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2004-11-11読んだもの

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内なる宇宙〈上〉 (創元SF文庫)

内なる宇宙〈上〉 (創元SF文庫)

内なる宇宙〈下〉 (創元SF文庫)

内なる宇宙〈下〉 (創元SF文庫)

図書館で上巻が紛失していたために永らく読めなかったもの。巨人3部作の続きで、物語は再び驚くべき展開を迎える。

驚きを口に出せばネタバレになってしまうので控えるが、これまで人類の起源を中心に引っ張ってきたこのシリーズがここで初めて違うテーマを扱う。冒頭でホーガンがファンタジーに対するスタンスを述べているが、これは正にその「ホーガン式ファンタジー」である。

上巻はほぼジェヴレンの社会を描いたものとなり、SFとしては少々退屈に思えるだろう。しかし下巻に差し掛かった当たりから話は急転直下する。そこまでは我慢して読み進め、新たなる宇宙を目撃されたい。

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順列都市〈上〉 (ハヤカワ文庫SF)

順列都市〈上〉 (ハヤカワ文庫SF)

順列都市〈下〉 (ハヤカワ文庫SF)

順列都市〈下〉 (ハヤカワ文庫SF)

グレッグ・イーガン短編集ばかり出ていて、基本的に短編を好まない私は敬遠気味だったのだが、数少ない長編を借りてみようとしたら、例によって下巻紛失で他館借入を待たねばならなかった。

『コピー」の存在そのものに関わる問題は基本的にクローン問題と同根で、特に目新しさはない……と思いきや、純粋情報存在でしか成立し得ないストーリーにシフトして行く下りはなかなか面白い。が、全編を通じて微妙な違和感から逃れられなかった。ルーディ・ラッカーの『ソフトウェア』を読んだ時に感じたような、何か文化的に馴染めないような感覚。

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アーサー・C・クラーク(と名も知らぬ若手作家)の海洋SFというから借りてみたが、正直なところ期待外れ。骨子だけ見ればファーストコンタクトもので、それが海中で行われるという以外に大して目新しさは無い。それならそれでそこそこ面白くも書けようものだが、何故か全編通して主要な登場人物の私生活(主に性生活)の描写に比重の半分程度が置かれているのが鬱陶しい。

「SFにも人間性の描写が必要だ」とか考えた結果がこれなのかもしれないが、そうだとしたら完全に方法を取り違えている。

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宇宙消失 (創元SF文庫)

宇宙消失 (創元SF文庫)

サイバーパンクは(企業が国家と同程度に力を持つ時代を実現するために)何らかの大災害により現在の秩序が崩壊を見た世界を描くのが常である。だが本書でのそうした災害は一風変わったものである。

太陽系を完全に覆うブラックホールの膜。

星空は失われたが地球には何一つ影響は無かった。人類は未だ火星より遠くには行っておらず、太陽系の外側は当面何の影響も無い。それでも人類は恐怖と絶望を感じ、新興宗教が乱立し、カルト集団のテロが横行した。


サイバーパンクはSFの異端児であり、通常先端的な科学理論は一切扱わず、SF的な部分はガジェットとして登場するのみである。科学理論的思考実験ではなく、アイデンティティへの懐疑という哲学的な思考実験を根幹に持つことも含めて特殊であり、少なくともハードSFからは異端視扱いされてきた。

しかし本書は量子力学(最も哲学的な面を持つ物理理論)の領域に踏み込むことで、サイバーパンクとハードSFを両立させてしまった。

ラストにやや肩すかしを食らった感は否めないが、それまでの展開は本当に見事である。

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