芹沢蔵書目録 このページをアンテナに追加 RSSフィード

2005-11-16

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稗田のモノ語り 魔障ヶ岳 妖怪ハンター (KCデラックス)

稗田のモノ語り 魔障ヶ岳 妖怪ハンター (KCデラックス)

久しぶりの「妖怪ハンター」稗田礼二郎のフィールド・ノートシリーズ新作。魔障ヶ岳で出会った「モノ」にまつわる怪奇譚である。

ホラーとしての路線を押さえつつ考古学方面のネタを絡めた、クォリティの高い作品であった。

作中に携帯電話が登場するあたりは隔世の感。

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クレオパトラの夢

クレオパトラの夢

あまり出来の良くなかったMAZE(めいず)と同じ装丁にちょっと警戒感があったのだが、これはなかなか悪くない出来。

家族と疎遠になった妹を連れ戻しに函館へ渡った兄は、外資の製薬会社に努める腕利きのウィルス・ハンター。純然たるプライヴェートだった筈が段々焦臭いことに……

森博嗣の書く“頭の良さ”が「俗世を超越した何か」であるのに対し、恩田陸のそれは「全方向にちょっとづつ回転が速い」そんな印象。浮世離れせず、ぶっきらぼうでなく、しかしときに鋭い。

最後まで雲を掴むような話だったが、函館の火災に関する考察は興味深かった。

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ネアンデルタール・パララックス3部作の完結編。前作で示された地磁気逆転の可能性について、愈々語られる時が来た……と思ったら、そちらの扱いは以外にあっさりした感じ。むしろ、(タイトルから想像がつくように)ネアンデルターレスとサピエンスの混血可能性がメイン。

脳関係をもう少し深く掘り下げても面白いのではと思ったが、どうも社会を書く方に興味が行ってしまうようだ。

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2005-11-09

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迷宮百年の睡魔 (新潮文庫)

迷宮百年の睡魔 (新潮文庫)

女王の百年密室の続編。未来世界を舞台としたミステリ。

現代世界を舞台にしたものと違って異世界ものではミステリは難しい。推論の根拠となる情報に乏しく、読者が適正に推理できないからだ。言わば「フェアでない」(フェアであることが重要であるとしてだが)。

本書に於いても、例えば犯行の動機やその方法について、通常の思考で発想するのは困難だろう。しかしフェアでないかといえばそうでもない。ちゃんとその手掛かりとなる情報は隠されている。

読後に一瞬遅れて「ミステリ」が訪れるような、不思議な感覚。

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どきどきフェノメノン

どきどきフェノメノン

まるでミステリらしからぬタイトルと装丁だが、氏の作品はタイトルから内容を推察し難いものが多いし、時々はミステリでなくとも面白いものを書きもするので、その辺に期待を寄せてみる。


……結論から言えば、これは恋愛小説だ。うーむ、その方向は予想しなかった。

何の謎も提示されず、ただ主人公の思考と行動が描写されるだけである。

退屈ではないのだがなにか肩すかしを食らったような気分で、そして面映い。なんだかむずむずする。

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2005-11-06

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猫丸先輩の空論 (講談社ノベルス)

猫丸先輩の空論 (講談社ノベルス)

飄々とした名探偵或いは詭弁者、猫丸先輩シリーズ最新作。相変わらず事件とも呼べぬ程度のちょっとした事件を、思わぬ方向からの推論で理由付けして行く。

この作者はこれくらい軽妙な文体の方が味が出る。

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模倣密室

模倣密室

折原一の作品を読んでいたのは遠い昔の事、今ではどんな作風だったか思い出せなかったので、タイトルと表紙だけで借りた。

物凄くローカルな場所設定のミステリ。いや別に場所と内容には何の関係もないのだが、その地域をそれなりに知っているだけに妙な心持ちで読んだ。

一応の主人公たる警部は密室マニアの酷い迷探偵で、なんでも密室事件にしたがる男。彼が珍推理を繰り広げているうちに事件が解決するというパターンである。

かなりユーモラスな展開で、恐らくトリック又はシチュエーションは過去の有名な作品のパロディでもあるのだろうか。トリックそのものは荒唐無稽に過ぎる嫌いがあるが、あまり気にせず楽しめる。

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2005-11-03

[]『楽園の鳥 —カルカッタ幻想曲—』 『楽園の鳥 —カルカッタ幻想曲—』 - 芹沢蔵書目録 を含むブックマーク はてなブックマーク - 『楽園の鳥 —カルカッタ幻想曲—』 - 芹沢蔵書目録 『楽園の鳥 —カルカッタ幻想曲—』 - 芹沢蔵書目録 のブックマークコメント

楽園の鳥 ―カルカッタ幻想曲―

楽園の鳥 ―カルカッタ幻想曲―

泉鏡花賞受賞作、らしいがまったく面白さが分からなかった。それまでに読んだ児童文学2作は結構面白く、本作が児童向けでない初めての作品ということもあり期待を寄せたのだが、最後まで報われることはなかったようだ。


これは共依存の愚かな女と、それに付け込む男たちの話である。金をせびる男、暴力を振るう男。利用されているだけであり、一緒に居ても酷いことにしかならないと知りつつそれから逃れようとしない女。そのチャンスは存分にあるが、男の上辺だけの懇願に気を許し続ける。鬱陶しいことこの上ない。


少なくとも前年の『ブラフマンの埋葬』は面白かったので、この賞の傾向と私の嗜好が合わないということでもなさそうだと思うのだが。

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2005-11-01

[]ディアスポラ ディアスポラ - 芹沢蔵書目録 を含むブックマーク はてなブックマーク - ディアスポラ - 芹沢蔵書目録 ディアスポラ - 芹沢蔵書目録 のブックマークコメント

ディアスポラ (ハヤカワ文庫 SF)

ディアスポラ (ハヤカワ文庫 SF)

各所で絶賛されていたので楽しみにしていたが、期待を裏切らぬ出来であった。

イーガンお得意のシミュレートされた人類たちが深遠なる宇宙を探査する話。詳しくは触れないがそれだけで1本のSFが書けるであろうネタをいくつも詰め込んであるので凄い密度に。それぞれが高次元の難解な物理学をベースに展開されるので、理解に時間がかかる。

極めつけはどれも想像し得なかったような世界の生物についての描写で、「何を話しているんだ?」「世間話かと思う。かれらにとってのひとづきあい」難解な話の中に突然こういう表現が出てきたので吹き出した。


ところでイーガンの書く人格は大概が感情を抑えて理性だけで成立しているような印象であるが、これはつまりモヒカン賊のあるべき姿なのでは。

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