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2006-04-17

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リアルなロボット戦闘ゲーム「Denger Planet」シリーズにまつわる近未来SF漫画「ブレイクエイジ」の外伝。

1巻刊行時点で作者の体調不良などで連載が止まっていたのだが、このたび「完全版」として1冊に纏まった。

コミックサイズ1冊には分厚いヴォリュームの故か箱付きである。箱絵は普通に漫画の表紙風だが、中身にはカバーがかかっておらず素っ気ないツートンカラーのデザインになっている。


時代的にはD.P.IV以降で複座戦闘がすっかり定着した後らしく、分離合体変形とやりたい放題。また「クリムゾン」&THORなど本編の読者をにやりとさせる面も。

マキシーンの話が未完だったりと少々無理矢理の印象もあるが、取り敢えず「完結」となったので漸く落ち着いた。

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その勢いで本編も読み直す。

BREAK-AGE 1 (アスキーコミックス)

BREAK-AGE 1 (アスキーコミックス)

改めて、面白い作品であった。元々32ページ読み切りからスタートした作品で、初掲載は1992年。

今見ると初期の絵柄は随分と主線が太く全体に丸い印象で、特に1巻〜2巻あたりでの変化は劇的とも言える。また、当初10巻まで展開する予定もなかったのだろう、2巻時点で一つのクライマックスを迎えているのだが、そこからだれることもなく10巻まで引っ張った手腕は高く評価したい。

専属メカデザイナーが付いているので女性の作品とは思えないほどきっちりメカを描く。流石に時代の変化で古く見える描写もないではないが(磁気式っぽい記録ディスクとか)、全体には「来るべき未来」の姿を夢見させるに充分な作品に仕上がっている。

所々に(主人公の女装とか凄い名前の敵役とか)アレゲな部分が見え隠れするのはご愛嬌。

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何故海外物に限定しているのだろう、と思いつつ書いてみる。


まずはグレッグ・イーガンが受け付けられるなら、序盤の「星が見えなくなった→世界が荒廃」という飛躍(しかし納得できる)と予想もしない最終到達点が魅力の宇宙消失 (創元SF文庫)、宇宙の成り立ちを説明する大統一理論を軸に例によってアイデンティティ問題を絡めながらどこまでも突っ走る万物理論 (創元SF文庫)、珍しくアイデンティティへの言及を避け純粋ハードSFを展開するディアスポラ (ハヤカワ文庫 SF)あたりがお薦めできる。

またJ.P.ホーガンなら「星を継ぐもの」に続いて巨人3部作(ガニメデの優しい巨人 (創元SF文庫)巨人たちの星 (創元SF文庫 (663-3)))及びその続編たる内なる宇宙〈上〉 (創元SF文庫)/内なる宇宙〈下〉 (創元SF文庫)を。

最近の作家では異なる定理を有する宇宙などダイナミックな舞台設定でハードなスペースオペラを書くスティーヴン・バクスターの天の筏 (ハヤカワ文庫SF)フラックス (ハヤカワ文庫SF)がなかなか。滅び行く世界描写が多く陰鬱ですが、それで投げ出しさえしなければかなりのSense of Wonderが楽しめる筈。

その他、ハードSFではないけれども一風変わった方向性が楽しいロバート・J・ソウヤーイリーガル・エイリアン (ハヤカワ文庫SF)も末席に。


さて。「最近FSに興味を」ということなので、どうも国内SFは「あらかた読んだから」ではなく避けられているような印象を持った。ここは一つ、敢えて国産ものもお薦めしておこう。

まずは今や国内SFの旗手と言っても過言ではないだろう、野尻抱介。元はライトノベル系の出ながら軽妙な文体にしっかりしたSFを乗せてくる技巧派である。

ハード系としての代表作は太陽の簒奪者 (ハヤカワJA)、他にヴェイスの盲点―クレギオン〈1〉 (ハヤカワ文庫JA)から始まる軽いタッチのスペオペでくるんだ隠れハードSFシリーズなど。どれを読んでも大概外れることはないが、シリーズ物はSFギミックに差があるので2〜3冊読んでみるのが良いだろう。個人的には2作「フェイダーリンクの鯨―クレギオン〈2〉 (ハヤカワ文庫JA)」、6作「アフナスの貴石 〈クレギオン〉第6巻 (ハヤカワ文庫 JA)」、7作「ベクフットの虜 クレギオン7 (ハヤカワ文庫 JA)」をお薦めする。

また新進気鋭の若手作家として小川一水を。どちらかというとSFとしてのギミックより社会構造の変化を描くのが得意な社会派SF作家で、民間による月面開発を描く「第六大陸〈1〉 (ハヤカワ文庫JA)」や深海に潜む謎を探る「群青神殿 (ソノラマ文庫)」も捨て難いがここは敢えて老ヴォールの惑星 (次世代型作家のリアル・フィクション ハヤカワ文庫 JA (809))を。

続いて古い作では日本SFの黎明期を担った大御所による古典から「日本沈没〈上〉 (光文社文庫)」「復活の日 (ハルキ文庫)」「さよならジュピター〈上〉 (ハルキ文庫)」「虚無回廊〈1〉 (ハルキ文庫)」を。前2篇は社会派の色が濃いが、後2篇は明確に宇宙ものハードSFと言える。

その他、SFアニメの影響を排した冷徹な宇宙戦記として谷甲州「航空中軍史」シリーズ(惑星CB-8越冬隊 (ハヤカワ文庫)など)、ハードSFという注文趣旨*1からは完全に外れるがSense of Wonderの幻惑感では随一の高野史緒による歴史改変系SF「ムジカ・マキーナ (ハヤカワ文庫JA)」なんてどうだろうか。


数え上げるときりがないのでこの辺に。

最後にSFコミックを少々。漫画と侮るなかれ、立派にハードSFを確立できる作家も存在する。

嚆矢は星野之宣、「2001夜物語 (Vol.1) (Action comics)」シリーズや「ブルーホール (講談社漫画文庫)」、「ムーン・ロスト(1) (KCデラックス)」などSFものの他に民俗学/考古学をベースにSFを展開する「宗像教授伝奇考 第1集 (潮漫画文庫)」シリーズなども素晴らしい。


……ってほぼ完全に私の趣味を列挙しただけになっているようではあるが。

こちらの方が質問者らしいのでTBしておこう。

*1:完全に勘違い。「初心者なのでハードSFは避けてください」であった。けどまあ、イーガン『しあわせの理由』、ホーガン『星を継ぐもの』の筋を中心にお薦めしている(つもり)なので大丈夫だろう

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