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2007-05-24

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シン・マシン (SFシリーズ・Jコレクション)

シン・マシン (SFシリーズ・Jコレクション)

脳を改変するウィルスにより全人類がテレパシーのような能力で繋がった世界。社会基盤は意識のネットワークを前提に構築され、ごく一部のスタンドアロンは孤立し、社会の底辺で生きることを余儀なくされた。

日雇いでダーティな仕事を手掛ける主人公が接触した、人外の能力を持つ女との戦い。無意識政府体の陰謀、機械化汚染区……これはなんというディストピアか。


イラストは『BLAME!』の弐瓶勉。

BLAME!(1) (アフタヌーンKC)

BLAME!(1) (アフタヌーンKC)

この作品にはピッタリ……というか多分、彼の世界を念頭にこの作品を書いたに違いない。汚染による人類の変貌、ネット化した人類の無意識集合により運営される無意識政府体や末梢都市Xなどの名称、(送信者サーバ)(非接続者スタンドアロン)のように技術的・機械的な用語を人に割り振る手法など、随所にその影響が見られる。


序盤の茫洋とした薄気味悪さや最初の戦闘でのダイナミックな筆致から一転、後半は明確に生理的嫌悪を打ち出した荒廃世界の描写や大味な戦闘シーンが増える。また結末も道具立てとしては凡庸の感がある。

ただ、そこを差し引いても未来世界のイメージは悪くない。願わくば、10年ぐらい寝かせた上で(力量を付けて)もう一度リライトして欲しい。

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2007-05-22

[]『歩兵型戦闘車両OO(ダブルオー)』 『歩兵型戦闘車両OO(ダブルオー)』 - 芹沢蔵書目録 を含むブックマーク はてなブックマーク - 『歩兵型戦闘車両OO(ダブルオー)』 - 芹沢蔵書目録 『歩兵型戦闘車両OO(ダブルオー)』 - 芹沢蔵書目録 のブックマークコメント

歩兵型戦闘車両OO(ダブルオー)

歩兵型戦闘車両OO(ダブルオー)

合体ロボットは様々な意味で不合理である。人型は重心が高く射撃プラットフォームとしての安定性に欠けるし、前面投影面積が広く被弾し易い。歩行技術も不整地を転倒せずに移動できるほど発達していない。そして、合体機構は徒に複雑さを増し、その分余計な重量の増加と脆さを付け加える。汎用性の高さ?戦闘に於ける汎用性とはつまり、あらゆる局面で半端である事を指す。

そんな不合理の塊である合体ロボットを、説得力ある形で実現したらどうなるか。


巨大ロボが唯一その存在意義を認められる局面があるとすれば、それは恐らく巨大な人型の怪物と対峙するときだけだ。そして歩兵型戦闘車両ダブルオーにはその敵がいる。

それでも合体変形する不合理さを説明できるわけではない。こればかりは、純粋なメカの性能では正当化できないのだ。

では何を以て正当化するか?官僚主義国家日本に於いてもっとも重要な制限、即ち「予算の都合」だ。

予想できるように、巨大ロボットの建造には莫大な予算と時間が必要である。しかし原則として、「ちょっとづつ作るための数年越しの予算枠」なんてものは申請できない。そこで、性能面では無駄である事を百も承知で分割設計し、独立した戦闘車両として制式採用するわけだ。副次的な効果として、移送が簡単になるという利点もある。

……とまあ、そんな感じの巨大ロボットものである。操縦するのは臨時雇いの公務員、リストラされたサラリーマンと失職中の重機オペレータとシューティングゲームだけは天才的なフリーターの3人。

ところで怪獣退治と言えば自衛隊の仕事という印象があるが、実際にこれを管轄すべきはどの省庁なのだろうか。ゴジラのように外海から襲来する場合はまだしも、国内に出現した生命体の場合は?-----自然災害だから環境省の仕事、というのも考え方としてはそう間違っていないように思う。環境省が戦闘兵器を運用する奇妙さを除けばの話だが。

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2007-05-21

[]『コダワリ人のおもちゃ箱』 『コダワリ人のおもちゃ箱』 - 芹沢蔵書目録 を含むブックマーク はてなブックマーク - 『コダワリ人のおもちゃ箱』 - 芹沢蔵書目録 『コダワリ人のおもちゃ箱』 - 芹沢蔵書目録 のブックマークコメント

コダワリ人のおもちゃ箱

コダワリ人のおもちゃ箱

編集者d:id:manpukuya氏から借りる。日経のPC雑誌に連載されていたものを抜粋、後日の取材を加えて1冊に纏めたもの。

  • 自分たちで線路を敷設し、蒸気機関車を整備し、あるいは自作し、運用する鉄道マニア集団「羅須地人鉄道協会」
  • 自転車のまったく新しい駆動装置「SDV」
  • 学生が開発する10cm立方の極小人工衛星
  • 個人で作る「電脳住宅」
  • リッター4000kmを走るエコカー世界記録
  • 個人開発による世界最高のプラネタリウム「メガスター」

などが収まっている。

2001〜2003年頃に掲載されたものをベースとして、2006年〜2007年に再度取材を行ない現状の展開を追加するという構成はなかなか面白い。個人的には、電脳住宅から生涯のデータを時系列順に記録再生可能とするデータベース開発にまで乗り出した美崎薫氏に興味をそそられた。

普段あまりノンフィクションは読まないのだが、これは読み易い。著者と興味が近い位置にあるからという部分もあろうが。

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