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2007-10-16

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ネジ式ザゼツキー (講談社ノベルス)

ネジ式ザゼツキー (講談社ノベルス)

偶にはミステリを読もうと図書館の棚を漁ったが、最近一部作家を除いて御無沙汰しているジャンルなもので勘が働き難い。取り敢えず棚を見渡してタイトルの印象と装丁で選んだのが本書。

作者名は私でも知っている、というか親が何冊か所有していたので品質は保証できそうだ、ということで借りてくる。


本書は多重構造より成るミステリである。

冒頭、脳学者としてのDr.ミタライが記憶障害の患者と会話するところから始まる。

この患者は海馬の機能障害により新しい記憶を作ることができず、30年近く過去の状態で認識が止まっている。関係を続けている間は記憶が連続するが、ひとたび目の前から姿を消すや、初対面の状態に戻ってしまい、その間の行動はすべてリセットされる。

彼の過去に何があったか?謎を解く手掛りは唯一、彼が書き記した一冊の幻想小説のみ。

3度会話を繰り返して彼の症状や記憶の消えた時期を探ったところで、今度はその小説自体を読むことになる。それは抑圧された奇妙な世界での冒険譚であり、これ自体興味をそそる作品なのだが、終盤で物語が唐突な終わりを迎えたところで話は再び現実-----Dr.ミタライの会話に戻る。

彼の小説が混乱した記憶の強引な再構成から浮かび上がったものであることを看破した御手洗はここで漸く探偵として、背後に潜む事件の推理に乗り出すわけだが、まあそちらの詳細は伏せておくとしよう。


少々強引の感は否めないものの、話を牽引する手法、それに奇想天外な状況を作り出す手法は見事の一言、流石は新本格の創始者と言ったところ。

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親不孝通りラプソディー

親不孝通りラプソディー

前作では連作短編のハードボイルド風味なミステリだったが、本作はピカレスクを混じえた長編ミステリとなっている。

テッキとキュータの視点ザッピングは健在ながら、今回はある犯罪計画とその後始末を主眼に、複数人の思惑が絡み事態が急変する。

個人的に北森の長編を苦手としているのだが、これは途中での視点切り替えによる成果か、それとも複数計画の乱立による影響か、いつもの冗長性が影を潜めており読み易い。

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