公ともとれるパラレル進行
- 明確な悪役の存在
- ちょっと設定にかける時間が足りなかった感じ
- 衛星軌道上の宇宙ステーションが舞台だから、取材出来ないのが原因か?
いつも一水なら、誰がみても明らかな主人公がいて、無茶苦茶良い人な訳だが、今回は脱出劇というのもあって、個々にスポットが当たる。でも、もっと「死にたくない」的な欲求が前面に出てれば、違った形になったと思う。
明確な悪役というのも、一水の作風では初めてだけど、もう少しバックボーンが欲しかった。
後は、設定が……。いくらなんでも、メスで複合材料は切れないだろう。
悪くはないのだが、ちょっと個人的にはオススメ出来ないかな。
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