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2005-02-28

Hebi20050228

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今月は前半とばして後半息切れ。(3/1更新)

山田昌弘『希望格差社会』ISBN:4480863605

「リスク化」と「二極化」で大量の負け組を産みつつある今の社会の行方に警鐘をならす一冊。とりあえずフリーターニートひきこもりパラサイト負け犬も全部カバーしているので、これ一冊読めばそのあたりの現状認識としては十分。ただこの本の手法はあくまで統計分析して、そこから導き出されるメンタルなもの(希望)をキーワードに現象を説明するというものなので、全体的に薄っぺらい*1のは仕方がないか。そのせいか解決策もおおざっぱで頼りないので、あとは各自がこの現状を克服する方法を模索する、と。

文中や巻末に参考文献が頻出するので、ブックガイドとしてもあらすじ本としても使えるあたりもかなりお得。

内田樹『先生はえらい』

己の心がけ次第で森羅万象すべてのものが師たりうる。学ぶものの心得を説いた、実は大人向けかもしれない勧学の書。

http://book.g.hatena.ne.jp/Hebi/20050202


仲正昌樹『「不自由」論』ISBN:4480061320

サブタイトルに「「何でも自己決定」の限界」ってついてるから『若者はなぜ「決められない」か』とか『若者が社会的弱者に転落する』の系統かと思ったら、それよりもっと抽象的・哲学的に追究した本。

社会と個人をつなぐ思想は確かにあって昔から営々と考えられつづけてきたんだなぁと感心した。たどり着く結論が、急がず考えつづけようという当たり前のものなので、ちょっとがくっとくるんだけど、この本でみるべきはその過程。ものすごく回りくどくてわかりにくくて、でもすごく大事なことを言っている気がする。ぜひ少し間をおいて読み直したい。

次点

  • 米澤穂信『春期限定いちごタルト事件』ISBN:4488451012
    • 小市民を目指して互恵関係を結んだ狐少年と狼少女の求道の物語。ベースは北村薫とか加納朋子とかに連なる日常の謎系なんだけど、そこに思春期らしい「演じられる自己」を絡めたのが巧い。片山若子さんの挿画もマッチしてて最高(←入手動機は表紙だった)。
  • こうの史代こっこさん』ISBN:4776791277
  • 村上春樹『ふしぎな図書館ISBN:4062127393
  • 横山光輝史記
    • 今までどこが面白いのか皆目見当がつかなかった、歴史物シミュレーションゲーム(KOEIとかの)が世の中に存在する意味を遅ればせながら納得してしまった。あまりにも同じシチュエーション繰り返しすぎ。そして似たような故事を参考に戦略を練った結果が180度違ったりするので、たまらない(いい意味でも悪い意味でも)。水滸伝西遊記の大いなるマンネリズムはこういう歴史的背景から生まれるものなのかもとも思ったり。唯一特異で印象的なエピソードが作者の司馬遷の伝記だったりするところがまた面白い。

*1:リスク化や二極化をもはや止められない現象と決めつけるのはあまりに早計すぎるし、競争から降りたスローライフを強者の趣味的なものと見なすのもちょっと強引。強者連合の妻の側の満足度が低い事なんかを無視するあたりも気になった。

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