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2004-07-302004年7月

[]今月の三冊 6/22 はてなブックマーク - 今月の三冊 6/22 - BookSynapse

先月の反動で怒濤のように読んでしまいました。3冊に絞れません。

  • 『お厚いのがお好き?』ISBN:4594042023
    • 2時間で読めるという本を半月もかけて読んでしまった。本当に読んだ気になった。世にあまたあるあらすじ本との決定的な違いは芸と笑いがあるところ。後半はやや息切れ気味。もう一冊でるだけの分量があったはずなんだけど出ないのかな。出ました→『なおかつ、お厚いのがお好き?』g:book:id:hebi:20041011
  • 冲方丁『マルドゥック・スクランブル』1・2・3
    • 「動物がしゃべるなんて許せない!」「ギャンブルなんて何がおもしろいのかわかんない!」という人間でも夢中になって読めた。当分はネズミをみるとうれしくなりそう。
  • hanae*『小学生日記』ISBN:4048940538
    • こういう風にはとてもかけなかったけど、そういえばこういうことは考えてたなぁということがたくさん。子供の頃は絶対忘れないと思ってたけど、簡単に忘れてしまっていた。本への愛にあふれたあとがきにもほのぼの。
  • 豊崎由美大森望文学賞メッタ斬り!』ISBN:4891946822
    • げらげら笑いながら読了。うすうす感じてたことを言い切ってもらうと気持ちがいい。ただし、「読者のため」と言いながら、その読者にも色々いるせいか、評価の軸がぶれている部分もあって苦しいところ。
  • 酒井順子『枕草子REMIX』 ISBN:4103985046
    • 清少納言は私、という著者の自分語り。噂好き、自慢好き、イベント好き、セレブ好き…こういう女性は苦手なんだけど、そういう人とのおつきあいの心構えとして読んでしまった面もあり。題材と著者の相性が良くて、とくに現代の状況にたとえると…というコーナーに納得。ちなみに『うつくしきもの 枕草子』ISBN:4093621411と比べるとその落差にくらくらする。
  • 秋山瑞人『鉄コミュニケイション』1・2ISBN:4073100254ISBN:4073112430
    • 同じ時期に『火の鳥』も読んでたので「最後の人類(かもしれない)」っていうのがたいした問題じゃないところにびっくり、後納得。たしかにこの状況なら自分と同じものを求めるより、周りと同じになりたいと思うだろう。ロボットのくせに「アイザック・アシモフ」批判をするすてきなロボットの演説が盛り上がる。

2004-07-11京極夏彦『百器徒然袋 風』

京極夏彦『百器徒然袋 風

[][][]京極夏彦『百器徒然袋 風』 はてなブックマーク - 京極夏彦『百器徒然袋 風』 - BookSynapse

ISBN:4061823795

感想

榎木津探偵団バカ騒ぎシリーズ(←勝手にそう呼んでいる)。そもそも本島ってだれだっけというレベルなのでいやはや。羽田老人のことも忘れてるし。下記はその辺さっ引いて読んでください。

「五徳猫」は招き猫研究論文、「雲外鏡」は言ってみれば榎木津の体質攻略作戦失敗談。しかし○○してるところも見えちゃうってのは楽しいなぁ。言われてみればその通りだ。かねてから榎木津の体質についてはいろいろつっこみたかったので、これが読んでて一番楽しかった。「面霊気」、ばたばたしている割には最後がちょっと感傷的で変な感じ。雰囲気的にこれで薔薇十字探偵団も大団円?声を出して笑ったのはp371「多分、思い出そうとして被ったんですよ。」なるほどと思いながら笑ってしまった。

京極堂がやたらと軽々しく活躍してておかしかった。そもそもこのシリーズは作者によるパロディ小説みたいなところがあって、基本的にみんな戯画化されてるんだけど、ますます性格が変わってる。本島と被るせいか、はたまた最近どんどん変な人道を極めてきていて書きにくいのか、関口君がかけらも出てこない。鳥ちゃんや青木君や敦っちゃんやマチコや木場はお約束として出てくるのに。ああ伊佐間がいなかったか。最後に出てくる人は、なんかもう少しひねりがほしかった。ほのめかされていた頃の方がものすごく「この人が直接登場する場面を読んでみたい!」と思ってたのに。

関口君視点の話にも言えることだけど、トリックっぽく見えるのはたいてい語り手(この本だと本島)の現状認識がぼけぼけだからなので読んでいて冗長に感じていらいらしてしまう。おまけに関口君視点だとかすかに漂う幻想臭、耽美臭が本島君にはないのでよけいにつらい。まどろっこしい会話といい、どう考えても段ごとに字を納めるために無理してる。おまけに連載ものなのでいちいち人物関係の説明が入っていてもうそんなことはわかってるんだよと飽き飽き。読んでる間、とにかく早く読んじゃえとしか思えなくって、なんだか、もうあのころの気持ちで京極を読むことはないんだろうなぁとしみじみ思ってしまった。

見返しの招き猫群像、逆の手を挙げてる猫がいないか凝視してみたけど、いないみたい。


[]『暗黒館の殺人 愛蔵版』 はてなブックマーク - 『暗黒館の殺人 愛蔵版』 - BookSynapse

綾辻行人著 9月下旬 受注限定 ISBN:4061823906

上の本にチラシが挟まってました。画集付きだっていうのに「誰の絵か」が全然書いてないチラシってはじめて見たなぁ。講談社は何考えてるのか。しょせんおまけ扱い?講談社のサイト(http://shop.kodansha.jp/bc/yoyaku/books/ankokukan/)にも記載なし。

検索したら綾辻行人データベースAyalist(http://www.geocities.co.jp/Bookend-Soseki/3457/)でも7/9づけでこの件に触れてました。連載当時の喜国雅彦挿絵だそうです。

そしてもうひとつ、通常版はいつ出るのか書いてないのも問題あるんじゃないのかなぁ。9月上旬だそうです。十二国記でもそうだった*1けどファンはまた引き裂かれるわけで、講談社はこんなことばかりしている気がする。

*1:ホワイトハートより講談社文庫の方が早く出た…山田さんの挿絵は見たいがなるべく早く読みたくもあった人は気も狂わんばかりだったらしい

2004-07-02新書マップ研究

[]新書マップを使ってみる はてなブックマーク - 新書マップを使ってみる - BookSynapse

http://shinshomap.info/

1時間くらいいじくり回して、「新書マップ」というより「新書リストもしくはテーママップ」であるという結論に達しました。

途中経過はまたあとで書きます。

はてなダイアリーキーワード新書マップ」

http://d.hatena.ne.jp/keyword/%bf%b7%bd%f1%a5%de%a5%c3%a5%d7

以下追記

Webcat Plusとの違い

常々愛用していてWebcat Plusが使いにくいと感じたのは、書店で買える平易な本も、大学図書館にしかないような高くて古い専門書も一緒くたに表示するところでした。そのあたりを解消する手段としてまず新書に目をつけるっていうのはうまいこと考えたなぁという感じです。新書というのは比較的手に入りやすいですし、基本的にそれなりの経歴の著者が一般向けに書いた、入門書的位置づけの本が多いことも利点といえます。ただこのところ新書も出版点数に比例してトンデモ系が増えてるので、その辺は必ずしも安心できないですが。

概要

白い点が入力した文章を分解して抽出したキーワードと、それに関連が深いと見なされているキーワードで、黄色い点が「そのキーワードを書誌情報として含む本」を含むテーマ、ということのようです。それぞれの点に触れると、含まれるもの同士が光ります。つまり友達の友達は友達と見なす要領で、とっぴょうしもないものも表示されるわけで。その辺はWebcat Plusとよく似てます。*1

テーマをクリックすると選ばれた本がずらっと表示され、左側には背表紙の画像が。詳細画面はWebcat Plusと共有。同じ本を含むテーマと、テーマによっては一連の本の「読書ガイド」へのリンクがあるところが便利。

実例

進化
  • →進化
    • 『進化とはなんだろうか』同じものを第一候補として思い浮かべたのでとりあえず納得。
  • →進化を目で見る
    • このテーマはいいなぁ。つまり証拠を見せろ証拠を!という相手に「証拠」をとなる実例を突きつけるためのテーマ。
  • →いい男
    • なんですかこれ!『女は男のどこを見ているか』は、ああなるほどそういう需要が、と妙に納得。いい男って女のにとってのいい男なのか。でもちゃんと『もてない男』が入ってる…。「読書ガイド」を読むとこれってつまり男性学なんでは?他にちゃんと「男性論」っていうテーマはあるのでよけいにおかしいです。
男性
  • →「いい男」は出るのに「男性論」が出ない。おしい。
構造主義
  • 構造主義
    • 『寝ながら学べる構造主義』に、『はじめての構造主義』これも納得。「読書ガイド」でそれぞれの関係もわかって良い。特に

構造主義』(北沢方邦著、講談社現代新書)は、日本ではまだポピュラリティを獲得していなかった時代に書かれた先駆的な解説書。しかし、実存主義全盛時代の1968年当時、この本は若者たちにどのように受け止められたのか気になる。

の部分は、やっぱりこういうことは機械には任せられないと実感させられます。

ニーチェ
  • ニーチェ
    • そのものズバリのテーマがあった。これもまた、読書ガイドがいい。

竹田がニーチェを分かり易く整理し伝えようとしたのに対し、永井は難解なニーチェを難解なまま、ときには疑問点や複数の解釈の可能性を提示しながら、永井のニーチェとして伝えようとするのである。

ゲーム
  • →テレビゲーム・子どもの脳
    • 予想通り『ゲーム脳の恐怖』が入ってる。「子どもの脳」のラインナップに『心脳問題』あたりがほしいところ。対象を新書に限ったことで、最近の新書で受けやすいタイプの論調一辺倒になるという弱点が浮き彫りに。
  • →おたく文化
    • 冊数は多いものの読書ガイドがないのが残念。さては引き受け手がいなかったか。
  • →日本の雇用
    • こういうものが出てくることで、若者のふがいなさを、ゲームやおたくといったものに関連づける論調がいかに支配的かということがはからずも証明されている、のかもしれない。
ひきこもり
  • ひきこもり、病める若者
    • 最初に「ひきこもり」と入力すると、このテーマだけがぽつーんと表示される。白い「ひきこもり」の点をクリックすると「若者の生態・心理」とかがちゃんと近くにあるのにもったいない。このあたりはシステムで何とかしてほしいところ。ひきこもり打開策として『小・中学生の海外留学事情 : 親と子の自立をめざして』なんかが表示されるのはおもしろい。これはテーマ担当者が選んだのか、機械的に導かれたものか…。

傾向と対策

朝日の記事http://www.asahi.com/culture/update/0627/001.htmlでも制作者の高野教授が「ネット上にテーマ別書棚を作ったというイメージ。」と言っていますが、まさにその通りの感触。思うにこれは連想検索の弱点をどう克服し、長所をどう利用するか、というビジョンのもとに、機械が苦手そうなところを人力(「研究者編集者ら20人」)で補ったものなんじゃないでしょうか。だから、特定のテーマにどんな本を含めるか、という肝心のところが人間によって行われている(おそらく)ということをわきまえて使わないと、と思います。こういうものができたから人間は要らないね!っていうのは大間違い、ということで。

まとめ

マップ化されているのは新書一冊ずつではなく、人の手によってあらかじめ設定されたテーマ(にそって選ばれた本のリスト)だと考えた方がいい。

  • どんなデータベースを使うか、それがどの程度の書誌情報を含んでいるかが結果を大幅に左右する。
  • テーマの与え方、各テーマのラインナップが肝だが、それはおそらく大部分が人の手による。
  • ブックリストとしてはかなり使えそう。まどろっこしいので千のテーマを一覧にしてほしい。
  • Webcat Plusの弱点だった、本同士の違いや特徴はわからないところが、リストの「読書ガイド」によってかなりカバーされている。できれば文責を明らかに。
  • 表示される順番は何によるのか?(テーマ担当者による?)
  • どこまでが人の手によるものでどこからが機械処理なのかはっきりさせてほしい。
  • 右のリストと左の本の画像が一致しないのは混乱する。
  • 今後は選者をはっきりさせてテーマを一般公募するとおもしろいのでは。エキサイトブックスのニュースな本棚とか、『使える新書』の著者の皆さんとかから。

お願い:検索システムの知識はかなりいい加減なので、変なことを言ってたらつっこんでください。

関連

*1Webcat Plusの連想検索は「言葉の意味の近似性」によるものではなく、あくまでも「数値的計量による言葉相互の近接性」を根拠としています。ですから、予想外な結果になったり、一見関連性が不明な図書、関連語が検索の結果表示されることがありますが、それは本システムのひとつの特徴であるとご理解ください。http://webcatplus.nii.ac.jp/about_plus/system.html

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