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2005-05-18

[]今月の三冊200504 3/13冊 はてなブックマーク - 今月の三冊200504 3/13冊 - BookSynapse

前半はひたすら住環境整備に没頭、読了数が少ない。その割には当たりが多かった。(5.18更新)

村上宣寛『「心理テスト」はウソでした。 受けたみんなが馬鹿を見た』ISBN:4822244466

血液型占いはもちろん、心理テストもうさんくさく感じていたので、会心の一冊。「あなた自身も、周りの人も知らない、本当のあなた」なんてものはそもそも証明しようがないし、誰にもわからないんだったら診断する意味ないよね?という身も蓋もないわりきりが爽快。ロールシャッハテストで、「確実にわかるのは診断者のことだけ」ってくだりに爆笑。そりゃそうだ。

大変気持ちよく読み終えたけれど、著者が展開する統計学的な証明を理解したとはとてもいえない。根拠を理解していないという意味では、この手のものを信じている人も、私みたいな虫が好かなくて信じない人も同じである、ということを自覚しないと、変な穴にはまりそう。

関連

  • 村上宣寛のホームページhttp://psycho01.edu.toyama-u.ac.jp/
    • 著者自ら「ふつうの売れ方ではない」って(笑)書評リンクも少し
  • 今までは血液型信者に松田薫『「血液型と性格」の社会史』を紹介していやがられてたんだけど、より読みやすい本が出て嬉しい。

ブルボン小林ジュ・ゲーム・モア・ノン・プリュ―自腹文庫ISBN:4872339215

本を読むのがやめられないのは、「自分が実際に見たり聞いたりしただけでは感じ取れないものを伝えてくれるから」だと改めて思った一冊。テレビゲームは「子どもの頃兄弟がやるのを後ろで見ていた」くらいの知識しかないのに、「あるある」とか「なるほど」と思わせてくれる。

一番芯の、一番おいしい「ゲームとは何か」「何が面白いのか」ということを読みやすく、共感を誘いながら展開してくれるこの筆力、観察力、思考力。ほんとなら何十本、何百時間を費やしてゲーム経験値を上げた人でないとたどり着けない境地に、すとんと着地させてもらえるこの贅沢。「ゲームなんて、何が面白いのかわかんないよ」という人にこそ読んで欲しい。

同著者のゲームがらみの小説『パラレル』はこっちを読んでからの方が面白いかもしれない。

関連

松村栄子『雨にもまけず粗茶一服』ISBN:4838714491

これまた茶道という、端から見てたら「そんな青汁みたいの美味しい?」とか「足しびれない?」とか「こんな汚い茶碗が何百万!?」とか思ってしまう世界を、家元の長男の家出と絡めてユーモアたっぷりに描いた佳作。

いい加減な長男、しっかり者の次男、忠義もののじいやに男勝りの女内弟子…キャラが立ってて、結構はちゃめちゃなストーリー展開にもかかわらず、お茶の世界の面白さ、ゆかしさがちゃんと伝わってきて、一度くらいは茶席にいってみたいとつい思わされてしまう。

亡くなった魚屋さんの遺品のエピソードとか、京の本家の夭折した跡継ぎを巡るどんでん返しは実にお見事。

少年の成長物語を伝統文化と絡めるあたり、松村栄子はちょっと長野まゆみみたいなルートをたどっているような気がする。


次点


柳田邦男キャッシュカードがあぶない』ISBN:4163667202

読了後、ATMでつい後ろを確認したり、天井をチェックするようになってしまった、が、その後『半島を出よ』を読んで「貯金なんてしたってどうせ…」みたいな気分になってしまったり。影響されすぎ。

内田春菊『ファザー・ファッカー』ISBN:4167267047

あらすじだけ知ってて、読んだような気になってたのを反省。「アフガン零年」を見終えた時と同じような怒りと諦念と哀しみと。特によその家のお父さんも自分の家のお父様と同じだと思いこんで、よその家族の気のきかなさに気をもんだり、突飛な行動を取ってしまうくだりがあまりにも悲しい。

堀江敏幸『いつか王子駅で』ISBN:4104471011

競馬に全然興味がないので、何でみんなあんなカタカナだらけの馬の名前を、家系までばっちり覚えているのか不思議でしょうがないんだけど、競馬ファンのメンタリティをかいま見ることが出来る。馬への思い入れたっぷりの文章が寺山修司を連想させるものの、あれほど「馬馬馬馬…」って感じじゃなくて、読んでいるうちに何の話だったか忘れるくらいのあんばいが心地よい。

クライマックスは女の子が全力疾走するのを馬にたとえるという、そこだけ読んだら噴飯ものの展開なんだけど、そこに至るまでに描かれる馬と、人と、街の描写とが、それを自然に神々しい高揚感に感じさせてくれる。咲ちゃんみたいな娘が欲しい。

穂村弘『現実入門 ほんとにみんなこんなことを?』 ISBN:4334974775

滝本竜彦の『超人計画』みたい*1でした。ここまで露骨に演出はいるとちょっと覚めてしまう。書き手も読み手も慣れてしまって緊張感がない。よくいうと芸が確立してしまったかんじ。贅沢ななやみ。

ポプラビーチの連載「天国さがし」も同系統。http://www.webpoplar.com/tengoku/tengoku.html

*1:違うのは彼女がいるかいないかってとこだけ

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