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2007-10-27

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進化の設計者 (ハヤカワSFシリーズ Jコレクション)

進化の設計者 (ハヤカワSFシリーズ Jコレクション)

詰め込み過ぎの感がある一冊。ベースは海洋気象シミュレーションを軸とするカタストロフSFなのだが、その中に学習型AIの進化やDNAに拠らない環境適応説、ID論を教義に掲げる狂信的疑似宗教団体など複数の要素が混入する。

ひとつひとつがそれ単体で作品たり得るのではないかというネタをひとつに押し込めたことで、やや散漫になってしまったのではないかという印象。

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記憶汚染 (ハヤカワ文庫JA)

記憶汚染 (ハヤカワ文庫JA)

こちらも複数のネタを押し込んだ作品。

弥生時代の遺跡から発見された、文字を刻んだ粘土板。しかし年代測定の結果、約200年前のものと判定する。捏造?しかし、遺跡はこの直後テロによって爆破される。何のために?

一方、痴呆症の対策として脳に接続した回路を介した記憶共有の実験を行なっていた研究所では、被験体の鼠が一斉に不審死。その原因は情報の解析とフィードバックを行なう人工知能にあるように思われた。


まったく無関係に思えるこの2つの線が終盤で結び付く様はなかなかカタルシスでありSFの醍醐味を感じる。が一方で、結論が陰謀論的に過ぎることに違和感も憶える。


2作に(そして他の著作にも)共通しているのは、ネットワーク化されたコンピュータの自律的な進化、それに階層構造のない組織(あるいは、そうした存在への進化の可能性)。これらが林作品の基盤を成すキーワードなのだろう。ただし、ここではむしろ否定的なニュアンスを込めて使われているようでもあるが。

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2007-10-25

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生ける屍の死 (創元推理文庫)

生ける屍の死 (創元推理文庫)

唐突に読みたくなって再読。とは言っても前に読んだのは刊行直後、もう20年近くも前のことだから内容はほとんど記憶にない。僅かに「死者が蘇える」「主人公は死んでる」ことを憶えていただけ。


舞台はアメリカの田舎町、多数の登場人物を説明する表が付く。作者名を認識していなかったら海外ものの翻訳かと思うところだ。

事件はこの"墓の町"トゥームズベリの葬儀屋一族を中心に進行する。途中幾度も死学や米国の葬儀に関する解説が入り、衒学的な濃さを漂わせる(いや、どこまで本当なのかよく判らないんだが)。

入り組んだ事件ながら綺麗に解決。思い起こすと要所要所に的確に伏線が張られているが、読んでいる最中そうとは気付かないのも実に巧み。勿論死者の蘇生は単なるネタではなく、事件の鍵を握る重要なギミックなのだが、そうと判っていて尚この真相に辿り付くのは容易なことではあるまい。


それにしても、我ながらよく読んだものだ。文庫版で700ページ近い大著で、当時たしか中学生だったと思うのだが。それだけ惹き付ける文章力のある作品ということか。

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2007-10-24

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ZOOKEEPER(4) (イブニングKC)

ZOOKEEPER(4) (イブニングKC)

3巻から続く象の話と、ニホンオオカミの話、衛生の話。相変わらず重大なテーマばかりであり、常に深刻な状況ではある、けれどもそれは必ず動物園の展望と対となり、未来へと希望を繋ぐ。

ここにあるのは残酷なる現実であり、輝かしい理想でもある。

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2007-10-23

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小説探偵 GEDO (SFシリーズ Jコレクション)

小説探偵 GEDO (SFシリーズ Jコレクション)

小説に侵入する探偵」最初にその設定を見た時の正直な感想は「ラノベ臭い」だった。だから今まで敬遠していたのだけれど、読んでみたらこれがなんとも面白い。

全7話の短編はそれぞれが架空の小説装丁の体裁を取り、別々のタッチで描かれたイラストで飾られる。架空のタイトル、架空の作者、架空の出版社名が記され、ものによってはレーベルを示す帯すら用意されている。

売れないミステリあり、翻訳ものハードボイルドあり、耽美ありホラーありファンタジーあり。それぞれの世界のそれぞれの事情。

新人かと思ったら2001年ホラー小説大賞でのデビューであるらしい。ホラーよりもこういう人を食ったような作品を期待する。ていうか色々未解決なので是非続きを。

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2007-10-22

[]『ウォー・サーフ(上下)』 『ウォー・サーフ(上下)』 - 芹沢蔵書目録 を含むブックマーク はてなブックマーク - 『ウォー・サーフ(上下)』 - 芹沢蔵書目録 『ウォー・サーフ(上下)』 - 芹沢蔵書目録 のブックマークコメント

戦争の只中へ飛び込むエクストリーム・スポーツに興じる富豪を描いた、メガコーポSF。

絶望的な災害からの復興と超巨大企業の勃興、それに伴う極端な経済格差。

富豪は老衰や障害さえナノマシンで処置して若わかしいままに2世紀以上を生き続け、暇に飽かせた乱痴気騒ぎの一環として「ウォー・サーフ」-----戦場へ飛び込み、死と隣り合わせの状況を中継して度胸を競うスポーツ-----に興じる。出産の必要性はほとんど薄れ、今や遺伝子選出による新生児生成は銀行の運用する金融商品となっている。

他方、労働者は満足な教育も受けず一生を密閉生産工場の居住区で過ごす。時折、現状に不満を持つ一部労働者がサボタージュを敢行、企業の治安部隊と戦争状態となることがある。こうした現場こそが、サーフエリアだ。


設定は面白いと思う。そしてP.K.ディック賞受賞。故に期待して読んだのだが……なんというか……その……

キャラが酷く魅力的でない。話の都合上、ほぼキャラの魅力を中心に牽引せざるを得ないのではないかと思うのだが、実質的な主役は一人の若い娘にぞっこんで周囲の見えていない高慢な超富豪の老人、もう一人はオカルトに入れ込む療法士で老人を弄ぶ女。老人は最高のサーフチームの一員として名高いが、この女に入れ込んで以来判断を誤ってばかり。

結局、ストーリー上にSoWの欠片もない。まあこれはP.K.ディック賞に求めるべき性質のものでもないかも知れないが。

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2007-10-19

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スペースプローブ (ハヤカワSFシリーズ・Jコレクション)

スペースプローブ (ハヤカワSFシリーズ・Jコレクション)

小松左京賞受賞者であったことと、日本の宇宙開発モノだったことで興味を惹かれた。

結論から先に言うと……「まだ青い」。


舞台は20年ちょっと先の日本。有人宇宙飛行計画が進行しており、初の月面着陸プランが実行に移されようとしている矢先のこと。

地球近傍を通過する彗星を探査していたプローヴが謎のメッセージを遺して機能不全に陥った。原因を探るうち、今までノイズフィルタに紛れて無視されていた微弱ニュートリノの痕跡から奇妙な物体の存在が浮かび上がる。


設定は面白い。かなり前進したかのように見える日本の宇宙開発と、その実何も変わらぬ体質の描写はなんとも象徴的だ。ハードSFとしても、なかなか味のある仕掛けを施しており興味深い。

その一方で妙な不満があるのも事実。中心的人物が宗教的かつ直情的で、正直こんな奴とミッション組みたくない。また、「あんなこと」をコンピュータにどう演算させる気なのか。60年代SFじゃあるまいし、そこは安易に「コンピュータが計算して答えを出した」はないだろ。


惜しい。色々と惜しい。

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2007-10-16

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ネジ式ザゼツキー (講談社ノベルス)

ネジ式ザゼツキー (講談社ノベルス)

偶にはミステリを読もうと図書館の棚を漁ったが、最近一部作家を除いて御無沙汰しているジャンルなもので勘が働き難い。取り敢えず棚を見渡してタイトルの印象と装丁で選んだのが本書。

作者名は私でも知っている、というか親が何冊か所有していたので品質は保証できそうだ、ということで借りてくる。


本書は多重構造より成るミステリである。

冒頭、脳学者としてのDr.ミタライが記憶障害の患者と会話するところから始まる。

この患者は海馬の機能障害により新しい記憶を作ることができず、30年近く過去の状態で認識が止まっている。関係を続けている間は記憶が連続するが、ひとたび目の前から姿を消すや、初対面の状態に戻ってしまい、その間の行動はすべてリセットされる。

彼の過去に何があったか?謎を解く手掛りは唯一、彼が書き記した一冊の幻想小説のみ。

3度会話を繰り返して彼の症状や記憶の消えた時期を探ったところで、今度はその小説自体を読むことになる。それは抑圧された奇妙な世界での冒険譚であり、これ自体興味をそそる作品なのだが、終盤で物語が唐突な終わりを迎えたところで話は再び現実-----Dr.ミタライの会話に戻る。

彼の小説が混乱した記憶の強引な再構成から浮かび上がったものであることを看破した御手洗はここで漸く探偵として、背後に潜む事件の推理に乗り出すわけだが、まあそちらの詳細は伏せておくとしよう。


少々強引の感は否めないものの、話を牽引する手法、それに奇想天外な状況を作り出す手法は見事の一言、流石は新本格の創始者と言ったところ。

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親不孝通りラプソディー

親不孝通りラプソディー

前作では連作短編のハードボイルド風味なミステリだったが、本作はピカレスクを混じえた長編ミステリとなっている。

テッキとキュータの視点ザッピングは健在ながら、今回はある犯罪計画とその後始末を主眼に、複数人の思惑が絡み事態が急変する。

個人的に北森の長編を苦手としているのだが、これは途中での視点切り替えによる成果か、それとも複数計画の乱立による影響か、いつもの冗長性が影を潜めており読み易い。

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2007-10-02

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アオバ自転車店 01 (ヤングキングコミックス)

アオバ自転車店 01 (ヤングキングコミックス)

本誌では依然『並木橋通りアオバ自転車店』で連載中だが、何故か単行本のタイトルはこの巻からリニューアルされ、改めて1から番号を振り直し。

巻末には弓月光の特別寄稿。この人30年以上前にDeRosa乗ってたんだ……

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エマ 9巻 (BEAM COMIX)

エマ 9巻 (BEAM COMIX)

8巻に引き続き外伝。オペラ歌手の話は秀逸、あと夫妻がエロい。

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翠水惑星年代記 (ヤングキングコミックス)

翠水惑星年代記 (ヤングキングコミックス)

今回はSF成分少なめ、少年少女成分多め。その代わり平行世界モノ導入。これを宇宙モノとどう絡めるのか楽しみ。

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