BookSynapse

一部物語の種明かしの部分をCSSで隠してあります。
消えている部分」を見たいときはマウスで選択、反転して読んでください。

カテゴリ一覧: [Reader日記]/ [今月の三冊]/ [注目新刊]/ [bk1はてな]/ [その他本に関する話題]/ [bookG]/ [はてな全般]
[過去の記事一覧]   id:Hebi:about/ 24d/ a/ b/ d/ f/ i/ グループ:BookSynapse/MultiSynapse

2004-05-07横山秀夫『半落ち』

横山秀夫『半落ち』

[][][][][]横山秀夫半落ちはてなブックマーク - 横山秀夫『半落ち』 - BookSynapse

ISBN:4062114399

内容

現職警察官が頼まれて妻を殺したと自首してきた。警察は身内の不祥事に慌て、なるべく早く事態を収束させようとする。しかし容疑者は犯行後自首までの2日間、何をしていたか話そうとしない。容疑者がなんとしても守りたかったものとは何なのか、分からないまま仕方なくでっち上げた供述で裁判を進めようとする警察側と、組織に縛られながら真相を知ろうとする男たちの駆け引きの物語。

感想

中高年の義理と人情と意地としがらみの話。登場人物が謎を次々とリレーしていくという構造は分かりやすいので、すっきり読める。しかし、肝心のクライマックスで「血が呼んだ」という論理性無視の書き方をされているのが、良くも悪くもこの作品を端的に表している。つまり理屈ではない親父世代の感動ものを書きたかったのだろう。

宣伝

明らかに中高年向きではあるが、高校生くらいから十分読める。基本的にオジさんしか出てこないので、可愛い、かっこいいキャラクターが無しでは読めない層には不向き。一方で出来る職業人は出ずっぱりなので、渋くて有能で葛藤を抱えたオジさんが好み、という向きには良い。

組織と個人的な信条との間で、板挟みになるシチュエーションが基本なので、そういう面倒くさい話が嫌いだと辛い。ただし読み飛ばしても結末に大した影響はないので難易度はそれほど高くない。

ミステリーといっても探偵小説のような派手さはないので、物足りなく感じるかも知れない。また、厳密な論理重視のミステリ好きは、最後で卓袱台をひっくり返したくなるかも知れないので注意。

空白の2日間の謎にポイントを絞って薦めるのが王道。

結果として刑事裁判の過程が分かりやすく読めるので、フィクションだということに注意を促した上で、法曹関係志望者の入門書として、下手な実用書より使える。

人によっては、直木賞がらみのごたごたのエピソードを使うのもいいかも知れない。

外観

表紙は渋い。ターゲットを意識した作り。

反応

割とすらすら読んで返してくる。感動した!という人はあまりいない。たぶん感動の種類が若者向きではないのだろう。

関連

2004 | 05 | 06 | 07 | 08 | 09 | 10 | 11 | 12 |
2005 | 01 | 02 | 03 | 04 | 05 | 06 | 07 | 08 | 09 |
2006 | 05 |
2012 | 01 |