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2005-09-30

目次

  • [best]今月の三冊200509 4/62冊
    • 造事務所『人間関係がニガテでもうまくいく天職ガイド』ISBN:4331511170
    • マーカス・セジウィック『臆病者と呼ばれても―良心的兵役拒否者たちの戦い』ISBN:4251098331
    • 原田正治 前川ヨウ『弟を殺した彼と、僕』ISBN:4591082350
    • あずまきよひこ『よつばと!』1~4 ISBN:4840224668/ISBN:4840226741/ISBN:4840228957/ISBN:484023163X

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マンガをたくさん読んだので冊数がかさんだ…。(10/30更新)

造事務所『人間関係がニガテでもうまくいく天職ガイド』ISBN:4331511170

冒頭で「全く人間関係がないのは無理だ」ってきちんと言ってるし、持続可能性や、安定度、収入の高さ、なりやすさにも言及してる親切さ。しかしまあこうしてみると、やっぱり特殊技能系、しかも要才能な仕事が多くて、人生は甘くない。

そしてあとがきも言っているように、どっちかっていうと人間関係が苦手な人は、少し余裕がある職場*1で人と接しながら小さな成功体験積んだ方が回復は早いっていうのがありそうだ。営業なんかは論外としても。

マーカス・セジウィック『臆病者と呼ばれても―良心的兵役拒否者たちの戦い』ISBN:4251098331

徴兵を拒むことがとんでもないことだったのは日本の戦前を思い浮かべれば簡単に理解できるけれど、イギリス徴兵制が敷かれたのはWWIが初めてだったということをはじめて知る。イラク戦争の時に、ドビルパンが言ったように、ヨーロッパの国々は何度も血みどろの戦争を経験して成熟してきたのだと実感した。

しかし兵役拒否運動が地下で営々と続けられたり、そのための援助が密かに続けられたり、イギリスという国の底力を感じる。なんだかんだいっても、兵役拒否者たちは一人も死刑にはならなかった。それをみんなよく分かっていて、戦場で死んだ兵士に比べて自分たちが特につらい思いをしたとは思っていない。

戦闘行為と、それにつながる仕事、そうでない仕事の区別も難しい。国が戦争しようとしているときに、何が戦争に荷担しない仕事かなんて、誰にも分からないのではないかと思う。

しかし一方で、今アメリカがしているような、一部だけを動員すればそれで済む戦争になってきたのもこういう流れがあったからだと感じる。いやだという人にはやらせなくていい、困窮している人に甘いえさをつり下げて、戦場へ行かせればいいんだと、アメリカは分かっている。

それがニューオリンズの洪水と重なる。被害を受けたのは、治水対策が十分でない、都市の貧しい人たちだったということ。途上国のようだというより、途上国を国の中に抱え込んでいる(わざと)という話をどこかで読んだ。これにどうやって対抗するかとても考えつかない。

原田正治 前川ヨウ『弟を殺した彼と、僕』ISBN:4591082350

殺人事件の被害者遺族の「とにかくこの気持ちをぶつけてやりたい」という当初の怒りから「赦すことと、死刑を望まないことは違う」へ、そして「赦す権利はあるのかどうか」という問いかけにまでいたる、長い長い道のり。

被害者は谷底に突き落とされ、そこへ加害者も突き落とすのが「死刑」だけれど、それより谷底の被害者に手をさしのべて欲しい」という被害者の孤独は胸に迫る。殺人犯には弁護士をはじめ、たくさんの人が支援の手をさしのべているのに、被害者には一時的に殺到するマスコミ以外誰もいないというのは今まで考えたこともなかった。

原田さんが人生の大半を費やしてたどり着いた「加害者も被害者もみんなそれぞれ違うけれど、その違いを考慮した上で面会や補償など、被害者の意志に応じてできることを増やして欲しい」という望みは言葉にしてしまえば簡単だけれど、重みがある。

長い年月をかけて裁判をし、刑が確定してもからもなお時間があったからこそ、こういう関わりが可能になったと思えば、あっさり死刑を執行してしまう最近の傾向が本当に被害者のことを考えた措置なのかどうかと考えてしまう。

あずまきよひこよつばと!』1~4 ISBN:4840224668ISBN:4840226741ISBN:4840228957ISBN:484023163X

こんなに普通のことしか描いてないのにこの面白さ。よつばは(いや、みんなか…)ちょっと変だけど。

ここに住みたいと一瞬思い、しかし私は近所の子どもとこんなに毎日根気よく寛大に遊べないし、いきなり「アイスちょーだい」っていわれたら絶対しつけに走るし、勝手に部屋に入られるのはいやだし、水鉄砲を部屋の中で撃ったらお仕置き確定。だからこれはユートピアでしかなくて、みんながこれを読んでこういう世界にあこがれながら個室にこもっている様子を想像して暗くなる…というところまでいってしまったのは考えすぎで、日常を愛するためのスイッチのひとつとして愛用していきたい。

*1:今はこれが極端に少ないからなぁ

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