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2005-08-10

[]『魔女』 『魔女』 - 芹沢蔵書目録 を含むブックマーク はてなブックマーク - 『魔女』 - 芹沢蔵書目録 『魔女』 - 芹沢蔵書目録 のブックマークコメント

魔女 第1集 (IKKI COMICS)

魔女 第1集 (IKKI COMICS)

魔女 第2集 (IKKI COMICS)

魔女 第2集 (IKKI COMICS)

私と好みの指向性が近いであろう幾人かが薦めていたので、遅ればせながら手に取ってみた。

これは、久々に発見された魔術書である。


魔術(的な何か)を題材とする事もさることながら、その表現手段や込められた悪意もまた、(現在日本に於ける魔術書の担い手たる)古川日出男と共通するものを感じる。とりわけ、現在日本を舞台とした第二巻の「うたぬすびと」にはその傾向が強い。


一つの特徴として、(魔術を含めた)西洋文明の「頭でっかち」さの描写が挙げられる。知識に偏りすぎる事に対する警鐘。視覚と言葉に重きを置きすぎるバランスの悪さ。


人間の処理可能なインターフェイスのリソースは有限である。

社会が小集団だった頃はリソースの多くは世界を認識するのに費やされている。原始社会然り、幼児然り、魔女然り。だから彼らは、我々が見えなくなってしまったものを見ることができるのだ。

而して社会が巨大化するに伴って、限りあるリソースを人間の認識に割かざるを得なくなる。しかも社会は、情報伝達技術の発達に伴い指数関数的に拡大し続けるので、今やリソースの殆どはそちらに振り分けられ、我々は益々世界を見失う。

しかし、だ。思うにこれは、認識が逆転するまでの過渡期的な状態に過ぎないのではないだろうか。いつか、インターネットを凌駕するネットワーク技術により情報が更に緊密に共有化され、人の目が完全に世界から切り離された時、それは魔術の逆相への転換を起こすような気がしてならない。世界を読み、紡ぎ出すのが魔術であるならば、世界を解き、書き直すのが技術なのであろう。今はまだ未熟だが。


などという事を取り留めなく考えながら3度読み返した。

[]『老ヴォールの惑星』 『老ヴォールの惑星』 - 芹沢蔵書目録 を含むブックマーク はてなブックマーク - 『老ヴォールの惑星』 - 芹沢蔵書目録 『老ヴォールの惑星』 - 芹沢蔵書目録 のブックマークコメント

社会、惑星、生物、仮想現実……様々なテーマを盛り込んだ短編集。特に表題作「老ヴォールの惑星」が素晴らしい。極限環境下に発生した知的生命。体構造と知性化の描写。環境のみで同一個体が発生し得るかという点には疑問があるが、それを差し引いても素晴らしいの一言。

ただ、まあ……あくまで人を中心に置かないハードSFファンとしては、やや社会性描写に傾きすぎるきらいのある他3作は、やや距離を置きがちである。いや、充分に面白いのだが。


[]長い道 長い道 - 芹沢蔵書目録 を含むブックマーク はてなブックマーク - 長い道 - 芹沢蔵書目録 長い道 - 芹沢蔵書目録 のブックマークコメント

長い道 (Action comics)

長い道 (Action comics)

話の一部を同人誌で所有しているのだが、やっと全貌が明らかに。穀潰しの無能男と、(なぜか)その男に嫁いだ地味で能天気な女の話。


こうの史代の描く漫画はどれも、限りなく地味である。華らしい華がほとんどない。正直言って、文化庁メディア芸術祭で賞を獲らなかったら、今でも注目されることなく、単行本も出されなかっただろう。

しかしひとたび光を浴びれば、地味ながらも確かな力量は充分に人を魅了する力を備えている。

おむすびおむすび2006/10/31 00:24はじめまして。
おむすびと申します。
「魔女」でトラックバックさせていただきました。
よろしくお願いいたします。

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