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2007-08-27

[][]『東京事件』 『東京事件』 - 芹沢蔵書目録 を含むブックマーク はてなブックマーク - 『東京事件』 - 芹沢蔵書目録 『東京事件』 - 芹沢蔵書目録 のブックマークコメント

東京事件 1 (角川コミックス・エース 49-4)

東京事件 1 (角川コミックス・エース 49-4)

まさか菅野博士の新作が刊行されるとは!何を措いても読まねばなるまい。


大塚原作の昭和偽史シリーズ。今回は旧陸軍による時間改変兵器を核とした話らしい。

組むのは菅野博士、快描教室―きもちよ?く絵を描こう! マンガの悩みを一刀両断!! ComickersMOOKなどで知られる画力派だが、一方で間の取り方が今ひとつで受けの悪い作家でもある。これまでの単行本刊行作品数は3シリーズぐらいだったか、いずれも2〜3冊で終了してしまい重版もあまりないという短命さ。


過去を改変し未来を予知する能力、それだけで一つの大きなストーリが描けるネタを幾つも詰め込んで短篇とする。それらはどんな大きな流れを紡ぎ出すものか。果たしてそこまで息切れせずに続くものか。続編を楽しみに待とう。

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2007-08-20

[]『ロケットガール 魔法使いとランデヴー』 『ロケットガール 魔法使いとランデヴー』 - 芹沢蔵書目録 を含むブックマーク はてなブックマーク - 『ロケットガール 魔法使いとランデヴー』 - 芹沢蔵書目録 『ロケットガール 魔法使いとランデヴー』 - 芹沢蔵書目録 のブックマークコメント

ロケットガール初の短編集。18日発売と聞いていたので19日に書泉を探したのだが置いてない。売り切れ?まさか……と思いながら有隣堂へ行ったら1冊だけ置いてあった。で本日になって「20日発売の新刊」として案内が……あれ?


雑誌掲載されたものは割合ヴォリュームの少ない作品。最後に中編規模の書き下ろしが付く。現在地球に向かって帰還継続中の小惑星探査機「はやぶさ」を題材とした作で、作者の思い入れの程が伺えようというもの。あれ自体が手に汗握る波瀾万丈の冒険なわけだが、その回収劇もまたそれに劣らぬ冒険として描かれる。

に、しても……特殊素材とはいえ厚さ2mmのスキンタイトで100度に耐えられるものだろうか。そこはちょっと狡いような。

[]『木洩れ日に泳ぐ魚』 12:57 『木洩れ日に泳ぐ魚』 - 芹沢蔵書目録 を含むブックマーク はてなブックマーク - 『木洩れ日に泳ぐ魚』 - 芹沢蔵書目録 『木洩れ日に泳ぐ魚』 - 芹沢蔵書目録 のブックマークコメント

木洩れ日に泳ぐ魚

木洩れ日に泳ぐ魚

緊張感のあるミステリ。恩田陸はこういう作風に強い。

ある引越し直前のアパート。男女交互の視点。互いに肚の内を探る-----相手が男を殺したのではないかと。

共犯者としての、あるいは告発者としての相関関係。雰囲気は重いがヴォリュームは軽い。気軽に読めて気重な一冊。

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2007-08-13

[]『独白するユニバーサル横メルカトル』 『独白するユニバーサル横メルカトル』 - 芹沢蔵書目録 を含むブックマーク はてなブックマーク - 『独白するユニバーサル横メルカトル』 - 芹沢蔵書目録 『独白するユニバーサル横メルカトル』 - 芹沢蔵書目録 のブックマークコメント

独白するユニバーサル横メルカトル

独白するユニバーサル横メルカトル

なんだこのタイトル、と思いながら読んだのだけれど、確かにこの表題作は他にどう名付けようもない。なんとも奇妙な読後感の秀作。

他にも、最初に読んだ長編『メルキオールの惨劇』にも通ずる印象のある「Ωの聖餐」、素晴らしきデストピア「オペラントの肖像」、サスペンス的SF「卵男」、例によって平山の本領を発揮する「怪物のような顔の女と溶けた時計のような頭の男」など、様々なテイストが楽しめる1冊であった。

[]『虐殺器官』 『虐殺器官』 - 芹沢蔵書目録 を含むブックマーク はてなブックマーク - 『虐殺器官』 - 芹沢蔵書目録 『虐殺器官』 - 芹沢蔵書目録 のブックマークコメント

虐殺器官 (ハヤカワSFシリーズ・Jコレクション)

虐殺器官 (ハヤカワSFシリーズ・Jコレクション)

近未来SFのギミックを持つ軍事小説の体を成すデストピア小説または言語魔術。米国に於いて暗殺その他の非合法活動を専任とする情報軍特殊検索群i分遣隊の隊員が暗殺する内紛による虐殺の首謀者の中で、幾度もその手をすり抜ける一人の男。こいつは何何者なのか、どうやってこの高度監視社会の網をすり抜けているのか、何の目的で動いているのか。

核となる脳科学的分野のギミックは面白い。まあ魔法をSF的に説明する作品群では馴染みのギミックではあるのだが、もう少し精緻に追求されている。

ただ、その文脈でイルカの利用を非難する発言の意図は不明だ。各々の所業に比してそう酷いこととも思えないのだが。

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2007-08-03

[]『ミサイルマン』 15:17 『ミサイルマン』 - 芹沢蔵書目録 を含むブックマーク はてなブックマーク - 『ミサイルマン』 - 芹沢蔵書目録 『ミサイルマン』 - 芹沢蔵書目録 のブックマークコメント

ミサイルマン―平山夢明短編集

ミサイルマン―平山夢明短編集

内容よりもカヴァアートにベクシンスキーを持ってきたことに興味を惹かれた。ジャンルすら混在する短編集

クトゥルフもの1点以外は、あまりホラーっぽい「迫り来るもの」がない。基本的にはほとんどが殺害を詳細に描いたもので、恐怖より生理的嫌悪を狙う傾向の作品であった。この前に読んだものも同傾向だったので、恐らくこれが平山の得意分野なのだろう。

作品単体としては悪くないのだが、やや詰め込みが不足しているのと、1冊の書物としての纏まりに欠ける感があるのは残念。

例の呪文を漢字混じりに表記する手法はちょっと目新しく感じた。

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2007-08-01

[]『メルキオールの惨劇』 09:56 『メルキオールの惨劇』 - 芹沢蔵書目録 を含むブックマーク はてなブックマーク - 『メルキオールの惨劇』 - 芹沢蔵書目録 『メルキオールの惨劇』 - 芹沢蔵書目録 のブックマークコメント

メルキオールの惨劇 (ハルキ・ホラー文庫)

メルキオールの惨劇 (ハルキ・ホラー文庫)

g:horror:id:COCOさんのところだったか、書評を見て興味を惹かれたので図書館にて数冊リクエスト。まずは文庫だったこれから読み始める。

開始直後の印象は「恐怖というより理不尽」だった。ギーガーの画を文章化したような感じというか、不気味ではあるが怖さはない世界。これをホラーに含めて良いものか。

だが、白痴の覚醒により世界は一変する。ここから先は目眩めくタームの洪水。SF的とも言える奇妙な論理体系が溢れ出し、あっという間に世界を覆い尽くす。

そこに人外の恐怖はない。あるのは歪な美しさを湛える残虐な宇宙だけだ。


これに近い作品群があるとすれば……江戸川乱歩とか、そういった辺りなんじゃないかと思う。

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