芹沢蔵書目録 このページをアンテナに追加 RSSフィード

2007-07-10

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オルタード・カーボン

オルタード・カーボン

某所で紹介された作家サイバーパンクというか、退廃的未来世界でのハードボイルドという感じ。


精神を完全にデジタル化できるようになった世界。人はみな自身の精神を保存し、死んでもそれを新たな肉体に入れて再生する。肉体は自身のクローンである場合もあるが(それは一部の金持ちの特権だ)多くは人造スリーヴであったり死者の肉体であったりする。代用炭素殻-----Alterd Carbon。

死という言葉に重みはない。本当の死とは、保存された精神データが消去されたときにのみ起きる。それ以外は精々仮死状態のようなものだ。

その代わりに、拷問は高度に発達した。「死んでも口を割らない」などという現象は既にない。死んだら、新たな肉体に入れ直してやればいいだけだ。いや、実際には肉体すら必要なく、精神だけを同等の感覚を与えるヴァーチャルな世界に放り込めば済む。

死のない世界は楽園ではない。それは尽きることのない悪夢だ。

少ない手掛かり、見えない筋道。場当たり的な捜査とトラブル。混迷する状況、ふいに見える光明と終盤での劇的な情報連鎖。ミステリ/SFとしてのカタルシスには欠けるかも知れないが、決して退屈することはない。

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