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2006-08-11

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夏の名残りの薔薇

夏の名残りの薔薇

旧いホテル。陰鬱な柱時計。猟奇的な作り話を繰り返す三姉妹。望まぬにも関わらず毎年訪れる客たち。

そんな舞台で、少しづつ変化しながら語られる6つの話。

6人それぞれの視点から語られるこの事件の真相は?


本当に、恩田陸は闇を抱えた人間を書くのが巧い。

後ろめたい所のある人々同士が集まり、表面上は穏やかに、水面下では腹を探り合うような雰囲気。

ミステリーというよりある種の怪奇小説的に楽しむのが正しいのかも知れない。

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クリスタルサイレンス〈上〉 (ハヤカワ文庫JA)

クリスタルサイレンス〈上〉 (ハヤカワ文庫JA)

クリスタルサイレンス〈下〉 (ハヤカワ文庫JA)

クリスタルサイレンス〈下〉 (ハヤカワ文庫JA)

一言で言えば「想像力が貧困」。


火星の極冠で発見された多細胞生物は、明らかに生物として不自然な分布を見せていた。これは「貝塚」のような一種の遺跡ではないか、その線から研究するために若き考古学者が火星へ派遣される。

始まりからはファースト・コンタクトを想起させ期待が持てるが、展開はむしろ電子世界を中心としたものだった。しかも、そのネットワーク世界の描写は3Dで描画される空間内を歩き回り、怪物の姿をしたプログラムが襲ってくるような、1990年代初頭で全滅したと思われていたチープな代物。読んでいて正直げんなりする。

人物も薄っぺらい。別にしっかりした肉付けを期待するわけではないが、それならそれで観察者に徹すればよいものを、不必要に内面の描写が多いから辛くなる。

『ハイドゥナン』でも見られたスピリチュアルなもの、とりわけ沖縄と縄文文化への傾倒……というか特別視が強く出ているのも鼻に付く。なんで火星と縄文文化に共通点があるのだ。


火星ドームを覆う特異点とか、突き詰めたら面白くなりそうなネタを引っ張ってくる割に考証は置き去りで、その辺を無理矢理スピリチュアルで解決してしまう感じ。

最初はいかにもハードSFのようだが、実際には精々ニューウェーヴSFといったあたり。80年代ノリ。

これで1999年度のベストSF1位というのはちょっと信じ難い。

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のだめカンタービレ(1) (講談社コミックスキス (368巻))

のだめカンタービレ(1) (講談社コミックスキス (368巻))

のだめカンタービレ(2) (KC KISS)

のだめカンタービレ(2) (KC KISS)

のだめカンタービレ(3) (KC KISS)

のだめカンタービレ(3) (KC KISS)

のだめカンタービレ(4) (KC KISS)

のだめカンタービレ(4) (KC KISS)

のだめカンタービレ(5) (KC KISS)

のだめカンタービレ(5) (KC KISS)

のだめカンタービレ(6) (KC KISS)

のだめカンタービレ(6) (KC KISS)

家に帰ったら6巻まで転がっていた。近所のツタヤが始めた貸本サーヴィスで1冊30円だったらしい。


噂に違わぬ面白さ。噂では「面白いオーケストラ漫画」という以上のことが伝わってこなかったのだが、これは……何と言うか、破天荒だ。

塵溜めの中のグランドピアノ。クラブサンドとエスプレッソが提供できる中華料理店。食い気と色気を勘違いしているのだめ。胴着経験から飛行機にも船にも乗れない才色兼備の主人公。ていうか主人公のだめじゃないし←ここにまずびっくり。

現在15巻ぐらいまで出ているらしいので、取り敢えず貸本で欲求を解消しておいて、余裕を見て買おう。

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夏のロケット

夏のロケット

1週間ぐらい前に読んだのだが書き忘れていた。


あさりよしとおなつのロケット (Jets comics)の原作かと思って読んでいなかった作品。見たところあまりSF畑の人でもなさそうだったし。

「なつ」は小学生がモデルロケットを手作りする話だったが、「夏」の方は高校の天文部でモデルロケットを作っていた同級生たちが30になって本当に宇宙まで飛ぶロケットを作るという話。幾つかのご都合主義(一人でロケット設計をすべて担当する天才的科学者と材料工学にも長けた天才技術者と様々な資材を入手可能なつてを持った商社の営業マンと億単位の資金を投入可能なミュージシャンとロシアの宇宙開発畑にコネのある科学部の記者が一同に会するあたり)はあるものの、総じて現実的に「一民間人がロケットを打ち上げることは可能か」という命題*1に取り組んでいる。

読み易い文体で読者を引き込む良作で、ロケット趣味の人は勿論、興味のない人でも面白く読めそうな気がする。

*1:SpaceShipOneが民間初の宇宙飛行を成功させる前の話である

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